スポーツ

2014.10.24

事故以来、家の中で過ごした15年。卓球を通じてスポーツの世界に飛び込み、陸上とハンドサイクルに打ち込んだ7年間。そして、金メダル獲得。

その主人公は、「ハンドサイクルの女王」イ・ドヨン選手(42)だ。イ選手は、今回の仁川アジア・パラ競技大会のハンドサイクルで2冠に輝いた。

2014 인천 장애인 아시아경기대회 핸드사이클 여자 개인전이 열린 22일 한국의 이도연이 이를 악물고 역주를 펼치고 있다.

22日に行われた2014仁川アジア・パラ競技大会の女子個人ハンドサイクルで、韓国のイ選手が歯を食いしばって力走している



3人娘の母親であるイ選手は、19歳のときに建物から落下して重傷を負った。そのショックから15年以上家から出られなくなったが、母親の勧めで卓球を始め、再び社会に出た。6年間ひたすら卓球に打ち込んだが、卓球は選手層が厚く、韓国代表にはなれないと判断した。2012年に陸上に転向し、同年の全国障害者体育大会に出場、槍投げ、円盤投げ、砲丸投げで韓国記録を更新して関係者を驚かせた。しかし、パラリンピックや世界パラ大会などに出場するには世界レベルの標準記録をクリアしなければならなかったが、それにはほど遠かった。それで始めたのがハンドサイクルだ。

イ選手は、韓国のハンドサイクル界に流星のごとく現れた。2013年にハンドサイクルを始め、わずか1年後の今年5月に行われた国際自転車競技連合連盟(UCI)のイタリア・ワールドカップ・パラ大会での優勝を皮切りに、7月のUCIスペイン・ワールドカップ・パラ大会、9月のUCIパラサイクリング世界選手権米国大会で優勝し、3つの国際大会を総なめにした。アジアの選手がUCIのパラ大会で優勝したのは、イ選手が初めてだ。

イ選手は、「ケガをして大変なこともたくさんあったが、これからも頑張るので応援してほしい。一生懸命に生きて、運動して、走ることで、喜びを伝えたい」と家族に誓った。

2007年に初めてハンドサイクルを韓国に導入した韓国代表チームのリュ・ミノ監督(47)は、「イ選手に初めて出会ったのは2013年5月だ。(彼女のトレーニングに臨む姿勢などを見て)世界的な選手になると直感した」と語る。そして、「サイクルを楽しむ姿が印象的だった。彼女の学ぶ力は男子選手よりも優れているうえ、とにかく練習熱心」と話す。

また、「サイクルを始めて間もないので、まだ(彼女の能力は)70%しか発揮されていない。もし、100%能力を発揮できれば、パラリンピックでも十分に優勝できるだろう」とも話す。

2014 인천 장애인 아시아경기대회 핸드사이클 여자 개인전에서 2관왕이 된 이도연.

2014仁川アジア・パラ競技大会の女子個人ハンドサイクルで2冠に輝いたイ選手



コリアネット イム・ジェオン記者
写真提供:連合ニュース
jun2@korea.kr