文化

2016.06.17

昔から先人たちは本格的に暑くなりはじめる端午(旧暦5月5日)頃から、様々な方法で遠からずやってくる真夏に備えた。その1つとして、醍醐湯(ジェホタン)のように漢方薬材で作った伝統的な飲み物を飲む習慣が挙げられる。

「醍醐湯」という名前は「味が良く、頭も冴える」という意味から由来した。醍醐湯は端午の頃に国王が好んで飲んでいた季節料理で、健康ドリンクでもあった。宮廷の医薬を担当していた内医院ではこれを飲むと夏バテに効果的で、喉の渇きが解消され頭が冴えてくる効果があるとし、端午の日には醍醐湯を国王に献上した。すると国王はそれを元老大臣に下し、一緒に飲んだという。

醍醐湯は真夏に飲むと良い飲み物で、胃腸の機能を改善し消化を助け喉の渇きを解消する。とくに飲み会の最後に一緒に飲むと有効。醤油漬けや鍋など、しょっぱいものを食べてから飲むと喉の渇きを解消する効果がある

醍醐湯は真夏に飲むと良い飲み物で、胃腸の機能を改善し消化を助け喉の渇きを解消する。とくに飲み会の最後に一緒に飲むと有効。醤油漬けや鍋など、しょっぱいものを食べたあとに飲むと喉の渇きを解消する効果がある



朝鮮時代の代表的な医書『東医宝鑑(トンイボガム)』には醍醐湯が「夏バテを改善し、胸やけや喉の渇きを解消する」と書かれている。これは醍醐湯の材料となる白檀、草果、烏梅肉などの薬材が持つ効能によるもの。草果は冷え症を治し、身体の内側を温め嘔吐を止めるとともに腹部膨満を解消する。白檀は温かい性質を持ち毒がなく、熱によるむくみを解消し、酸味による腹痛を治す。完全に熟していない梅で作った烏梅肉には抗酸化・抗がん効果がある。

** 材料と分量
烏梅肉粉 15g、草果粉 1g、白檀粉 0.5g、縮砂粉 0.5g、
はちみつ 大さじ3、チョウセンマツの実 大さじ1

醍醐湯の主材料の烏梅肉・草果・白檀・縮砂の粉

醍醐湯の主材料の烏梅肉・草果・白檀・縮砂の粉



** 作り方
1. 烏梅肉分と草果・白檀・縮砂の粉を混ぜ合わせる。
2. 1の薬材の粉にはちみつを入れてよく混ぜてから湯煎用の容器に入れる。
3. 鍋に湯煎用の水を入れて強火に5分ほどかけて沸騰したら湯煎用の容器を入れ、弱火にして鍋に水を足しながら3時間ほど煮て醍醐湯エキスを作る。
4. はちみつ水に醍醐湯エキスを入れてよくかき混ぜる。
5. 茶碗に醍醐湯を入れ、チョウセンマツの実を浮かべる。

コリアネット ユン・ソジョン記者
写真:韓国伝統飲食研究所
資料:美しい韓国料理100選
翻訳:イム・ユジン
arete@korea.kr

鍋に入れた湯煎用の水が沸騰したら湯煎用の容器を入れ、弱火にしてから3時間ほど加熱して醍醐湯エキスを作る。この際、水が湯煎用の容器に入らないように注意する

鍋に入れた湯煎用の水が沸騰したら湯煎用の容器を入れ、弱火にしてから3時間ほど煮て醍醐湯エキスを作る。この際、水が湯煎用の容器に入らないように注意する



はちみつ水に醍醐湯エキスを入れてよくかき混ぜてから茶碗に醍醐湯を入れてチョウセンマツの実を載せる

はちみつ水に醍醐湯エキスを入れてよくかき混ぜてから茶碗に醍醐湯を入れてチョウセンマツの実を浮かべる