特に、ドラマ「愛が何だって」は、1997年に中国CCTVで放映されて4.2%の 高い視聴率を記録し、およそ1億5,000万人が視聴したことがわかっています。
1997年から北京のソウル音楽室(漢城音楽庁)で紹介され始めたK-Popのう ち、特にダンスミュージックが若者の間で大人気となりました。中国での韓 流ブームに決定的な役割を果たしたのは、2000年2月に北京工人体育館で開 かれたアイドルグループH.O.Tのコンサートです。このコンサートで、韓国の メディアでも韓流という言葉を本格的に使い始めました。1999年11月に北京 青年報の記事に書かれた韓流という言葉を、韓国人自らも認識し始めたのが この時です。
2000年代半ばから海外進出が本格化したK-Popですが、現在は東南アジアを 越えてヨーロッパ・アメリカ・南米大陸まで、その領域を拡大しています。
映画
韓国映画の韓流スター、ペ・ヨンジュン、チャン・ドンゴン、イ・ソジン、 クォン・サンウ、ウォンビンなどは海外でよく知られています。イ・ビョン ホン、ピ、チョン・ジヒョン、ペ・ドゥナは、ハリウッドに進出し、チャン ・グンソクは日本で人気を集めています。毎年開催される釜山(プサン)国際映 画祭をはじめ、富川(プチョン)・全州(チョンジュ)などで開かれる国際映画祭 も、韓国映画を海外に知らせる重要な役割を果たしています。
ジャンルとしての面白さとしっかりとした構成で、海外において韓国映画 の新しい真髄と評価される「新感染 ファイナル・エクスプレス」は、北米、 ヨーロッパ、南米など海外160カ国余りで販売され、約5200万ドル以上の収 益を記録しました。
海外の国際映画祭を通じて、韓国映画や映画監督が海外に広く紹介され ています。イム・グォンテク、イ・チャンドン、パク・チャヌク、ホン・サ ンス、キム・ジフン、ポン・ジュノ監督なども海外映画界で注目を集めてお り、「酔画仙」、「ポエトリー アグネスの詩」、「シークレット・サンシャ イン」、「渇き」、「蜜の味~テイストオブマネー~」などの作品が海外の 映画祭を通じて外国に紹介されました。2000年代に入ると、多くの映画が 1000万人以上の観客を動員し、韓国映画の地位を高めています。
最高の話題作とされる「バトル・オーシャン 海上決戦」(2014年)は1761万人もの観客を動員し、最高の興行映画になりました。以後、「国際市場で 逢いましょう」(2014年)、「暗殺」(2015年)、「ベテラン」(2015 年)、「新感 染 ファイナル・エクスプレス」(2016年)、「タクシー運転手 約束は海を越え て」(2017年)、「神と共に」(2017年)、「エクストリーム・ジョブ」(2019年)な ども1,000万人以上の観客を動員しました。
一方、2011年7月のメキシコ・グアナフアト国際映画祭では韓国が主賓国 に選ばれ、ホラー映画特別展、ポン・ジュノ、キム・ドンウォン監督特別展 などで「囁く廊下-女校怪談-」、「ビー・デビル」など計76本の韓国映画が 上映されました。
2016年11月には、インド最大の映画祭である「第47回インド国際映画 祭」に韓国が初めて主賓国として招待され、イム・グォンテク監督が功労賞 を受賞しました。この映画祭でイ・ジュンイク監督の「王の運命-歴史を変 えた八日間-」は公式コンペティション部門に出品され、キム・ジウン監督 の「密偵」は映画祭閉幕作に選ばれました。
これらの土台の上に2019年、第72回カンヌ国際映画祭でポン・ジュノ監 督の「パラサイト 半地下の家族」がパルム・ドールを受賞し、続いて2020年 2月9日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスのハリウッドドルビー劇場で開 かれた第92回アカデミー賞授賞式では最優秀作品賞、監督賞、脚本賞、外国 語映画賞を席巻するという快挙を成し遂げました。特にアカデミー史上、非 英語圏の映画が作品賞を受賞したのはこの作品が初めてです。カンヌ映画祭 のパルム・ドールと共に、欧州と北米の最高権威賞を総なめし、映画でも韓 流ブームを強固にするきっかけになりました。
ミュージカル俳優も、元々ミュージカルでデビューしたチェ・ジョンウォ ン、ナム・ギョンジュ、チョ・スンウに加え、ユン・ボッキ、イン・スニ、オ ク・ジュヒョンなどが、大衆歌謡とミュージカルの舞台で活躍しています。
国立バレエ団、ユニバーサルバレエ団、ソウルバレエ団などの公演も活発です。代表的なバレリーナは、東洋人としては初めてドイツのシュトゥット ガルトバレエ団に入団したカン・スジンで、現在は国立バレエ団の芸術監督 を務めています。
2011年には世界トップクラスのクラシックバレエ団として認められてい るロシアのマリインスキーバレエ団に、韓国人男性ダンサーのキム・ギミン が東洋人として初めて入団し、首席ダンサーとして名を馳せています。2012 年7月には、世界トップクラスのアメリカンバレエシアター(ABT)で、ソ・ヒ が韓国人初のプリンシパルダンサーになりました。
2017年6月には、世界3大バレエコンクールに数えられるモスクワ国際バ レエコンクールで、韓国芸術総合学校に在学中のパク・ソンミが韓国人初の1 位を受賞しました。