韓国で暮らしたいと思っている外国人にとって、家探しは最も重要なことだ=アイクリックアート
[エレナ・クビツキー(ドイツ)]
韓国で暮らしたいと思っている外国人にとって家探しは、最も重要なことだ。韓国の不動産システムは、海外と比べて相違点が多い。私の体験が韓国で暮らしたいと考えている外国人に役立てればと思う。
不動産探し
まずは、住みたいエリアの不動産を訪問する。条件(金額・坪・オプション付など)を言うと、不動産が物件を探してくれる。
良い物件が見つかったら、契約金を払わなければならない。条件の良い物件は入居者がすぐ見つかる傾向がある。契約金は保証金の1割と言われている。保証金が500万ウォンなら、契約金は50万ウォンくらいだ。契約金は保証金の一部を先払いするので、契約日付までに残りの保証金を支払う。
賃貸借契約書
賃貸借契約書は、賃貸人(貸し手)・賃借人(借り手)・宅地建物取引士が不動産で署名する。契約書には、保証金・家賃・不動産屋への仲介料、規則などが書いてある。賃貸人の財務状況が把握できる項目もある。これは、伝貰(チョンセ、韓国の住宅賃貸制度の一つ)という形で契約した人には、とても重要な情報だ。
不動産屋への仲介料は、保証金によって変わる。保証金が1億ウォン以下であれば、何十万ウォンくらいだ。物件を紹介してくれたお礼でもあり、万が一問題が発生した時には、不動産屋がそれを解決するという意味合いで払う金額でもある。
伝貰は、韓国の住宅賃貸制度の一つである。アイクリックアート
月貰と伝貰
韓国の住宅賃貸制度には、月貰(ウォルセ)と伝貰がある。月貰は月払いの家賃制度のこと。伝貰は契約期間(平均2年)、別途の家賃が発生しない。借り手が家賃を払う代わりに契約時に住宅価格の5~8割程度の伝貰金を貸し手に払う。伝貰金は契約終了時に借り手に全額返還される。貸し手は、受け取った伝貰金を資金運用して、利子等の収入を得る仕組みになっている。
伝貰金は大金なので、貸し手の財務状況を把握しなければならない。契約終了時に伝貰金を借り手に返還できない場合もあるからだ。
月貰の場合、保証金が高くなると家賃は低くなる。韓国で月貰の保証金は、平均2千万ウォンから8千万ウォンくらい。
毎月支払う管理費も重要だ。管理費には、ビル掃除や設備の保守点検費用、管理人の人件費などが含まれている。インターネットやテレビなどの使用料が含まれる場合もある。新しいビルや高層ビルの場合、管理費も高くなる。
韓国には、アパート・オフィステル・1LDK・マンション・考試院(コシウォン)の5つの住居形態がある=コリアネットDB
韓国の住まいの種類
韓国には、アパート・オフィステル・1LDK・マンション・考試院(コシウォン)の5つの住居形態がある。
アパート
韓国のアパートは、日本のマンションと同じスタイルで、数十階を越える高層タイプが人気だ。2LDKから4LDKが中心で、家族向けがほとんど。
オフィステル
オフィステルは、アパートの小さいバージョンだ。家具やキッチンなどの必要なものは揃っているが、ベッドはほとんどないことが多い。1LDKから3LDKまでが一般的な構造。
1LDK
日本で言うワンルームとほぼ同様の意味。半地下(パンチハ、半分だけ地下になっている部屋のこと)や建物が古すぎる場合を除けば、一人で暮らすには十分なので、学生の入居者が多い。
韓国の1LDK=アイクリックアート
ヴィラ(単独住宅、連立住宅)
日本でいうと一軒家のこと。3階建ての建物が多く、大部分が古い。1LDKよりは広いが、同じくらいの広さの部屋であれば、アパートより安く借りることができる。
考試院
3畳ほどの部屋に机やベッドが備え付けられている。トイレやシャワーは共同で使用するのが基本だが、部屋に付いていることもある。節約したい人には、良い選択肢。
私は韓国で4年間、オフィステル・1LDK・ヴィラ・考試院で暮らしたことがある。この中で、オフィステルが最も快適だったが、家賃が高かった。複数の不動産を訪問し、住まいのエリアを絞ったら、良い条件の物件が見つかるだろう。
この記事は、ドイツのコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。
jesimin@korea.kr