延世大学校セブランス病院の国際診療センターのイン・ヨハン所長= 5日、ソウル
[ソウル=ユン・ソジョン、ハム・ヒウン、キム・ウニョン]
[写真=キム・シュンジュ]
「韓国と北朝鮮(南北)の関係が一層発展することを祈ります」
27日開かれる「2018南北首脳会談(南北首脳会談)」に先立ち、延世大学校セブランス病院の国際診療センターのイン・ヨハン所長の願い事だ。
イン所長は、11年ぶりに開かれる南北首脳会談に対して特別な考え方を持つ一人だ。
彼は、結核治療や救急車の普及など、北朝鮮の保健医療を支援するために1997年初めて北朝鮮を訪問した。
イン所長は北朝鮮保健の現状について、「簡単な予防接種も受けられない人々も多く、診断危機もまともにない」とし、「韓国戦争前後、結核は南北で死亡率の高い疾病となった」と説明した。
2000年と2007年に開かれた南北首脳会談で韓半島には和解ムードが醸成された。しかし、北朝鮮による核・ミサイルの挑発で韓半島の緊張が高まった。北朝鮮への人道援助も減り続けた。
イン所長は2月末、文正仁(ムン・ジョンイン)統一外交安保特別補佐官と共に、ワシントンを訪問し、政財界の関係者などに北朝鮮への医療支援の重要性を強調した。
また、北朝鮮への医療支援や疾病治療が南北統一に確実な支援政策だと主張した。
世界保健機関(WHO)憲章には「人種、宗教、政治信条や経済的・社会的条件によって差別されることなく、最高水準の健康に恵まれることは、あらゆる人々にとっての基本的人権の一つ」と書いてある。
イン所長は「伝染性や耐性の強い多剤耐性結核は、エイズや核爆弾より恐ろしい病気」とし、「北朝鮮で伝染病を中心とした保健医療の支援事業を拡大していく必要がある」と付け加えた。
延世大学校セブランス病院の国際診療センターのイン・ヨハン所長=5日、ソウル
また、「北朝鮮の立場となって考えることも必要だ」とし、「南北が一つ一つ問題を解決して行けば、南北首脳会談の展望はとても明るい」と話した。
続いて、「北朝鮮による核やミサイル問題が緊急な案件」とし、「(南北体制が異なっているため)交渉方式も異なるが、少しずつ解決して行けば大丈夫」と話した。
韓国社会も変化すべきだとし、脱北者などを包容しなければならないと話した。
イン所長は、北朝鮮での特別な思い出について話した。
「2000年に行われた南北首脳会談が思い出される。当時、今までとは違って検問手続きも簡単だった。金大中(キム・デジュン)大統領と金正日(キム・ジョンイル)総書記が握手を交わす写真が北朝鮮で平和の象徴して捉えられた。今回の会談でも、このような場面を見ることを祈る」と話した。
2000年に北朝鮮の宣川中央結核病院の医療陣とイン所長=イン・ヨハン提供
eykim86@korea.kr