2010年にソウルで開かれたG20首脳会議も、このような流れによるもので す。G20首脳会議は、2008年に世界経済危機が発生した後、国際社会で先進国 中心のG7会議には限界があり、主要新興国も含めた国際議論体制が必要だと いう認識が広がったことから誕生しました。過去30年間、世界経済における 新興開発途上国の割合や役割は大きく増えましたが、国際金融システムはこ れらの変化を反映できませんでした。これを受け、財務長官レベルの会議を 首脳級会議へと引き上げたのが、G20首脳会議です。
20ヶ国の首脳と有力な国際機関の代表などが参加し、G20首脳会議が2010 年11月、韓国ソウルで開かれました。韓国が、G20首脳会議開催国と議長国を 兼ねました。これは、韓国が国際秩序の中で受動的な役割から抜け出し、積 極的な役割を担うという意味があります。
G20首脳会議は、会議の結果、20項目に至る、いわゆる「ソウル宣言」を採 択し、74項目の合意文をもたらしました。また、「同伴成長のためのソウル開 発コンセンサス(Seoul Development Consensus for Shared Growth)」、「開発 に関する複数年行動計画(Multi-year Action Plan)」、「腐敗対策行動計画(AntiCorruption Action Plan)」の3つの附属書を発表する成果を収めました。
「ソウル宣言」は、主要国家間の為替戦争にピリオドを打ち、先進国中心 のIMFを改革することで、発展途上国と新興諸国の役割を強調しようとしまし た。また、これを通じてグローバル金融市場を安定させ、貧困国に対する経 済開発支援を具体化する内容となっています。この「ソウル宣言」は、国際 経済・金融市場で韓国の地位を大きく高めるきっかけになりました。