科学技術

2015.01.16

カニやエビの殻から抽出したキトサンでメモリ素子を作る技術が12日、開発された。

ポステック新素材工学科のイ・ジャンシク教授の研究チームは、カニ殻から抽出したキトサンを利用し、USBメモリスティックやフラッシュメモリに使われる不揮発性メモリ素子を作った。

研究チームは、環境にやさしく人体に適したメモリ素子の材料を探していて、キトサンに注目した。キトサンは、イオン伝達能力が優秀で、白金と銀を電極とするメモリ素子において電圧に応じて抵抗値が変わるのが確認されたためだ。つまり、人為的な抵抗状態の変化により、情報を書いたり消したりするメモリ機能を持つというわけだ。

키토산의 화학 구조와 키토산 기반으로 만들어진 메모리 소자의 현미경 사진. 은(Ag)과 백금(Pt) 사이에 키토산(chitosan)이 놓여있다.

キトサンの化学構造とキトサンを基盤にしたメモリ素子の顕微鏡写真。銀(Ag)と白金(Pt)の間にキトサン(chitosan)が置かれている


こうした特徴を活かして作られたキトサンメモリ素子は、低い動作電圧下でも抵抗値の変化率が高く、情報保存能力が優れており、情報の記録・消去を繰り返したり、数十時間にわたって作動したりしても特性を維持することができる。

포스텍 이장식 교수

ポステックのイ・ジャンシク教授


研究チームは、キトサンメモリ素子はフレキシブル基板の上でも作成できると説明する。また、キトサンは、魚介類を処理する過程で抽出されるため製造コストが安く、自然分解物質で環境にやさしいことなどから、今後、スマートウォッチなど人に優しいウェアラブル機器のメモリ素子としての応用可能性が高いとした。

イ・ジャンシク教授は、「今回開発したメモリ素子は生体適合材料で、今後、肌に付着または人体に挿入するメモリ素子を作成する基盤技術になる。最終的には食べても大丈夫なほど安全なメモリ素子を開発したい」と語る。

今回の研究は、未来創造科学省の中堅研究者支援事業の支援を受けて実施され、研究の結果は国際学術誌「ACS Nano」のオンライン版12月16日付に掲載された。

에이씨에스나노 지 온라인판 12월 16일자에 소개된 키토산 소재 메모리 연구결과

「ACS Nano」誌のオンライン版12月16日付に掲載されたキトサン素材メモリの研究結果



コリアネット ユン・ソジョン記者
写真提供:ポステック
arete@korea