社会

2024.10.15

[ソウル=イ・ギョンミ]
[写真=イ・ジュニョン]

韓国人初のノーベル文学賞受賞という快挙を成し遂げた小説家ハン・ガン。言語の壁を越えた作家の作品への関心で、世界はまさに今「ハン・ガン作家ブーム」が起きている。

小説家ハン・ガン氏が運営する書店の前で、ハン氏の著書『少年が来る』を手にして記念撮影をするユ・ハナ氏とイーサン・ホフマン氏=14日、ソウル

小説家ハン・ガン氏が運営する書店の前で、ハン氏の著書『少年が来る』を手にして記念撮影をするユ・ハナ氏とイーサン・ホフマン氏=14日、ソウル


ハン氏のノーベル文学賞受賞発表から4日後の14日午後2時。平日にも関わらず、ソウル市内のとある狭い路地に位置している「책방오늘,(訳:本屋、今日)」の前は、大勢の人で賑わっていた。

ここはハン氏が運営する町の小さな本屋で、入口には「当面の間、休みます。再びオープンする日は後程お知らせします。ありがとうございます」というメッセージが貼ってあった。

前日(日曜日)まで書店の前には、ハン氏の受賞を祝うメッセージや花束でいっぱいだった。しかし、KOREA.netが訪問した時には何もなく、キレイに片付けられていた。まるで「これからお祝いは、皆さんの気持ちだけで十分です」と、ハン氏が言っているようだった。

約1時間で100人を超える人が書店を訪れていた。子どもと一緒に来たある家族は書店を背景に写真を撮り、一人で来たある老紳士はしばらく書店の中を覗き込んでいた。外国人は韓服を着て書店の前を歩いたり、それぞれの方法でハン氏の受賞を祝っていた。

ハン氏の本「少年が来る」を手にしてここを訪問したユ・ハナ氏は、「アジア出身の女性として初めてノーベル文学賞を受賞したことが本当に誇らしい」とし、「今回の受賞を機に韓国の女性作家の作品が広く知られてほしい」と話した。また、「韓国の文学作品が優秀な翻訳家さんと出会い、世界に広がることを期待する」とも話した。

米国出身のイーサン・ホフマン(Ethan Hoffman)氏は、受賞前からハン氏のファンだったという。ホフマン氏は「韓国の歴史は米国の歴史とかなり異なるが、ハン・ガンの本を通じて韓国の歴史を勉強した」と話した。

韓国の大手書店・教保文庫に設けられたハン・ガン氏の特設コーナー =14日、ソウル

韓国の大手書店・教保文庫に設けられたハン・ガン氏の特設コーナー =14日、ソウル



ソウル市内の大手書店・教保(キョボ)文庫の真ん中には、ハン氏の受賞をお祝いする大きなコーナーが設けられた。ハン氏の著書は受賞直後、次々と売れて、前日までにすべて売り切れたという。この日の午前、本が再び店頭に並べられると、大勢の客が集まり、次々と買い求めていた。

この日、入庫されたハン氏の著書は『少年が来る』『別れを告げない』の2種類。同書店の関係者は「ハン・ガンの本を買おうとする人があまりにも多いため、本が入ってくる物流の仕組みも変えた」とした。その上で、「『菜食主義者』の場合、ハードカバーとなっていることから制作に時間がかかる」とし、「今からでも早く予約をしないと本を買えない」と話してくれた。

ハン氏はノーベル文学賞受賞以来、出版社を通じて受賞に関する短いコメントを出したこと以外は、何の活動もしていない。17日に行われるある授賞式に出席すると知られているが、これも確かではないという。受賞後、初めてハン氏の顔を見る日を世界が待っている。

km137426@korea.kr