1960年代初頭、ある山奥の旅籠に30代の男ドンホ(キム・ギュチョル)がやって来る。彼は旅籠の女性のパンソリを聞き、回想にふける。彼が幼少の頃、歌い手のユボン(キム・ミョンゴン)が彼の母親が住む村にやって来て彼女と恋に落ち、3人は村を出ていく。ユボンの娘ソンファ(オ・ジョンへ)と4人で暮らしていたとき、ドンホの母親は出産の際に落命する。ユボンは、ソンファには歌を、ドンホに太鼓を教え込む。やがて戦争によって生活が厳しくなり、休む間もなくパンソリの練習を強要するユボンが理解できないドンホは、ユボンと喧嘩して家を出ていってしまう。ドンホがいなくなった後、ソンファは飲食を絶ち、パンソリもやめ、ドンホの帰りをひらすら待ち続ける。ユボンは恨みに満ちてこそ真のパンソリができると思い、ソンファの目を見えなくする。ドンホは、ナクサン(アン・ビョンギョン)からソンファの話を聞き、方々を訪ね回った末、飲み屋でソンファと再会する。二人は言葉を交わさないまま、一人は歌い、一人は太鼓を叩き、夜通しで恨みを晴らす。朝になり、ドンホとソンファは何も言わずに別れる。ソンファは一人の少女の後をついてどこかに行ってしまう。