社会

2014.08.19

来韓最終日の18日午前、フランシスコ法王はソウルの明洞聖堂で「平和と和解を祈るミサ」を執り行った。

ミサが始まる前、法王は最前列に座った元従軍慰安婦の女性らと一人ずつ挨拶して言葉を交わし、車椅子に座った女性らとしばらく時間を過ごした。キム・ボットンさん(89)が蝶を象ったバッチを法王に渡すと、法王はその場でそのバッチを聖衣につけた。法王は、後列に座ったカンジョン村の住民やサンヨン自動車を解雇された労働者ら、密陽市の住民、いわゆる「龍山惨事」の遺族、障害者らと挨拶を交わして壇上に上がった。

この日のミサには、北朝鮮出身の聖職者や修女、平信徒ら約30人も招かれた。「北朝鮮出身の聖職者らは、戦争が勃発した当時は神学生だった方がほとんどだ。彼らは平壌、元山、 咸興の教区に属していた。彼らは今、失郷民として韓国で暮らしている」 カトリック教会側の関係者はこう説明した。この日、失郷民らを引率した平壌教区出身のチャン・グンソン神父は、「この中の修女のほとんどは90歳を超えている」と話す。

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방한 마지막날인 18일 서울 명동성당에서 프란시스코 교황이 ‘평화와 화해를 위한 미사’를 집전하고 있다. (사진 교황방한위원회)

来韓最終日の18日、ソウルの明洞聖堂でフランシスコ法王が「平和と和解を祈るミサ」を執り行っている(写真提供:法王来韓委員会)


法王はこの日のミサで、「罪を犯した兄弟姉妹を無条件に許しなさい」というメッセージを伝えた。

「兄弟が罪を犯したら7回も許さなければならないのかいうペテロの問いかけに、イエス様は7回ではなく77回でも許さなければならないとおっしゃった。この言葉には、和解と平和に関するイエス様のメッセージの核心が込められている」と説明した。そして、「イエス様は、許しこそ和解に至る門であることを信じなさいと私たちに命じた。まさにこれこそ私が韓国訪問を終えて皆様に残すメッセージ」と述べた。

프란치스코 교황이 18일 명동성당에서 열린 '평화와 화해를 위한 미사'에 참석한 위안부 피해 할머니들의 손을 잡아주며 축복하고 있다. (사진: 연합뉴스)

18日に明洞聖堂で開かれた「平和と和解を祈るミサ」で、フランシスコ法王が元従軍慰安婦らの手をとって祝福している(写真提供:連合ニュース)


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'평화와 화해를 위한 미사'가 끝난 뒤 박근혜 대통령이 교황과 인사를 나누고 있다. (사진 청와대)

「平和と和解を祈るミサ」の後、パク・クネ大統領がフランシスコ法王と言葉を交わしている(写真提供:大統領府)


‘평화와 화해를 위한 미사’에서 강론에 귀기울이고 있는 참석자들. (사진 교황방한위원회)

「平和と和解を祈るミサ」で法王の説教を傾聴する出席者ら(写真提供:法王来韓委員会)


法王は、「これからは、面と向かって対話し、互いの違いを乗り越えるための新たな機会が多くなるよう、みんなで祈りましょう。助けが必要な人々に人道主義的援助の提供が寛大に行われるよう、そして韓国民はみな同じ兄弟姉妹であり、家族の一員であり、一つの民族であるという認識がもっと広まるよう、ともに祈りましょう」と呼び掛けた。

この日の法王の来韓最後のミサにはパク大統領も出席し、法王のメッセージを傾聴した。パク大統領は、メッセージを伝えた後に自分のところに歩み寄ってきた法王に、「朝鮮半島の平和と和解に向けたメッセージを伝えてくださって感謝する。お気をつけてお帰りください」と伝えた。法王も、「本日のミサに出席してくださり、来韓期間中、温かく歓迎してくださったことに感謝する。また、この期間中、移動手段を提供してくださり、多くの便宜を図ってくださったことに心より感謝する」と答えた。また、「韓国民がひとつになれるよう、お祈りすることを約束する。ローマでまたお会いしましょう」とパク大統領のバチカン訪問を要請した。この席で法王は、パク大統領に記念のメダルとロザリオを贈物として手渡した。

프란치스코 교황(오른쪽에서 네번째)이 18일 명동성당에서 국내 12개 종단 지도자들과 인사를 나눈 후 기념촬영을 하고 있다. (사진: 연합뉴스)

フランシスコ法王(右から4人目)が18日、明洞聖堂で韓国の12の宗団のリーダーらと挨拶を交わし、記念写真を撮っている(写真提供:連合ニュース)


聖体拝受の後、出席者らは賛美歌の代わりに朝鮮半島の統一を願う歌「私たちの願いは統一」を歌ってフィナーレを飾った。

一方、法王はミサを執り行う前に曹渓宗総務院長の慈乗和尚や韓国基督教教会協議会総務のキム・ヨンジュ牧師、円仏教のナムグン・ソン教政院長ら韓国の12宗団の宗教指導者らと面会した。法王は宗教指導者らにスペイン語で、「人生は道です。一人では行けない道です。他の兄弟姉妹らとともに神の現存の中で歩まなければならないと思います。ですから、この場にお集まりの宗教指導者の方々に心より感謝します。ともに歩みましょう。神の現存の中でア、ブラハムが神に向かって歩んだ道でもあります。私たちは兄弟です。兄弟として互いに認め合い、ともに歩んでまいりましょう。ありがとうございます。最後に、私のために祈ってください。ありがとうございます」と挨拶した。

 4박 5일간의 한국 방문 일정을 마친 프란치스코 교황이 18일 오후 경기도 성남 서울공항에서 정홍원 국무총리와 대화를 나누고 있다. (사진 문화체육관광부)

18日午後、4泊5日間の韓国訪問を終えたフランシスコ法王が、京幾道城南市のソウル空港でチョン・ホンウォン首相と会談している(写真提供:文化体育観光省)


방한을 마친 프란치스코 교황이 18일 오후 경기도 성남 서울공항에서 환송객들을 향해 손을 흔들고 있다(사진 교황방한위원회)

18日午後、韓国訪問の全日程を終えたフランシスコ法王が、京幾道城南市のソウル空港で、見送りに来た人々に手を振っている(写真提供:法王来韓委員会)


帰国する法王をソウル空港で見送ったチョン・ホンウォン首相は、「短い期間だったが、朝鮮半島に平和と愛の種を植え、国民に謙遜な姿で“大きな人柄”をお見せになった。暴力と争いで得られるものは何もなく、全てを得ることができるのは平和だけだという法王の言葉は、私たちにとって大きな意味がある。これからも南北の和解と平和統一に向けてお祈りください」と伝えた。

これに対して法王は、「この国の品位と尊厳性を主がお守りになりますように。人為的な国家分断の状況から一致に向けて前進し、朝鮮半島の平和統一が一日も早く実現することを願う。これは、ひとつの希望であり約束である」と述べた。首相室が伝えた。

フランシスコ法王は、イタリア・ローマに帰国する航空機の中で、「朝鮮半島の平和と幸福のためにもう一度祈りを捧げる。皆様に神の祝福がありますように」と最後のメッセージを伝えた。

コリアネット ウィ・テックァン記者、ソン・ジエ記者

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프란치스코 교황이 18일 명동성당에서 열린 ‘평화와 화해를 위한 미사’에 참석하기 위해 차량으로 이동도중 환영하는 인파들을 향해 손을 흔들고 있다.

18日に明洞聖堂で開かれた「平和と和解を祈るミサ」に出席するために車両で移動する途中、フランシスコ法王が街頭の人々に手を振っている


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미사에 초청받지 못했어도 교인들은 밖에서 교황을 환영하고 있다.

ミサに招待されなかった信者らが会場の外で法王を歓迎している


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 프란치스코 교황이 18일 명동성당에서 ‘평화와 화해를 위한 미사’ 집전하고 있는 가운데 명동성당 앞에 몰려든 신도들이 비가 오는 가운데서도 자리를 떠나지 않고 기도를 드리고 있다.

18日、フランシスコ法王が明洞聖堂で「平和と和解を祈るミサ」を執り行っているとき、明洞聖堂の前に詰め掛けた信者らが雨の降る悪天候の中で祈りを捧げている



写真:コリアネット チョン・ハン記者