名誉記者団

2021.05.12

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ミュージカル「正祖-桃の花、思うと悲しい」=4日、ソウル、宮中文化祝典フェイスブック


[東京=吉岡香織(日本)]

毎年、日本のゴールデンウィークと同じくらいの時期にソウルで開催されている「宮中文化祝典」。参加したことがある方も多いのではないでしょうか?

10日程の間、景福宮、昌徳宮、徳寿宮、昌景宮、慶熙宮、宗廟、社稷檀で、様々なイベントが企画され、今年は1日からオンラインで開催されました。(オンラインでの開催は12月31日まで)

韓国ソウルで直接体験できないことは残念ですが、まだ行くことができない今、オンラインの映像鑑賞で少しでも参加した気持ちになれるのはうれしいですね。

昨年の開催は、新型コロナウイルスの影響で10月からでしたが、渡韓できなかったので、ユーチューブの「宮中文化祝典チャンネル」でたくさんの映像を鑑賞しました。数カ月かけて随時作品が公開され、日本語字幕はありませんが(英語字幕版あり)、韓国語が分からない方でも楽しめる作品がいろいろありました。今も観られるものがあります。https://youtube.com/c/chluvu

韓国の時代劇「雲が描いた月明かり」のモデルとされ、芸術と文学を愛したといわれる孝明世子(第23代王・純祖の長男)とゆかりの深い、昌徳宮と後苑で撮影された「시간여행 그날, 효명 / 時間旅行 あの日、孝明」は、伝統舞踊や国楽、風景の美しさを楽しめました。

ショートフィルム歴史劇には、みなさんご存知の俳優さんも多数登場。逆謀が描かれた「첩종, 조선을 지켜라/畳鐘、朝鮮を守れ」では、現在韓国で放送中の「マウス」にク・トング役で出演しているウ・ジヒョンさんと、4月に放送終了した韓国ドラマ「シーシュポス:The Myth」にエディ・キム役で出演したテ・インホさん、ガールズグループのGirls Day出身のパク・ソジンさんが熱演。日本でも大ヒットした韓国ドラマ「愛の不時着」でユン・セリのお父さん役のナム・ギョンウプさんが主演した、第26代王・高宗を描いた作品もありました(残念ながらこれはもう観られないようです)。

2015年の第1回の映像で(景福宮の興礼門だと思うのですが)そこに投影されたプロジェクジョンマッピングの映像がとてもかっこよく、何度も観てしまいます。そして、韓国で人気の、伝統音楽や、現代音楽を融合した曲も聴くことができます。こんなに豪華な映像や音楽をユーチューブで鑑賞できるなんて贅沢ですね。

2016年の宮中文化祝典パンフレット。2016年は宮廷文化祝典と少し名前が違う。永久保存版=吉岡香織撮影


とはいえ、やっぱり直接体験するのが一番。私は2016年と2019年に、イベントに行くことができました。パンフレットを見ると、その頃はまだ社稷檀でのイベントはなかったようで、5大王宮と宗廟での開催でした。

2019年に行われた宗廟大祭の様子=コリアネットDB



第2回の2016年、最初は、このようなイベントが開催されていることを知りませんでした。韓国に到着してから、駅のホームで「宗廟大祭」という大きな看板を見つけ、そこに、朝鮮王朝の国家祠堂であり、ユネスコ世界遺産の宗廟で歴代王と王妃を祀った祭祀が毎年5月第一日曜日(その年は5月1日)に行われているとあり、見に行かずにはいられませんでした。まずは「御駕行列」。景福宮から宗廟まで向かいます。道のりは2キロ以上ありそうですが、最初に出発した人が宗廟に到着する頃に最後の人が出るのでは?というくらいの大行列に驚きました。祭礼と祭礼楽はユネスコ世界無形文化遺産、人類口伝・無形遺産傑作に登録され、王室の直系の子孫が執り行うとあって、それはそれはとても厳粛なものでした(観客は賑やかですが)。

2019年の慶会楼のオープニング公演=吉岡香織撮影


景福宮の勤政殿前では王様のための華やかな宴が再現されていていましたし、伝統茶菓子をいただけるカフェ「生菓房」も開かれていました。昌慶宮は、王様と王妃様の散策の再現や演劇の上演があり、昌徳宮でも王室内医院で御医による診察体験や、図画書(記録画や肖像画などを描く部署)で梅花図の書き方を習う体験などなど・・。これらはほんの一部であって、全てのプログラムはかなりの数。事前チェックして参加してもよし、チェックしないで行っても何かしらイベントは開催されていて、きっと楽しめると思います。

宮中文化祝典スペシャルではないけれど2019年4月28日に参加した「月明かり紀行」=吉岡香織撮影


私がぜひ参加してみたいのが、昌徳宮でおこなわれる「月明かり紀行」です。このイベントは年2回開催期間があり、3度参加しているのですが、それとは一味ちがった「宮中文化祝典in月明かり紀行」というスペシャルなものらしいのです。予約制で、韓国に住民登録がある方でないとチケットを購入できないようなのでとても残念。ライトアップされた王宮はとても綺麗ですものね。

とはいえ、夜の王宮を楽しむこともできました。2019年に景福宮の慶会楼でおこなわれたオープニング公演を鑑賞したのですが、お堀には船が、夜空には大きな月まで浮かび俳優が空を飛ぶという大変スケールの大きな演出で、こんなに素晴らしいショーを無料で鑑賞できるということにとても驚きました。

「伝統文化は保存状態が良好でその意義を再確認するだけでなく、国民が生活の中で享有して新しい物語を作っていく時こそ本来の価値が輝くといえるでしょう」という、パンフレットに記された文化財団長の言葉から、単に豪華で楽しいだけではない、毎年このイベントを盛大に開催することへの深い意味を感じました。

 来年こそは韓国で参加して、私たちも伝統文化、歴史の一部になれるといいですね。その時が来ると信じて、思いっきり満喫するためにも今年はウェブサイトをチェックし、映像もたくさん鑑賞し、たっぷり予習しておきたいと思います。

*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。

km137426@korea.kr