科学技術

2014.12.09

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韓国の研究チームが、骨髄から血管へ幹細胞の移動を誘導し、虚血性疾患を治療できる物質を発見した。

亜州大学と釜山大学の共同研究チームは11月30日、胆汁酸の一種であるTUDCAが血管内皮前駆細胞(EPC)の移動を誘導し、心血管系治療を促進することを確認した。

肉類中心の食生活と高齢化社会の到来で、重度慢性疾患である虚血性血管疾患患者が増加し続けているが、薬物と手術という従来の治療法では根本的な治療が不可能だ。

共同研究チームは、血管内皮前駆細胞を抹消血液(peripheral blood)と臍帯血から分離・培養して様々な分析を行った結果、分離された細胞がEPCであることを検証した。EPCは、骨髄由来の血液に存在する幹細胞で、新たな血管形成に利用される。

허혈성 질환을 유도한 실험쥐에 TUDCA를 투여한 결과 혈관이 다시 생성되면서 정상적인 피의 흐름을 보여주고 있다.

虚血性疾患を持つ実験マウスにTUDCAを投与した結果、血管が再び生成され、正常に血が流れた



研究チームは、TUDCAを利用してEPCが損傷した部位に移動すると血管復元が促進されることを確認した。TUDCAは肝臓で生成して胆囊に貯まった後に分泌し、体内の胆汁の主成分の一つであるウルソデオキシコール酸(UDCA)とタウリンが結合した形で人体内に少量存在する。

実験結果を見ると、TUDCAは骨髄から抹消血液に幹細胞を移動させる誘導剤(stem cell mobilizer)として活用できると見られる。

줄기세포 분야 학술지인 '스템 셀스'에 게재된 연구결과

幹細胞分野の学術誌『ステムセルズ』に掲載された研究結果


研究チームの関係者は、「今回の研究は、従来の治療法とは違い、人体内に存在する胆汁酸を利用して効率的で副作用がなく、自家幹細胞治療に応用できる」と話す。

今回の研究は、未来創造科学省のバイオ・医療技術開発事業支援として実施され、研究結果は幹細胞分野の学術誌『ステムセルズ』電子版(11月19日付け)に掲載された。(www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24424209)

コリアネット イム・ジェオン記者
写真提供:未来創造科学省
jun2@korea.kr