文化

2014.11.12

中国や日本、台湾など東アジア諸国の人々に、韓国と韓国文化はどのように認識されているのだろうか。

「東アジア文化の中の韓国」を眺望する交流の場が設けられた。北東アジア歴史財団(Northeast Asian History Foundation)と東アジア史研究フォーラム(Forum for the Study of East Asian History)は、「東アジア文化の中の韓国」というテーマの下、11月7・8日の両日にわたり国際学術会議を開いた。今回の学術会議は、韓国、中国、日本、台湾の学者らが2007年に組織した「東アジア史研究フォーラム」が年に一度開催する集会の一環である。

最初のセッションは、「伝統時期の東アジアに表象された韓国文化・文献を中心に」というテーマで進められた。中国復旦大学の邵毅平(Shao Yiping)教授は、17世紀の朝鮮の小説『九雲夢(The Cloud Dream of the Nine)』のイメージと意味について説明した。キム・マンジュン(Kim Man-jung、金万重、1637~1692)が執筆したこの小説は、韓国ドラマ「星から来たあなた」のヒットがきっかけとなり、中国で再び脚光を浴びた。主人公のト・ミンジュンの爆発的人気とともに、彼が「人生の本」として『九雲夢』を挙げ、大きな反響を呼んだ。邵毅平教授によると、上海古書出版社が今年3月に『九雲夢』を出版し、6月までの2度にわたる増刷で約1万7千冊出版されたが、ブームは今も冷めやらずにいるという。中国の読者たちからは、「隣国のソンビ(学者)が執筆した学問書の文章がこれほど美しいとは」「中国の古典小説に匹敵する形式、内容、書法」と称賛が相次ぐ。邵毅平教授は、キム・マンジュンという人は当時の東アジア社会でハングルと漢文に関する文化的素養を備えた人材だったと評価した。また、『九雲夢』の漢文版が中国で大きく支持されているが、まだしっかり整理された版本が制作されていないことが惜しまれるとし、しっかりとした理解が必要だと強調した。

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동북아역사재단과 동아시아사연구포럼은 지난 7,8 일 이틀간 ‘동아시아 문화 속의 한국’이란 주제로 국제학술회의를 가졌다.

北東アジア歴史財団と東アジア史研究フォーラムは、「東アジア文化の中の韓国」というテーマの下、11月7・8日の2日間にわたって国際学術会議を開いた



最後のセッションでは、「21世紀の東アジアにおける“嫌韓”と文化交流」が取り上げられた。「韓流」は東アジアの大衆文化のトレンドと平和構築に貢献しているのか、またどうすれば貢献できるかについて批判的な観察が行われた。中国浙江大学の陳紅民(Chen Hongmin)教授は、「Impressions of Korea(浮光掠影的印象韩国)」と題する発表文で、このところ中国で放映された結婚恋愛番組「本気でなければ邪魔は禁物(非誠勿擾)」を通じ、「韓流」に対する中国社会の認識を批判的に観察した。陳紅民教授によると、韓流が中国に及ぼす影響は基本的にプラスの面が多いという。韓国のトレンドやサービス業、ファッション、エンターテインメントなどをみると、韓国は大きく発展した国で、中国の若者、特に都会のホワイトカラー、中でも女性たちが韓国に熱狂的で関心が高い。反面、韓流は主に美しい映像や風景、童話のようなロマンチックストーリー、美男美女の主人公、音楽を通じて広がっている。しかし、こうした作品の中で韓国の独特な歴史や文化的背景、社会的発展や問題、韓国民の強靭さ、政治制度などはほとんど表れていない指摘した。そして、現在の韓流は韓国に関心を持たせる‘入門’的な作品としては素晴らしいが、もし韓国文化に対するPRがこうして低いレベルで続くのであれば「誤解」を呼ぶだけでなく、もしかしたら実際に韓国を体験した後に「幻から覚めた」「騙された」と思われるかれるかもしれないと語った。

 ‘동아시아 문화 속의 한국’ 안내 포스터.

「東アジア文化の中の韓国」の案内ポスター



コリアネット ウィ・テックァン記者、ソン・ジエ記者