科学技術

2015.04.03

韓国の島々が‘スマート’になる。

プロジェクトの中核は、KTがギガビット・ネットワークで高速通信サービスを提供することだ。ギガ級通信網は、韓国の一般家庭とオフィスで利用されている100Mbpsの超高速インターネットの約10倍の速度でデータを転送することができ、理論的には1秒当たり約120MBのデータをダウンロードすることができる。これは、2GBの映画を20秒以内にダウンロードできる速度だ。

ギガストーリー・プロジェクトは、これまでチョンラ(全羅)南道シナン(新安)郡のイムジャ(荏子)島とキョンギ(京畿)道パジュ(坡州)市テソン(台姓)洞で行われ、3番目として17日にインチョン(仁川)市のペンリョン(白翎)島で開始された。白翎島は仁川港から228キロ離れており、船で4時間かかる。島の住民は、ギガストーリー・プロジェクトによって医療や文化、交通などで大きな恩恵を受ける見通しだ。

인천 옹진군 백령면 사무소 대피소에서 유정복 인천광역시장(오른쪽)과 오성목 KT 부사장이 조업중인 어민과 위성 광대역 LTE망을 통해 화상통화를 하고 있다.

仁川市甕津郡白翎面役場の避難所で、仁川広域市のユ・ジョンボク市長(右)とKTのオ・ソンモク副社長が、広帯域衛星LTE網を活用したテレビ電話で操業中の漁民と通話している


まず、医療インフラが十分に整備されていない白翎島の住民に「スマートウォッチ」100台を提供する。心身の健康に問題のある高齢者に運動情報や心拍数などを知らせて健康を管理するサービスで、5分ごとに結果が白翎保健支所に転送される。心拍数が正常値でなかったり活動量が急激に低下したりといった異常が検知されたら、リアルタイムで家族と医療機関に情報が転送されるシステムだ。また、糖尿検診ソリューション端末「ヨダク」を提供し、島民の健康を管理する計画だ。

백령도의 주민이 손목의 스마트 워치로 건강 상태를 확인하고 있다.

白翎島の住民が手首につけたスマートウォッチで健康状態をチェックしている


また、HD級のスマート防犯カメラを設置してセキュリティ・システムを強化する。冬の間陸地で活動する漁民にとって、高額の船舶や漁労機器を置きっぱなしにすることがこれまで最大の悩みだった。しかし、スマートテレビによって入り江の様子をパソコンやスマートフォンでリアルタイムで確認できるので、漁民はもう心配する必要がない。

さらに、「広帯域衛星LTE技術」を導入することで、光ケーブル(Optical Cable)やマイクロウェーブ(Mircro Wave)といった装備が使えなくても通信サービスが可能になった。KTが世界で初めて開発したこの技術は、白翎島内の避難所26カ所と仁川状況室をテレビ電話でつなぎ、どんなに被害状況であっても被害規模と被災者の様子を肉眼で確認することができる。また、KTは各避難所にLTE基盤の無線機「ラジャー(RADGER)1」を提供した。全国どこにいても1千台以上の無線機による同時通信が可能で、被害状況に迅速に対応することができる。KTの関係者は、向こう5年以内に全国500あまりの島にギガビットネット・ワークを構築し、不便のない通信環境を実現したいと話す。

コリアネット イ・スンア記者
写真提供:KT
slee27@korea.kr