海外の消費者の様々な肌の色を考慮した製品開発も功を奏した。ザ・フェイスショップは、韓国人向けとは違い、とても明るい色から暗い色までいろいろな種類を揃えたBBクリームを発売し、好評を得ている。顔とともに露出する足を柔らかくきれいに管理できるフットマスク製品「スマイル・フット・フィーリング」なども非常に人気が高い。ソウル市チョンロ(鐘路)区にあるザ・フェイスショップの関係者によると、中国などアジア圏の消費者は、カタツムリ粘液のろ過物と金の成分が含まれたエスカルゴクリームや、金の成分と霊芝の抽出物といった漢方薬剤が含まれた還生膏ゴールドクリーム・シリーズなどが人気だという。
海外の消費者に脚光を浴びるもう一つの韓国ブランドが「イニスフリー(innisfree)」だ。イニスフリーは「肌に憩いを与える島」という意味で、環境を考慮した自然主義をテーマに2000年に販売を開始しされ、柑橘や緑茶、アブラナ蜜、寒蘭など、済州島の12種類のクリーンな自然原料を活用した様々なスキンケアラインを発売しており、人気を集めている。
2012年から海外進出を始めたイニスフリーは、短期間でアジア圏を中心に人気のブランドになった。現在、上海のパークソン百貨店など中国だけで100カ所以上の店舗を運営しているほか、香港やマレーシア、台湾、シンガポール、インドなどにも相次いで出店している。特に、2013年11月にオープンしたシンガポールのオーチャード・ロード店は、オープンからわずか1カ月で4億7千万ウォン(約4,230万円)相当を売上げ、人気の高さを立証した。昨年6月に出店した台湾2号店は、一日の売上が約1億ウォン(約9千万円)に上ることもある。イニスフリーの関係者によると、昨年の海外輸出は総売上げの約25%を占め、今後さらに増える見通しだという。
海外の消費者に特に人気の商品は、「グリーンティ・シード・セラム」や「スーパー火山松栮毛穴マスク」などだ。済州島の緑茶の生汁を原料とする「グリーンティ・シード・セラム」は、「洗顔後3秒保湿」というキャッチフレーズで知られている。この製品は、済州島で採取された無農薬緑茶を30秒蒸した後すぐ搾汁した生緑茶で100%製造されている。そのため、緑茶に含まれているアミノ酸とミネラルが肌の保湿効果を高め、水分が長く保たれる。「グリーンティ・シード・セラム」は2010年の発売当時、多くの外国人観光客が訪れるミョンドン(明洞)などソウルの繁華街の主要な売り場で売り切れとなり、現在も人気が絶えない商品だ。
「スーパー火山松栮毛穴マスク」は、済州島の火山松栮成分がカプセルの中に入っており、毛穴の中の老廃物を取り除く効果がある。この製品は、2013年の中国コスモ・ビューティアワード(China 2013 Cosmo Beauty Award)やシンガポールのコスモポリタン・ビューティ・グランプリ(Singapore '2014 Cosmopolitan Beauty Grand Prix Awards)など計22の国際的な美容製品アワードのマスク部門で大賞を受賞し、品質の高さが認められている。
イニスフリーは、済州島とソウル市サムチョン(三清)洞に済州島産の原料を使った製品の製造過程を一般に公開する済州ハウスを運営しており、関心を集めている。ここでは、環境にやさしい原料で製造された化粧品と有機農食品を試食したり体験したりすることができる。