ひと

2015.04.03

「咸安郡を人口10万の町にし、市昇格を成し遂げます」

キョンサン(慶尚)南道ハマン(咸安)郡のチャ・ジョンソプ(車政燮)郡守は、「咸安郡の1日の流動人口は、14の産業団地などで働く労働者3万3000人余りを中心に15万人以上」とし、そうした人々の早期定着を支援し、品格のある自給自足の町を目指すという抱負を語った。

차정섭 군수는 함안을 풍요로운 문화가 넘치는 자족도시로 만들기 위한 의지를 밝혔다.

咸安郡を文化に満ちた豊かな自給自足の町にするという豊富を語るチャ郡守



チャ郡守は、咸安郡は1日の流動人口が郡の人口(7万人)の2倍を上回るため、そうした人々の定住条件さえ整えば、数年内に人口10万人にすることも夢ではないと強調する。そのために、住宅・文化・福祉施設からなる「ミニ複合団地」という概念の新都市の整備を推進している。1万世帯のマンション団地を造成し、教育・住宅・福祉のインフラを整備することで、工業団地の労働者が自然に咸安郡に定着するという構想だ。

咸安郡は、2014年12月に中堅建設会社「プヨン」と業務協約を締結し、2018年の完成を目処に2000世帯規模の賃貸マンション建設事業を具体化させている。チャ郡守は、「農村の町である咸安郡を産業企業都市、レジャースポーツ都市、エコシティ都市に変え、品格のある自給自足の町を目指す変貌させる」と強調する。

そして、「現在稼働中の14の農工・産業団地に加え、今後15程度の産業団地が造成される計画で、これらの団地に入居する企業が咸安郡の発展に大きく貢献してくれると思う」と語る。

咸安郡で生まれたチャ郡守は、高校卒業後、地方公務員になり社会人としてのスタートを切った。その後、文化公報省職員の後、保健福祉省の青少年保護および福祉政策の官職を務めるなど、40年以上公職を務めてきた。咸安郡の経済や文化、地域懸案などについてチャ郡守に話を聞いた。

차정섭 군수는 함안은 육해공 모두 교통인프라가 잘 발달되어 있고 대단위 물류 시설이 지근거리에 위치해 최적화된 기업환경을 갖추고 있다고 강조했다.

咸安郡は、陸海空すべての交通インフラが発達し、近隣に大規模な物流施設があるなど、最適化された企業環境が整っていると強調するチャ郡守



- 咸安の歴史は、紀元前の三韓時代以前にまでさかのぼります。古くから鉄器文化が発達し、古代国家が繁栄しました。長年の繁栄の背景はどこにあると思いますか。

咸安は、慶尚南道(キョンサンナムド)の中央部、洛東江(ナクトンガン)と南江(ナムガン)が合流する場所に位置しています。この2つの河川の流域広い沖積平野が形成され、早くから文化の発達に必要な条件が整っていました。咸安の起源は、三韓時代に弁韓と辰韓に属していた国の一つ「弁辰安邪国」です。約600年間存続した阿羅伽耶は、伽耶が形成されてから滅亡する最も先進的な政治集団だったとされています。阿羅伽耶が伽耶諸国の盟主になれたのは、何と言っても鉄が発達したからです。そのため、阿羅伽耶は「鉄の王国」とも呼ばれていました。これは、阿羅伽耶の栄枯盛衰の歴史が残る咸安末伊山古墳群でも確認されています。

- 咸安郡は、慶尚南道の郡の中で人口1位、財政自立度1位、若者人口1位です。その要因とは。

何よりも地元企業約3000社の役割が大きかったと思います。咸安はかつて伝統的な農業地域でしたが、産業化の影響で工業団地ができ、多くの企業が入ってきました。現在は施設農業と工業がともに盛んな町です。人口110万の大都市である昌原(チャンウォン)市と晋州(チンジュ)市に隣接し、慶全(キョンジョン)線鉄道や国道、高速道路などの交通網が整備されており、全国どこからでもアクセスしやすいうえ、モノの輸送も便利な地域です。そうした理由から、入居企業がどんどん増えています。そのため、ほかの郡に比べて人口が着実に増えており、財政自立度も慶尚南道の郡の中で1位を維持しています。また、1人当たりの域内総生産(GRDP)は、6年連続で道内2位を守っています。慶尚南道の中で最も住みやすく、将来の発展の可能性が大きい魅力的な町だと自負しています。住みよい町、咸安郡にぜひお越し下さい。

- 多くの自治体とは異なり、農業と工業がバランスよく発展しています。咸安郡の産業団地好立地条件とは。外資系企業との交流拡大など、海外からの投資誘致における強みとは。

咸安郡は、KTXや南海高速道路、中部内陸高速道路、国道などの交通インフラが整備されているほか、釜山(プサン)港や馬山(マサン)港、光陽(クァンヤン)港、金海(キメ)国際空港、泗川(サチョン)空港など大規模な物流施設が近隣にあり、最適化された企業環境を備えています。それだけでなく、国立昌原(チャンウォン)大学や慶尚(キョンサン)大学といった総合大学8校や専門学校6校、工業高校13校などがあり、企業が求める人材を確保しやすいことも大きな魅力だと言えます。KOTRA(大韓貿易投資振興公社)や通商事務所の協力で誘致対象企業のデータベースを構築しており、投資する意思がある企業に対して実務交渉団を派遣して立地条件を紹介し、外国人投資地域の指定や補助金、インフラ支援などの投資計画を具体化していく計画です。外資系企業向けのインセンティブ・支援制度は、国税・地方税の減免や賃貸料の減免、無利子融資などです。

- 競走馬の生産・調教・休養施設や馬場の建設など、馬産業の育成に力を入れているようですが。

馬はとても敏感な動物です。一度レースに出場したら1カ月は休養を与えなければなりません。これまで釜山競馬場の馬は、済州(チェジュ)島で休養させていました。競馬場から釜山港へ、釜山港から船で済州島へ、さらに済州港から休養施設まで輸送する必要がありました。移動に丸一日かかっていたのです。だから、ストレスは並大抵ではありませんでした。そこで、咸安郡に競走馬専用の休養・調教施設を誘致しました。釜山から咸安まで40分しかかかりません。優れた施設であることは立証済みです。自治体としては初めて検疫免除施設の認定を受けました。乗馬は、21世紀のレジャー文化の花です。老若男女を問わず、健康とリハビリに最適のスポーツです。マリンスポーツの花がヨットなら、陸上スポーツの花は乗馬です。今後、生産牧場、競走馬の休養・調教、引退馬を活用した乗用馬の調教、馬場の経営を通じた観光・レジャー産業や馬の生産・流通、関連製品の製造など、馬産業を第6次産業として育成することで、雇用創出はもちろん、地域経済の活性化に貢献すると期待しています。

- 全国でも一ニを争う出産奨励金や養育費支援、育児サービス、高齢者・低所得層の自立基盤など福祉インフラが充実しています。財源作りは。

今年の社会福祉費は、前年度より120億ウォン増の876億ウォンを編成しました。これは、予算全体の約30%に当たり、他の分野に比べてはるかに多いです。地域住民が肌で感じる福祉サービスを提供するためには、財源確保が重要課題です。

今の時代は、ただ単に国や道に予算を要求しても、政策の方向性に合致した妥当性のある事業計画でなければ支援を受けることができません。予算確保に向けてどのようにアプローチすべきかは、中央省庁に勤めた長年の経験からよく知っています。

最近の例でいえば、郡の保健所から遠く、保健福祉サービスを受けにくかった代山(テサン)及び三漆(サムチル)地域の住民のために「健康生活支援センター」の建設を推進したところ、政府も共感し、総額31億ウォンの国費・道費支援事業を誘致することができました。今後も政府の政策方向をしっかり把握し、それに見合った妥当性のある事業を発掘して財源確保に全力を尽くしていく考えです。

- 外国人におすすすめの咸安郡の観光スポットや伝統文化とは。

ユネスコ世界遺産への登録を目指す「咸安末伊山古墳群」です。この古墳群は1500年前、阿羅伽耶で約600年かけて造成された王の墓です。これまでに確認された大規模な墳は37基ですが、地表調査の結果などから学界は約1000基あるだろうと推定しています。古墳の発掘は1986年から行われ、計8000点の遺物が出土し、歴史と文化が隆盛していたことをリアルに物語っています。

また、洛東江と南江の間に設置された総延長338キロに上る全国で最も長い堤防がおすすめのスポットです。郡では、この堤防を観光資源化しようと、ネコヤナギなど本来の自然生態を保存しつつ、天端にケシとコスモスを植えて育ててきました。その結果、春から秋まで多くの人が訪れる観光スポットとなりました。来年からは川沿いにオオムギとヒマワリを植え、イベントも計画しています。

- 他国の自治体との国際交流は。また、発展のノウハウを共有する協力方法とは。

咸安郡は、海外の3つの都市と姉妹提携を結んで交流しています。日本の愛知県犬山市、中国の遼寧省遼陽県、モンゴルのウランバートル市ハンオール区の3都市です。

国際姉妹都市イベントを通じた相互交流や若者ホームステイ、施設園芸農業研修支援などのほか、民間団体の交流も行っています。特にモンゴルのハンオール区には、「モンゴルのシュバイツァー」として広く知られる咸安出身の愛国志士、大岩(テアム)李泰俊(イ・テジュン)先生の記念公園があります。郡は、先生の業績を称えて記念公園整備事業を行ったほか、昨年はハンオール区に消防車を支援するなど、海外の自治体との友好交流拡大に向けて取り組んでいます。今後も、ベトナムなど東南アジアの都市をはじめ、海外の都市との姉妹提携を拡大し、文化交流と通商に力を入れていく考えです。

記事:コリアネット ウィ・テックァン記者
写真:コリアネット チョン・ハン記者
whan23@korea.kr