南北首脳「9月平壌共同宣言」採択

「9月平壌共同宣言」の合意文を手に記念撮影する文在寅大統領(左)と金正恩朝鮮労働党委員長=19日、北朝鮮・平壌
[平壌共同取材団]
今年3回目となる南北首脳会談を行った文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は19日、平壌(ピョンヤン)での2回の首脳会談を経て「9月平壌共同宣言」を採択した。
今回の宣言には、3大議題である「南北関係の改善」「非核化に向けた米朝対話の仲裁促進」「南北間軍事的緊張と戦争脅威の終息」に関する合意内容が盛り込まれている。
両首脳は4月の「板門店(パンムンジョム)宣言」が明確に履行されていると評価し、「完全な非核化」と「軍事的な敵対関係の終息」で合意した。
文大統領は首脳会談後の共同記者会見で「南と北は初めて非核化の方策で合意した」とし、「北朝鮮は、平安北道(ピョンアンブクド)の東倉里(トンチャンリ)にあるミサイル試験場とミサイル発射台を関係国の専門家による参観の下で永久閉鎖し、米国が相応の措置を取れば寧辺(ニョンビョン)にある核施設の永久的廃棄などの追加的措置を行う用意があるとの意思を表明した」と述べた。
平壌共同宣言には、インフラ・観光・保健・離散家族再会・文化・体育分野での交流と協力を発展させるための実質的な対策も盛り込まれた。
「開城(ケソン)工業団地と金剛山(クムガンサン)観光事業」をはじめ、「現在進行中の山林分野の協力など環境協力強化」「伝染性疾病の流入及び拡散防止」「金剛山地域の離散家族常設面会所開所及び離散家族の映像での再会とメッセージビデオ交換を優先的に解決」「10月中に平壌芸術団によるソウル公演」「2032年夏季オリンピックの南北共同開催」「3∙1運動100周年共同記念」などで合意した。
文大統領は、金委員長の「年内ソウル訪問」も導くことができた。
文大統領は「金委員長のソウル訪問は、北朝鮮の最高指導者として初の訪問となり、南北関係の画期的転機になる」と期待を示した。
その上で、平壌会談の成果が米朝対話の再開に繋がることを期待し、「両国の首脳会談が速やかに行われ、両国が合意するよう我々も努力することを約束する」と述べた。
金委員長は「平壌共同宣言」について、「(この中には)新たな希望が込められた民族の息吹があり、民族の魂があり、現実となる夢がある」と定義した。
また、「今年に入ってから、北と南が共に歩んできた220日あまりの間は、血の繋がった人情の温かさを感じ、統一に向けた願いが熱い気持ちとなったあふれていた」とし、「板門店で、新たな歴史はこれからだと書いた言葉が現実になっている」と強調した。続いて「我々は分断の歴史を一刻も早く終わらせ、平和と繁栄へと進む聖なる旅路を、両手を固く握り合わせて共にしていくつもりである」と強調した。
共同記者会見には、韓国側からは康京和(カン・ギョンファ)外交部長官、宋永武(ソン・ヨンム)国防部長官、鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長が同席し、北朝鮮側からは、金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党中央委員会第1副部長、金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長が同席した。
一方、ソウルのメインプレスセンターでスクリーンを通じて南北首脳の記者会見を見ていた記者らは、金委員長がソウルを訪れるとのサプライズニュースが出るや歓声を上げた。海外のメディアは速報で金委員長のソウル訪問について伝えた。

共同宣言文に署名した後に行われた共同記者会見で、拍手する文在寅大統領(左)と金正恩朝鮮労働党委員長=19日、北朝鮮・平壌
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