ひと

2015.04.14

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동북아역사재단의 김민규 홍보교육실장이 야노 히데키 사무국장과 만나 한일관계를 논의하고 있다.

1.2月に訪韓された理由は何ですか。
  今回の訪韓の目的は二つです。一つは、私が事務局長をしている「日韓つながり直しキャンペーン2015」 が6月に向けて企画しているキャンペーン方針案について韓日市民宣言実践協議会など韓国側のカウンタ ーパートに提起、意見交換し、確定させることです。日韓双方で協力し合う事項、内容についても確認する  つもりです。二つ目は、安倍首相が戦後70年に当たって、8月15日に出すと言われている「安倍談話」につ  いて、日本、韓国、東アジアレベルでどう対処すべきかを意見交換するためです。「安倍談話」は歴史修正  主義と積極的平和主義に貫かれたものとなることはほぼ確実です。日本とアジアの平和を危うくします。こ  れを放置することはできません。

2.2015年度は、韓国独立70周年となります。矢野さんは、2010年8月、「日韓併合条約は無効」という両国の「市民共同宣言」に参加されました。当時、韓国では注目を浴びましたが、日本では報道すらされずその事実を知らない人も多いと聞きました。その後、日本の歩みにこれといった変化が見えず、日韓関係はむしろ悪化の一途をたどっています。だからこそ、日韓市民社会の連帯活動が大事だと思います。市民社会の連帯活動の意味と価値について一言お願いします。
  政府間は相互に信頼も低下し、首脳会談も開けないほど険悪です。しかし、市民レベルでは戦後補償実現、東アジアの平和実現、原発問題、労働問題など多くの分野で交流と連帯が積み重ねられています。その中で、戦後補償実現の運動では、裁判は被害者がすべて敗訴し、さしたる成果も獲得できていませんが、日韓市民の連帯、共同の力で、日韓会談文書の公開は進み、韓国では強制動員真相糾明法ができ、被害者支援法も制定されました。日韓市民社会の連帯がつくりだした成果と言えます。何よりも日韓市民の相互に顔の見える関係が広がり、信頼は深まりました。これこそが戦争を止め、平和を築いていく基礎となっていくと思います。

한일연대회복캠페인2015에서 활동중인 야노 히데키 사무국장.
3.6月になると日韓協定50周年を迎えます。しかし、過去50年間で今が日韓関係の最悪期という人もいます。このように悪化した原因は何だと思われますか。
  原因は二つあると思います。第一は、安倍政権の歴史修正主義です。昨年の3.1独立運動記念日の演説で朴槿恵大統領は、日韓が友好を重ね、関係を平和的に発展させてきた基礎にあったのは日韓条約だけではない、河野談話(1993年)、村山談話(1995年)があり、何よりも日本国憲法があった、と言われました。歴史修正主義に立つ安倍首相はそれらをことごとく否定し、変えようとしています。それでは日韓関係が悪化するのは当然です。もう一つは、メディアです。メディアの多くは安倍政権を批判しません。ヘイトスピーチ、ネオナチ団体と関わる閣僚さえ更迭しない安倍政権を容認し、「嫌韓」「反中」を煽るような報道、出版物刊行を続けています。これでは国民の中に「嫌韓」感情が広がるのも当たり前です。

4.そんな雰囲気で「日韓協定締結50周年」を『記念』しようとも言いづらい状況です。日本国内ではいかがですか。
  確かに日韓国交正常化50年を祝おう、記念して何かしようと言う“空気”は余りありません。しかし、それは「嫌韓」のためだけではありません。国民の多くは50年前のことなど知りません。植民地支配の歴史があったことすら十分に理解されていません。「日韓つながり直し」を進めようとするなら、先ず、歴史の事実、「慰安婦」ハルモニ、在日韓国・朝鮮人の置かれた実態などを知るところから始めなければなりません。

5.両国の市民、または民間レベルでこの状況を乗り越えるためにできることがあればどんなことがあるでしょうか。あるとしても、この社会的雰囲気に影響を受けて落ち込むのではないかと懸念する声もあります。
  私たちには1990年代から約20年にわたって植民地支配と戦争の被害者の権利、名誉回復のためにとも   に運動してきた歴史、蓄積があります。教科書問題などでも連帯運動があります。それを今、若い世代に引 き継いでいくこと、これが問われています。

6.2010年「市民共同宣言」に参加した日本の活動家たちが慰安婦問題などで悪化した日韓関係の改善策を見つけるため、2014年「日韓つながり直しキャンペーン」(以下、キャンペーン)を発足させ活動しています。昨年末には、この日「2015年、どう行動するか」というタイトルの討論会を開き、「1965年日韓協定」の締結過程を検定することにしたと聞きました。その話をお聞かせください。
 1965年の日韓請求権協定で、日韓間の請求権に関する問題は「完全かつ最終的に解決されたことになると確認」されました。しかし、それは良く言えば「タテマエ」、率直に言えば「欺瞞」です。1965年以降も、在韓被爆者、サハリン残留韓人、在日の傷痍軍人などが「問題」化し、それに対し日本政府はその都度何らかの対応をしてきました。「慰安婦」問題でも、最終解決にはつながりませんでしたが「アジア女性基金」を立ち上げて対処することを余儀なくされました。日本政府は、植民地支配に起因する諸問題に係る請求権問題を1965年以降も引きずってきたし、今も引きずっているのです。それは戦後補償裁判、日韓会談文書公開の中で、いっそう明確になりつつあります。「日韓つながり直しキャンペーン」では、先行する研究、取り組みを踏まえつつ、日韓条約・請求権協定締結過程について、2つの方法で検証を進めています。一つは、研究者、ジャーナリスト、市民の共同で交渉経過、国会審議、被害者の運動、メディア報道などを検証し、植民地主義の清算がどう扱われたのかを明らかにしていく取り組みです。この報告を最終的には出版する予定です。もう一つは、1965年の日韓条約反対闘争に参加した方々の証言を聞き、これを映像として記録する取り組みです。日韓会談反対闘争では何を問題にしたのか、何に反対したのか、その中で植民地支配問題をどれほど意識していたのか、浮かび上がらせていきたいと考えています。

7.2010年、民族問題研究所から林鐘國(イム・ジョングク)賞を受賞しましたよね。親日清算に功績のある方に授与する賞を日本人が受けたとして話題となりました。日本人が日本国内でこのような活動をするのは簡単ではないことですが、きっかけがあるのでしょうか。
  私がこのような運動に参加することになった一番の契機は、やはり金学順さんの証言です。日本が行った戦争、植民地支配の被害者がいた、というだけでなく、40数年を経て自らが受けた被害に対し日本政府に謝罪と賠償を求めて立ち上がった、という事実に衝撃を受けました。金学順さんを尊敬しました。そして、これを契機として、日本の平和運動のパラダイムを変えていかなければならないと思いました。そして、1995年に日本製鉄元徴用工の遺族とその支援者から、裁判闘争を起こすことを相談され、ともに裁判闘争を闘うことを決意しました。

8.さらに、様々な活動を繰り広げてきましたが、一番甲斐のあることがありましたら何でしょうか。<br>   先に申し上げましたが、日本での裁判はことごとく原告敗訴に終わりました。被害者補償立法も結果を出せていません。ですから「やり甲斐があったこと」は何かと問われても、お答えできることはありません。ただ、韓国で強制動員被害者支援法ができたとき、そして、2012年5月24日に韓国大法院判決が出されたとき、その時に、韓国の被害者団体、弁護士の方から「日韓市民の連帯運動の成果だ」と評価をしていただいたことは、嬉しかったです。

9.この2~3年間、第2次安倍政権が発足されて以来、日本国内で矢野さんのように周辺国に配慮しようという人々の声が次第に小さくなっているようです。今が活動をしてきた期間の中で一番厳しい時期なのではと思いますが、いかがですか。
  今は厳しいか、と問われれば、そうですとお答えするほかありません。しかし、1990年代から運動を始めて厳しくなかった時期はないのです。それでも日韓市民の連帯運動で幾つかの成果は得てきています。ダーバン宣言(2001年)以降、植民地主義清算の動きは全世界的に広がっています。小さい力でも続けていけば、歴史は進んでいくのではないでしょうか。そう思って運動するだけです。

10.韓国を含めて日本で平和憲法を守る活動など、日本が帝国主義時代に犯した間違いを反省し、周辺国との平和共存を支持する活動に参加する人たちの年齢がだんだん高くなっています。それは若者たちの関心のなさを証明しているように見えますが、具体的な原因とその対策はありますでしょうか。
  これが私たちの運動の最大の問題です。でも、希望がないわけではありません。日韓の「慰安婦」関係団体が昨年、「慰安婦」問題について日韓学生の意識調査をしました。その中で、「(『慰安婦』被害者に対し)日本政府が謝罪と賠償をすべきか」という質問に対し、韓国の学生は98%が「はい」と回答しました。他方、日本の学生も64%が「はい」と答えたのです。韓国の学生と比較すれば比率は少ないです。しかし、「嫌韓」、「朝日」バッシングの嵐が吹き荒れる中で、約3分の2の学生がこう回答したのです。ここに私は希望を見出しました。大学等で「慰安婦」問題について多少なりとも正確な事実を知った学生は、こう答えるのです。問題は、歴史の事実、問題の本質を知っているか否かです。また、安倍政権が強行した「特定秘密保護法」制定に対し、少なからぬ学生が反対運動に立ち上がり、今も運動を継続しています。   ですから、日韓つながり直しキャンペーン2015の運動でも、学生、若者にキャンペーンに参加してもらうことを重点目標にしています。「日韓ユース・フォーラム」を立ち上げ、運動を理解し、引き継いでいってくれる次世代を育てていけたら、と考えています。

11.様々な問題が山積していますが、韓国人と連帯と友情を築いてきた活動家として、日韓関係が次第に悪化している現在、日本人と韓国人にそれぞれ伝えたいこともあると思います。
  誤解をされては困りますが、私は「韓国人」と連帯、友情を築くことはできません。被害者の方がた、それを支援されている人びと、弁護士、市民運動家など一人一人の友人と関係をつくってきたのです。戦後補償実現のためでなくてもいい、文化交流でも、アニメの趣味の交流でも、何でもいいので、何かをいっしょにやってみて、顔見知りとなったり、言葉を交わすことができる人を一人でも二人でも得ることが大事だと思います。それが日韓関係を発展させていく基礎となります。

12.中長期的に日韓関係の改善に向けて必ずやってみたいことがありますか。
  「必ずできる」かどうか確信はありませんが、やってみたいことは二つあります。一つは、韓国語を覚えること。20年間に多分100回近く韓国を訪問しています。しかし、いまだに韓国語は挨拶程度しかできません。これでは被害者の方がたの心に寄り添うことはできません。何とかしたいと思っていますが、難しいでしょうね……。あと一つは、日韓関係と直接関係はないかも知れませんし、中長期的な課題にしてもいけませんが、日朝国交正常化の運動です。韓国とは国交正常化50年になるのに、日朝間は断絶したままです。こんな状況は一日も早く克服しなければなりません。

13.日韓間の歴史対立を乗り越え、平和共存に向けて東北亜歴史財団がやるべきことは何か、ご提言お願いします。
  私が関わっている運動でも、直接、間接的に東北アジア歴史財団にご支援をいただいています。改めて感謝、お礼を申し上げます。ですから財団にお願いしたいことは、植民地支配、戦争の被害者にどこまでも寄り添っていただきたいと言うことです。グローバリゼーションの進行の下で、経済、外交などで相互依存関係は深まっています。その点に着目するならば、戦争、武力紛争など起こせるはずはないのです。しかし、平和はそれで自動的に達成できるわけではありません。民族、国民間の感情、意識によって紛争は始まります。ですから「ユネスコ憲章」の前文では、「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。」と謳っているのです。そのためには「人の心のなかに平和」を回復することが、先ず大事です。それに向けて東北アジア歴史財団には力を注いでいただきたいと思います。

야노 히데키 사무국장은 한일 역사 갈등 극복과 평화 공존을 위해 노력하고 있다.

Q3. 最近、日本軍「慰安婦」問題がホットイシューとなっています。国際社会からも日本政府に向けて問題解決を求められています。河野談話や村山談話を継承すると言いながら、この問題に対しては否定する理由は何だと思われますが。
  安倍首相が「戦後レジームの転換」を目指しているからです。それは、植民地支配をし、侵略戦争をしかけて敗北し、カイロ宣言、ポツダム宣言を受け入れ、最終的にサンフランシスコ平和条約によって国際社会に復帰を果たした日本の戦後を否定したいということです。ですから、戦力不保持、恒久平和主義等を定めた現行憲法を変えることを執拗に追求しているのであり、旧日本軍の“栄光”を汚すことになる「慰安婦」問題を否定するのであり、村山談話など認められない、ということになるのです。

Q4. 日韓関係の改善のため20年間活動していらっしゃるのですが、その中で特に印象に残ってる方がいらっしゃれば紹介してください。
  「印象に残っている方」と言うよりも、記憶に留めなければならないと思う方が何人もいらっしゃいます。それは私が関わった裁判の原告たち、日本の植民地支配と戦争の被害者の方がたです。そのうちの何人かは既に鬼籍に入られました。それらの方がたのことは忘れてはならないと思っています。

Q5. 最後に、日韓関係改善のための解法もしくは日本そして韓国の市民へのお伝えしたいメッセジーがあれば聞かせてください。
  この問いに対する回答は、質問11に対する回答で替えさせていただきます。

矢野のプロフィール)
日韓つながり直しキャンペーン2015の事務局長。1990年代から
戦後補償実現の運動に参加し、韓国人元徴用工、元軍人軍属の
補償裁判、靖国合祀取消訴訟などの支援を行ってきている。
2010年、韓国強制併合100年の年には、韓国の市民運動と共同し、
「植民地主義清算と平和実現のための日韓市民共同宣言」をまと
める。

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