フィジーやソロモン群島といった太平洋島嶼国の多くは標高5メートル未満の低地帯にあり、海面上昇や台風、津波といった気候変動には特に弱い。気候変動に関する政府間パネル(IPCC、Intergovernmental Panel on Climate Change)の第5回評価報告書によると、雨季には平年よりも多い降水量が、乾季にはさらにひどい干ばつが予想され、太平洋島嶼国の気候変動による災害は今後もっとひどくなる見通しだ。また、オーストラリアとニュージーランドを除くほとんどの島嶼諸国は、気候変動への対応能力の向上に困難を抱えており、国際社会との連携が欠かせない状況だ。