アジア45億人の祭典「第17回仁川アジア競技大会」が19日の開会式をもって16日間の熱戦に突入した。

「平和の息遣い、アジアの未来(Diversity Shines Here)」のスローガンを掲げた今大会には、アジアオリンピック評議会(OCA)に加盟する45カ国の選手や役員ら約1万4千人が参加する。36の競技で力と技を競い合い、融和と友情を深める。今大会はOCA加盟国が全て参加する初めての大会ということに意義がある。

開会式にはパク・クネ(朴槿恵)大統領や仁川アジア競技大会組織委員会のキム・ヨンス委員長、OCAのシェイク・アフマド・アルサバ会長、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ委員長らが出席した。

開会式では、仁川の海が母親の懐のように45の国から訪れた客を抱く物語が描かれた。映画監督のイム・グォンテク氏が総監督を、同じく映画監督のチャン・ジン氏が総演出を務めた今回の開会式は、アジアの融合をテーマに演出された。


開会式のアトラクションは、仁川の文化遺産である「富川風物遊び」で幕を開けた。溌剌とした風物で家庭と町の幸福を願う「チシンパルキ(地神踏み)」を通じてアジア競技大会の成功を祈願した。本格的なアトラクションの開始を告げたのは、今大会に参加するアジアの45の国をテーマとした映像だ。アジア45カ国の文字と音で始まった1部のフィナーレを飾ったのは「輪回し少女」だ。


1988年のソウル五輪の開会式で強烈な印象を与えた「輪回し少年」の感動が再現された。今回は、1人の女の子が輪を転がしながら登場し、俳優のチャン・ドンゴンさんが女の子に輪を渡す場面が演出された。

ドラマ「星から来たあなた」で中国で大ブームを巻き起こした俳優のキム・スヒョンさんも、「輪回し少女」と一緒に登場した。彼が現れると客席から大きな歓声が沸き上がった。

2部は、詩人のコ・ウンさんが書いた詩「アシアードの歌」を、コさん自ら朗読して始まった。コ氏は、「何千回の明日を胸に刻んだアジアの夜と昼を歌え…。アジアの熱い心臓が集まったここ仁川を歌え…」と小さな音で朗読した。

この詩にソプラノ歌手のチョ・スミさんと仁川市民合唱団が曲をつけ、美しい合唱が披露された。また、「江原道アリラン」や「珍島アリラン」「本調アリラン」など、チョさんによる「アリランの饗宴」が繰り広げられた。

続いて、仁川とアジアをつなぐ仁川の海と、その海にまつわる2つの物語の主人公である沸流王子と孝女「沈清」が登場した。沸流王子は三国時代の百済の建国説話の中で現在の仁川である弥鄒忽に国を建てた主人公で、沈清は父親の目が見えるようにするために供養米300石で自らを売り、西海の一地域とされる印塘水に身を投じて龍王を感動させ、蓮の花に生まれ変わったと伝えられる孝女だ。

2人の主人公が仁川で出会い、アジアの国々を再びひとつにし、全ての人が仲間と家族になるというメッセージが伝えられた。「遠い昔のアジア」「海を通じて出会うアジア」「家族になり、友になったアジア」「今日出会う未来、ひとつになったアジア」の4幕で構成された2部では、仁川アジア競技大会のテーマが表現された。


アジア競技大会のテーマソングを歌う人気グループ「JYJ」をはじめ、EXOなどのKポップスターが素晴らしいステージを披露し、祭典の雰囲気を盛り上げた。

3部はアジア競技大会の主人公である45カ国の選手団が、国名表記のハングル文字順に入場した。ネパール選手団が自国の国旗を掲げて先頭で入場し、45カ国の選手たちが相次いで入場した。開催国の韓国は最後に入場した。




「第17回仁川アジア競技大会の開会を宣言します」

パク大統領の開会宣言で正式に「アジアの人々の祭典」の幕が開いた。


開会式のハイライトである聖火点灯は、女優のイ・ヨンエさんが務めた。ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」で世界中に大ブームを巻き起こしたイさんは、母国で開かれるアジア競技大会の聖火を点灯する大役を務めた。聖火は、野球のイ・スンヨプ選手、ゴルフのパク・インビ選手、元スピードスケート選手のイ・ギュヒョクさん、元バスケットボール選手のパク・チャンスク選手、元テニス選手のイ・ヒョンテク選手と引き継がれ、競泳と新体操のスポーツ少年・少女であるキム・ヨンホ君とキム・ジュウォンちゃんに渡され、イさんが2人と一緒に観衆の歓声を受けながら聖火を点灯した。聖火は大会が開かれる16日間にわたって灯される。


フィナーレを飾ったのはワールドスターPSYだ。中国人ピアニストのランランさんの演奏に合わせて「チャンピオン」を熱唱し、世界中に「乗馬ダンス」ブームを巻き起こした「江南スタイル」に合わせて全員が乗馬ダンスを踊り、会場全体がひとつになった。

記事：ウィ・テックァン記者、ソン・ジエ記者
写真：チョン・ハン記者
jiae5853@korea.kr