絵画だけでなく版画分野の先駆者でもあるムンクは、多くの作品を制作し、油絵1100点や版画1万8千点、ドローイング・水彩画4500点などが現在も残っている。暗い雰囲気の作品が多かったムンクは、母親と姉を結核で失い、精神疾患を患ったことから、沈鬱な作家といわれてきた。しかし、ムンク美術館の首席キュレーターのヨン・ウヴェ・ステイハウグ(Jon Ove Steihaug)氏は、「多くの人は、ムンクといえば“叫び”を思い浮かべ、彼は暗いテーマしか描かなかったと思っているが、彼は単に暗い面ばかりを追求したかったのではなく、人間の根本的な感情を表現したかったのだ。ムンクの作品の特徴は、形容しがたい人間の気分、感覚、感情を凝縮して表現したもの」と語る。 展示「エドヴァルド・ムンク‐霊魂の詩」の入場料は、成人1万5千ウォン、子ども1万ウォン。
今回の展示は、一般の人にも馴染みの印象主義から始まる。ひっそりと雪に覆われた風景を描いたモネの「リメの雪景色」では、生きた筆遣いと美しい色彩を鑑賞できる。立体主義を代表するピカソの「松のある風景(Pinewood Landscape)」やシャガールの「画家の周辺(Around the Painter)」などは、強烈な色彩の解放とともに野獣主義と立体主義の芽生えを告げている。
無意識の探検を視覚化した超現実主義の巨匠、サルバドール・ダリの彫刻「勝利の象(Triumphant Elephant)」、ジョアン・ミロの「女(Woman)」も展示されている。これらの作品では、現実とはかけ離れた何かを追い求める努力が抽象的に受け継がれる過程を垣間見ることができる。他にも、米国で花咲いた現代美術の巨匠、ロイ・リキテンシュタインの「ピカソと静物画(Still Life with Picasso)」やアンディ・ウォーホルのポップアート作品「ミセスKの肖像(Portrait of Mrs. K)」なども展示されている。
(上から)モネの「ジヴェルニーでスケートに乗る人々(Ice Skaters in Giverny)」、シャガールの「画家の周辺」、ロイ・リキテンシュタインの「ピカソの静物画」、ダミアン・ハーストの「骸骨(Skull Spin Painting)」(写真提供:芸術の殿堂)