文化

2015.02.09

中世の遺跡がそのまま残っているチェコ共和国。豊かな文化と歴史を持つチェコは、かつてヨーロッパのガラス文化を主導した生産地であった。チェコの西部ボヘミアのガラス工芸は、18世紀当時最高とされていたヴェネツィアと双璧を成し、世界屈指の地位を占めていた。

そんなボヘミアのカラフルなガラス工芸がソウルで披露される。龍山(ヨンサ)国立中央博物館では、10日から「光の芸術、ボヘミアガラス」の展示が開かれる。韓国とチェコの外交関係樹立25周年を迎え、チェコ国立博物館・プラハ装飾美術博物館が共同で開催する今回の展示では、チェコの歴史と文化を紹介する約340点のガラス製品が公開される。古代から現代まで時代別にボヘミアで生産された様々なガラス工芸品が展示される。

今回の展示の代表的な作品は、キリスト教関連遺物だ。キリスト教の信仰とガラス制作技術が融合し、美しいステンドグラスが多数制作された。チェコ国立博物館が所蔵する3点は、チェコに残っている最も古いステンドグラスの一部だ。

15세기에 제작된 성모마리아(왼쪽)와 세례 요한을 표현한 스테인드글라스

15世紀に制作された聖母マリア(左)と聖ヨハネを表現したステンドグラス



(왼쪽부터) 금속과 유리로 제작된 중세 예배 용품들. 성작(15세기 후반, Chalice), 성체 안치기(15세기, Monstrance), 성합(1250~1300, Ciborium)

(左から)金属とガラスで制作された中世の礼拝用品。聖爵(15世紀後半、Chalice)、聖体顕示台(15世紀、Monstrance)、天蓋(1250~1300、Ciborium)



今回の展示は時代別に分けられ、「ガラス制作の起源と中世」の部門では、キリスト教の信仰をテーマにした15世紀のステンドグラスを見ることができる。中世からガラス制作が本格的に発達し、当時、経済的・文化的繁栄を享受していた王や貴族、教会、豊かな市民からの需要の増加に伴って、ガラス制作が急速に増え、高品質のガラスが生産されるようになった。大聖堂や一般建物の建築が活発化し、色ガラスのステンドグラスも制作され始めた。

また、「ルネサンスとマンネリズム」では、16世紀、プラハが神聖ローマ帝国の首都として、ヨーロッパの文化と芸術の中心地に生まれ変わるなかで作り出された工芸品を鑑賞することができる。古代の宝石細工技法を用いて杯や皿などを製造する技術が開発され、ボヘミアガラス工芸の発展に大きく貢献した。色とりどりのエナメル絵で飾られたガラス製品が広く使用され、宴会のための盃(humpen)が多く作られた。

1587년 제작된 독수리 문장이 있는 술잔

1587年に制作されたワシの紋章が入った盃



「バロックとロココ」時代のコーナーでは、ボヘミアガラスを代表するクリスタル工芸品を見ることができる。当時人気のあったテーマである人物の肖像や狩猟シーンなどを繊細かつ精密に刻み込んだグラスが目を引く。中世の職人たちは、赤いルビーや金糸をガラスの中に入れたり、二重壁ガラスに金箔図を入れたりした。18世紀半ばには、フランス宮廷美術の影響を受けたロココ様式が流行した。小さくてエレガントな器を風俗画や寓話の絵で飾ったり、陶器を真似た乳白色のミルクグラスにエナメル絵を描くのが流行した。

보헤미아에서 생산된 다양한 색상과 모양을 가진 유리 컵과 병들

ボヘミアで生産された多彩な色と形のグラスと瓶



1740~1750년에 제작된 왕관을 쓴 아기 예수상. 자수로 장식된 중세의 제의복이 특징으로 이번 전시 중 주목할만한 작품으로 꼽힌다.

1740~1750年に制作された王冠をかぶった幼いイエス像。刺繍が施された中世のチャズブルが特徴で、今回の展示で注目すべき作品のひとつだ



「19世紀のボヘミアガラス」では、ナポレオン1世の時代の帝国様式に基づく幾何学的装飾が加味された工芸品や、市民階層の成長に支えられた実用的な製品を見ることができる。当時は、ガラスに不透明な色と模様を入れて準宝石のように見せる手法が流行した。また、ガラスの透明で輝く性質を利用し、高価な宝石の代わりとして使われたアクセサリーも大きく発達した。

展示の最後の部分では、「20世紀前半のチェコガラス」と「1945年以降のチェコガラス」の製品が紹介されている。20世紀初頭、幾何学的な文様が目立つアールヌーボー様式の影響を受け、花や植物、東洋的なパターンで装飾された花瓶が多数制作された。技術の発達によってガラスの大量生産が可能になり、多くのガラス工場ができた。20世紀後半からは、芸術家たちがガラスを純粋な美術の材料として認識するようになり、造形性と哲学的な思考が込められた工芸品が登場した。

1836년 체코의 철학자 요세프 융만(Josef Jungmann, 1773-1847)에게 헌정된 잔

1836年にチェコの哲学者ヨセフ・ユングマン(Josef Jungmann、1773-1847)に献呈されたグラス



今回の展示は、国立中央博物館1階常設展示館で4月26日まで開かれる。入場は無料で、月曜日は休館。展示の詳細については、02-2077-9000またはホームページ(www.museum.go.kr)をご参照ください。

コリアネット イム・ジェオン記者
写真提供:国立中央博物館
jun2@korea.kr

19세기 후반~ 20세기 초반 만들어진 여성용 모자 고정핀

19世紀後半~20世紀初頭に作られた女性向けの帽子固定用ピン



1720년 ~1730년에 만들어진 멧돼지와 사슴 사냥 장면이 장식된 잔

1720年~1730年に作られたイノシシと鹿狩りの場面が飾られたグラス



1902년 뢰츠 유리공장에서 만들어진 화병

1902年にレッツのガラス工場で作られた花瓶


1931년 제작된 야로슬라프 브리흐타(Jaroslav Brychta, 1895-1971)의 체코슬로바키아와 스웨덴의 축구 Figures 'Czechoslovakia Vs. Sweden'

1931年に制作されたヤロスラフ・ブリフタ(Jaroslav Brychta、1895-1971)のチェコスロバキアとスウェーデンのサッカー試合Figures「Czechoslovakia Vs. Sweden」



1968~1970년에 만들어진 바츨라프 치글레르(Vaclav Cigler, 1929~)의 오브제

1968~1970年に作られたヴァーツラフ・ツィグレル(Vaclav Cigler、1929~)のオブジェ


2002년에 만들어진 파벨 훌라바(Pavel Hlava, 1924~2003)의 물결

2002年に作られたパベル・フラバ(Pavel Hlava、1924~2003)の「波」