経済

2015.02.27

山参(サンサム-山岳地帯の奥地に自生する高麗人参)が漢方医学書籍に最初に登場したのは西暦200年頃の後漢時代に張仲景が著した『傷寒論』という本だ。それ以降、数多くの医学書に山参の様々な効能が記録されてきた。

山参の代表的な効能は、気力を回復させてくれることだ。体が弱っていることが原因で多様な症状が出ているとき、気力が落ちたとき、または大きな病気を患ったあとに最も多く使われる生薬が山参だ。血は決して勝手に循環しない。気力があってこそ血行がよくなると言われるように、血行が悪いときは体のエネルギーを循環させる力を高めなければならない。

山参は身体が自ら病気を乗り越え力、つまり自然治癒力を高めてくれる生薬だ。山参は病気を治す薬というよりは、身体を直す薬だ。韓国産の山参は、優れた効能で広く知られている。

5년근 산양산삼으로 만든 '명술'은 코끝에서 느껴지는 약재향이 일품이다.

5年物長脳参で作った「ミョンスル」は、鼻先を刺激する香りが特徴だ



韓国の山参を原料にして京畿道(キョンギド)農業技術院と大農(テノン)バイオ営農組合法人が共同で開発した酒が「サンサムガドゥク(山参いっぱい)薬酒」だ。大農バイオは、長脳参(チャンネサム-人為的に山で栽培した高麗人参)を使ったマッコリと薬酒の製造特許技術の移転を受け、2010年から本格的に生産を開始した。また、マイクロ波を利用してサポニンの含有量が高い薬酒を開発した。サポニンは気力回復や脳の活動の活性化をはじめ、糖尿病や血圧などの生活習慣病に効果があり、抗がん、抗酸化、コレステロール低下の効能があるとされている。

5年物長脳参で作った「ミョンスル」は、サポニンが含まれた機能性酒類として認定された酒だ。長脳参とは、山参が育つことができる山奥に種や苗参(播種から一年あまり育った若い人参)を植え、野生の状態で育てたもの。「ミョンスル」は、鼻先から伝わってくるまろやかな香りが特徴で、濃い香りだが重くない。雨の後の濡れた土の匂いと乾いた落ち葉を燃やすときの臭いを感じることができる。ほのかな山参の香りを生かすには、調味料の使用をなるべく抑えた調理方法が良い。少量のわさびだけを添えた刺身や軽く衣を着せた魚のチヂミもよく似合う。

전통 술내림 방식으로 만든 고려인삼주(오른쪽)와 소주 타입의 통주.

伝統的な醸造方法を用いた高麗人参酒(右)と焼酎タイプのトンジュ



「高麗人参酒」も5年もの高麗人参をまるごと瓶に入れて作った伝統酒だ。伝統的な醸造方法で作られ、人参の奥深い香りと濃厚な味が特徴だ。高麗人参酒は苦味があるが、その苦味が喉を通るときの清涼感が印象的で、軽い登山の後に飲むとちょうど良いさわやかさとまろやかさがある。香りが濃厚なため、味付けの強くない淡白な料理と似合う。サムゲタンやチムダクなどの鶏料理や豚肉を主な材料とした料理がお勧めだ。

「トンジュ」は、2年物長脳参を丸ごと入れ、酒でサポニン成分を倍加させたもの。サポニンの濃厚な香りが鼻先をかすめ、飲む瞬間はピリッとした味だが、次第にまろやかで甘い味に変わる。魚では脂身が少ない白身魚とよく似合い、薄味の魚のチゲや魚焼き、豚足、スユク(茹でた肉)など脂身を抑えた肉料理にもお勧めだ。

(왼쪽부터) 대농바이오의 고려인삼주, 통주, 명술은 '2014 대한민국 우리술 품평회'에서 장려상을 받았다.

(左から)大農バイオの高麗人参酒、トンジュ、ミョンスルは、「2014大韓民国わが酒品評会」で奨励賞を受賞した



大農バイオは、京畿道(キョンギド)広州(クァンジュ)市の清浄地域で栽培された長脳参で伝統酒を製造しており、同地域で200万坪の長脳参栽培団地を運営している。昨年末に行われた「2014大韓民国わが酒品評会」で、大農バイオのミョンスル、高麗人参酒、トンジュは、薬酒・清酒部門の奨励賞を受賞している。

記事:コリアネット イム・ジェオン記者
写真:コリアネット チョン・ハン記者
jun2@korea.kr

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