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2016.02.04

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ボブスレー代表チームのウォン・ユンジョン(前)-キム・ジンスが、1月28日にスイス・サンモリッツで行われたヨーロッパカップで韓国産のそりでスタートを切っている

ボブスレー代表チームのウォン・ユンジョン(前)-キム・ジンスが、1月28日にスイス・サンモリッツで行われたヨーロッパカップで韓国産のそりでスタートを切っている



1月23日にウォン・ユンジョン-ソ・ヨンウ韓国ボブスレー代表チームがアジア初となるワールドカップ金メダルを獲得した際、歴史的な記録そのものも話題となったが、彼らが訓練を初めたころの劣悪な環境も改めて注目を集めた。数千万円もするそりを買えなかったため、欧州チームが使い古したそりで訓練に励んだという。

しかし、これからはもう中古のそりに乗らなくてもいい。彼らのためにオーダーメードされた韓国産のボブスレーそりが作られたからだ。

現代自動車グループが製作したボブスレーそりが、1月28日の「2015-2016国際ボブスレー・スケルトン連盟(IBSF)ヨーロッパカップ第8戦」でお披露目となった。

全体的に前向きな評価だ。イ・ヨン代表チーム監督は、新しいそりについて加速力、操縦いずれも満足だと話した。何よりも、たった1年余りで、他メーカーが数十年間積み重ねてきたノウハウと技術力に近付けられたのには驚きを隠さなかった。前回大会まで、韓国代表チームはラトビアのそりメーカーBTCの製品を使ってきた。

ボブスレーは「氷上のF1」とも呼ばれる。急カーブを凄まじいスピードで走り抜ける記録競技という共通点を持つ。装備の面でもそうだ。ボブスレーとF1はいずれも、少しでも記録を短縮できる装備の開発がカギとなる。そのためか、世界的な自動車メーカーがボブスレーそりを製作することが多い。2014年ソチ冬季五輪で英国チームはマクラーレン、イタリアチームはフェラーリが製作したそりに乗った。米国チームのそりはドイツのBMWが作ったものだった。

空気抵抗軽減のためのレーザー実験の様子

空気抵抗軽減のためのレーザー実験の様子



現代自動車は、軽くて安全でありながら選手らにぴったりのそりを開発するのに注力した。スーパーコンピューターを使った空気抵抗分析シミュレーションや、実際に自動車開発にも使われるウィンドトンネルでの空気抵抗評価を通して、空気抵抗を最小限に抑えたデザインを開発した。一方で、カーボン素材による軽くて頑丈な胴体を作るのにも力を入れた。トラックに合わせて作ったフレームに、内部も3Dスキャン技術を利用して選手らの体型を完璧に反映させて作り上げた。

現代自動車は今後も修正を加えながらそりを補完していくとのこと。2018年の平昌五輪に向けて韓国代表チームに最適なそりを製作するのが最終的な目標だ。

コリアネット チャン・ヨジョン記者
写真:現代自動車グループ
icchang@korea.kr