ひと

2014.07.23

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大学時代に演劇サークルに入り、初めて舞台に立って以来、「一番上手くできること、一番易しいこと」が演技になったという舞台女優のユン・ジンソンさん(43)。

多くの人から「素質がある」と言われる彼女だが、初めて舞台に立ったときの専攻は演技ではなく韓国文学だった。

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연극배우 윤진성 씨는 연기할 때가 가장 자신의 모습인 것 같다고 말한다.

舞台女優のユンさんは、演技をしているときが一番自分らしいという


ユンさんは、「当時は舞台女優になりたいとは思っていなかったが、大学の先輩たちに演劇サークルに入れと説得された。でも、人前で自分を表現することは楽しかった」と話す。

卒業後、彼女は学習塾で高校生たちに国語を教える講師になった。しかし、教えることは彼女の性に合わなかった。それで、26歳のときに韓国芸術総合学校(韓芸総)の演劇院演劇科に入学する。

彼女は「演技は、私にとって一番易しく、一番上手くできることだった。そして、自分が一番好きなものは演技であることを知った。また、“素質”だけでは限界があると感じ、演技力をしっかり磨こうと韓芸総への入学を決めた」と話す。

2000年に韓芸総の演劇院を卒業すると、同期の5人とともに劇団「ティダ(走る)」を立ち上げ、精力的に活動する。「箱の中のある夏の夜の夢」(2001)や「ハルク物語」(2002)、「巨大な本の中の物語がふっくらと」(2003)、「歌うようにハムレット」(2005)など様々な作品に出演した。2011年には「1+1」で創作演戯作品公募大賞の文化体育観光相賞を受賞する。

彼女は今、済州島に住んでいる。友人に会おうと訪れた済州島の美しい自然に魅了された彼女は、昨年済州島に移住した。舞台女優としてのこれまでの経歴を生かし、済州島西帰浦市のホンサン小学校の演劇部で児童たちに演劇の指導をしている。

ユンさんは、「今は済州島で児童を指導することと演劇活動を並行している。私が経験し、習得した演劇の技術を幼い児童たちに伝えることはとても楽しい」と話す。

そんなユンさんに、彼女の演技人生について聞いた。

1999년 이후 국내 연극무대에서 활발히 활동하고 있는 배우 윤진성 씨. (사진: 전한)

1999年から韓国の演劇の舞台で精力的に活動するユンさん(写真:チョン・ハン記者)


- 1999年からこれまで多くの作品で幅広い役を演じてきたが、一番記憶に残っている作品は。

2005年に劇団「ティダ」を退団する前に最後に出演した「歌うようにハムレット」だ。この作品は、役者3人がハムレット、王、王妃ゲルトルートの役を交代で演じた。この劇団で演じた最後の公演だったので、一番記憶に残っている。この劇団で最初に演じた「箱の中のある夏の夜の夢」も記憶に残っている。通りで予告もなしに公演を開いた。

‐「舞台女優になって良かった」と思う瞬間は。

劇団「ティダ」を退団して1年間、活動を休止したことがある。活動しているときは忙しさと疲労で気がつかなかったが、活動を休止して演技と距離を置いていたときに、私が一番上手くできるのは演技であることに気がついた。どんなにストレスを受けても、どんなにきつくても、それが問題ではないことに。

‐それでも食べるのに困るほど厳しかった時期もあるのでは。

当初は公演できる場所であればどこでもした。最初にもらったのは3万ウォン(約3千円)だった。外で劇団の仲間たちと稽古しているとき、ある中年男性が一人で見学していて、稽古が終わると寒いからうどんでも食べなさいといって3万ウォンくれた。そのお金で5人でうどんを食べた。そのときのことは今も鮮明に覚えている。その男性の真心も嬉しかったけど、お腹はもっと喜んでいた。

연극배우 윤진성 씨가 인터뷰 중 환하게 웃고 있다. (사진: 전한)

インタビューに応じながら満面の笑みを浮かべるユンさん(写真:チョン・ハン記者)


- それでもあきらめずにこれまで続けてこられた原動力は。

幸いなことに、公演を開くたびにうまくいった。わずかながらでも収入があったので幸運だった。やがて海外からも招待されるようになった。これまで日本や中国、台湾、シンガポール、米国、アイルランド、香港などでも公演した。2003年には米ピッツバーグ州で「巨大な本の中の物語がふっくらと」を、最近では2011年にインドで「コクトゥ」を上演した。海外の観客に私の公演を、私の演技を披露することは、大変だが楽しいことだ。

‐舞台女優としてぜひ挑戦したい役は。

今は、10月に梨泰院で開かれる演劇を準備している。これまでは演劇活動に専念してきたが、これからは映画にも挑戦したいと思っている。これまで短編映画3本、長編映画1本と映画への出演経験はあまりないが、機会があればどんな役でも挑戦したい。新人のつもりで臨むつもりだ。

“연기는 자기 인생에서 끊임 없는 질문을 던진다”고 말하는 연극배우 윤진성 씨. (사진: 전한)

「演技はいつも私に問いかける」と話すユンさん(写真:チョン・ハン記者)


- 最後に、あなたにとって「演技」とは。

演技をしていなかったら、私の人生において問いかけてくるものは何もなかったと思う。ただ何となく、なるがままに生きてきたと思う。でも、演じることで絶えず問いかけられ、その答を見つけようと走り続けてきた。

演技は私に「どう生きるべきか。今何をすべきか」といつも問い続けてきた。今の場所にとどまっているのではなく、前に進めと背中を押してくれる原動力のようなものだ。

コリアネット ソン・ジエ記者
jiae5853@korea.kr