文化

2014.10.27

今も昔も、男女の愛には国の違いなどない。


一組のカップルが夫婦の縁を結ぶ。そして、おくるみに包まれた幼児を抱いた乳母たちが次々に登場し、「孫息子よ」「孫娘よ」と叫ぶ。そして、数十人の子どもたちが舞台に上がり、会場から爆笑と拍手がわき起こる。


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싱가포르에서 초연된 국립오페라단의 ‘천생연분’. 한국의 전통적인 사랑이야기를 한국전통음악과 서양음악이 조화를 이룬 오페라를 싱가포르 오케스트라가 연주했다.

シンガポールで初演された国立オペラ団の「天が定めた縁」。韓国の伝統的なラブストーリーをオペラにしたもので、韓国の伝統音楽と西洋の音楽が調和した音楽をシンガポールのオーケストラが演奏した

シンガポールで開催中の「Korea Festival 2014」(9月30日~11月22日)で、国立オペラ団(Korea National Opera)が上演した韓国のオペラはシンガポール人に大好評だった。果たして二人の愛の行方はどうなるのか、最後まで目を離すことができず、ハッピーエンドで終わると祝福の拍手と歓声がわき起こった。「天が定めた縁(Soulmate)」のタイトルの通り、めでたく結ばれた二人。観客は皆、笑顔で会場を後にした。

10月25・26日にシンガポールのマリーナ・ベイ・サンズのサンズ劇場(Sands Theatre)で開かれた公演。シンガポール・メトロポリンタン・フェスティバル・オーケストラが韓国伝統の楽器である奚琴、伽耶琴(韓国琴)、大笒(横笛)とともにハープの旋律に乗せて演奏した序曲は尋常ではなかった。

物語は、裕福だがそれほど身分の高くないメン・ジンサ(Maeng Jinsa)家の息子「モンワン」と、身分は高いものの経済的に厳しいキム判書(Kim Minister)家の一人娘「ソヒャン」の縁談で町中が大騒ぎという場面から始まる。当事者の二人は、自分たちの意志とは関係のないところで話が進む縁談に戸惑う。

二人の主人公は、5月の端午の節句にそれぞれの召使いと入れ替わり、相手の気持ちを探ろうとする。「召使いが主人になり、主人が召使いになる」の台詞が繰り返されると、客席のあちらこちらから笑いが起こる。

召使いになった二人は、出会った瞬間互いに一目惚れし、主人になった二人も互いに好意を抱く。駆け落ちするなど紆余曲折の末、結局家に戻った二人は、全ての人から祝福を受けながら婚礼の式を挙げる。そして、何組もの双子を生み、数十人の息子・娘と幸せに暮らしたという物語だ。

韓国伝統のラブストーリーに接したシンガポール人の反応は、見慣れた物語ではないが感動的で楽しいという様子だった。ナンヤン・パインアーツ・アカデミー音楽科のリチャードJアダムズ教授は、「普遍的なラブストーリーに華やかでコミカルな要素を取り入れた賢いオペラ」と話した。ケイティ(Katie)」さんという若いOLは、「韓流ドラマに匹敵する魅力ある作品」と話した。また、あるドイツ人男性は、「西欧のオペラとは違うがかわいらしい(cute)」と表現した。

このオペラを2005年に作曲した韓国芸術総合学校のイム・ジュニ(Lim June-hee)教授は、「慌しい日程の中でトラブルが起きないか心配したが、地元オーケストラがしっかり演奏してくれ、無事に終えることができ満足している」と話した。

「シンガポール人は韓国のオペラを受け入れてくれないのでは」と心配する声があったのも事実だ。国立オペラ団芸術監督のチェ・ヨンソク氏は、「韓国には古くからオペラの叙事構造に似たパンソリという伝統文化があるだけでなく、出演する声楽家やダンサーらのレベルが高く、長きにわたって積み重ねてきた舞台運営能力もあるので、特に心配はしていなかった。シンガポール人にクラシックに接してもらうきっかけにしたかった」と語る。 ソ・ジョンハ(Suh Chung-ha)シンガポール駐在韓国大使は、「今年の“Korea Festival 2014"は、来年の両国の国交正常化40周年と今年の韓国‐ASEAN特別首脳会議の開催を記念して企画されたもので、多様かつハイレベルな韓国の文化芸術が紹介されている。両国民がともに参加する楽しい祭典の場になってほしい」と語る。

11月22日まで続くコリア・フェスティバルでは、「Family Box」をテーマにした韓国映画祭や韓国フード、伝統遊び体験、パーフォーマンス公演といった様々な韓国文化を発信する船上フェスティバル(Festival at Sea)や韓国飲食博覧会(Korean Food Fair in Singapore)などが開かれる。

記事:コリアネット ウィ・テックァン記者、ペク・ヒョン記者
写真提供:国立オペラ団