国内事情

2012.02.01

 Q1. 世界地図に東海より日本海が多く登場する理由は何か?

東海という地名が2,000年以上使われたということと現在5千万人の韓国人が変らず使い続けているという事実に基づき、韓国政府は東海という地名を国際的に認知させるために努力して来たが、日本海が世界的により多く使われているのが現状である。


日本海という呼称は世界地図の製作が拡大し、日本がアジアの大国として浮上し始めた19世紀末に広まり始めた。


日本海という表記の使用が増加したきっかけは、1929年国際水路機構が『海洋の境界』という本を出版してからであった。この本には世界中の領土と領海の地名が収録されており、朝鮮半島(韓半島)東側にある問題の海域を日本海と表記していた。韓国は当時日本の植民統治を受けていたため東海という表記の正当性を主張する機会がなかった。韓国に発言権がない状態で国際水路機構は総会で日本海という呼称を決めたのである。

1937年『海洋の境界』 改訂版が出刊された時、韓国は相変らず日本統治の下にあり、1953年三刷本が出た時、韓国は戦争の最中だった。そのため日本海という表記はより確固たるものになっていた。このような理由により日本海という表記が世界的に多く登場することになる。


しかしここ15年間韓国の積極的な広報活動により東海という表記が広がり、特に民間出版社とマスコミにおいてそうした流れが強くなっている。東海と日本海を併記した比率は2000年2.8%、2007年には23.8%へと急増した。




Q2. 東海という表記の正当性は何か?

多くの歴史書を見てもわかるように東海という表記は2000年以上使われてきた。なおかつ東海という呼称は日本という国号が使われる700年前にすでに使われていた。これが東海という表記が歴史的に日本海という表記より妥当性のある根拠である。


東海は南韓(大韓民国)、北朝鮮、日本、ロシアに囲まれており、この場合4ヶ国全てが呼称に同意しなければならない。合意がされるまでは地図に全ての名称が併記されなければならない。国連地名標準化会議は地形の呼称に異見がある場合、合意に至るまでは全ての当該呼称を併記するよう勧告している。




Q3. 西洋の古地図に日本海という表記が多い理由は何か?

東海という表記は東洋航路探索が始まった16世紀初めに登場し始めた。16世紀初めから19世紀初めに出版された西洋の地図は韓国と日本間の海域を韓国海、東方海、中国海、日本海など色々な呼称で表記している。


全般的に、16世紀から18世紀まで韓国海という呼称が、18世紀から19世紀までは日本海という呼称が優勢だった。このような結果に基づき、日本は日本海が19世紀初めにすでに世界的に位置付けられたのであるという論理を展開するのである。しかしある一定期間中、日本海が最も多く使われたからとしてその呼称が国際的に認められたと考えるのは大きな間違いである。



Q4. 東海という表記は一国を基準に設定された呼称ではないか?

東海という表記は『三国史記』で使われており、また広開土大王碑にも登場する。このため東海という呼称は朝鮮半島(韓半島)の東側という意味というよりユーラシア大陸の東側という意味であると言える。


東海に関する多くの歴史的資料から考えて見ると、東海とは一国を中心とした観点に基づいた呼称というより、2000年の歴史を通じて終始使われてきたものである考えられる。




Q5. 地域の名称に関する紛争がある場合、適用できる国際的な慣例があるか?

国連地名標準化会議は、決議案 III/20項を通じて、「ある一地域が一国家以上の管轄圏にあったり、二国以上以上により分離されており、また該当の国家間でその地域の呼称において合意がなされなかった場合、国際地図製作の慣例に従い各当該国が使う呼称が併用されなければならない」と勧告している。


国際水路機構は決議案A 4.2.6項を通じて「二国以上が共有する湾、海峡、運河、群島などは当事国が合意して単一呼称を使うように努力しなければならず、当事国が異なった言語を使ったり、単一地名に合意することができない場合は当事国の言語で表す名称が併記されなければならない」と勧告している。ただ、英仏海峡などのように名称の長さが問題となり併記が難しい場合は例外にしている。




Q6. 世界的に東海という表記を広げるために、韓国政府はどのような努力をしているのか?

東海という表記の広報を決めた1992年以後、韓国政府は協議体を構成し、国際機関、政府、学術団体、マスコミ、地図製作会社に広報活動を続けている。


韓国が国連に加盟した後、政府は東海という表記を継続して国際会議に申し立てており、当事案に関する国際的な関心を高めるために絶えず努力している。


現在の韓日間の領海呼称に関する論争は公式的に関連国際会議で認識されている。特に第 17回国際水路機関の総会で東海という表記の正当性を支持する意見が増えたという点は意味があることである。また日本海の単独表記を行ってきた出版物『海洋と境界』は暫定的に出版が中断されている。