文在寅の韓半島政策

3大
目標

  • 1) 北朝鮮の核問題の解決と恒久的な平和定着

    北朝鮮の核問題の平和的解決は、韓半島の平和のために必ず達成しなければならない最優先の目標であり、課題であります。
    60年以上続いてきた不安定な停戦体制を、恒久的な平和体制に転換します。

    韓国政府は発足してから今まで、明確で一貫した原則を持って韓半島問題に臨んできました。
    これからも同じです。

    • 01

      韓半島での平和定着

    • 02

      韓半島の非核化

    • 03

      南北問題の主導的な解決

    • 04

      北朝鮮の核問題の平和的解決

    • 05

      北朝鮮の挑発に断固たる対応をとること

    2017年11月1日 国会での施政演説
  • 2) 持続可能な南北関係の発展

    7·4南北共同声明、南北基本合意書、6·15共同宣言、10·4首脳宣言 など、これまでの合意は、歴代政権が南北関係の発展のために長い時間をかけて生み出した努力の結果であり、これらは尊重されるべきであると同時に、守られなければなりません。
    さらに、統一問題や対北朝鮮政策をめぐる韓国社会の葛藤を解消し、国民的コンセンサスを形成してまいります。

    歴代政権が推進してきた南北合意は、政権が変わっても、必ず尊重されるべき重要な資産です。
    現政権は、歴代政権の合意を南北が共に立ち戻らなければならない原則として捉えています。また、当面の南北問題と韓半島問題の解決方法を、これまでの合意から見出していく考えです。

    2017年6月15日 南北首脳会談17周年記念式典での祝辞
  • 3) 韓半島における新経済共同体の実現

    南北が共存共栄できる一つの市場を形成し、新たな経済成長エンジンを創出し、共に繁栄する南北経済共同体を構築します。
    3大経済ベルトの構築により、韓国経済の領域を大陸を超えて世界へ、さらに、未来へと飛躍する韓半島の新経済地図を描いていきます。
    韓半島を超え、中国やロシアをはじめとする北東アジア諸国との様々な経済分野における協力事業により、韓半島と北東アジアにおいて、平和と繁栄の新たな経済秩序を作り上げてまいります。

    私は数回にわたって 「韓半島新経済地図」 と 「新北方経済ビジョン」 について触れてきました。北東アジア経済共同体の土台を固め、多国間で安全保障協力を実現してはじめて、北東アジアに真の平和と繁栄が訪れると信じています。

    2017年9月22日 第7回国連総会での基調演説
    • 環東海
      経済ベルト

      元山· 咸興、端川、羅先、ロシアをつなぐエネルギー · 資源ベルト

    • 環西海圏

      首都圏、開城· 海州、平壌 · 南浦、 新義州、中国をつなぐ交通 · 物流 · 産業ベルト

    • 国境地域

      DMZ生態平和安保観光地区、統一経済特区をつなぐ環境 · 観光 ベルト

    3大経済ベルト

4大
戦略

  • 1) 段階的 · 包括的アプローチ

    北朝鮮の核問題に対し、制裁 · 圧力と対話を並行し、段階的にアプローチし、平和的に解決していきます。
    対話の環境が整えば、関係国と緊密に連携し、まずは核を凍結し、段階的に北朝鮮の完全な核廃棄を進めてまいります。
    南北間の政治 · 軍事的信頼の構築、韓半島での平和体制の確立、北朝鮮と国際社会との関係改善などについて共に協議し、安全保障上の脅威を根本的に解消してまいります。

    より根本的な解決策は、北朝鮮の核問題を根本的に解決することです。北朝鮮の核問題は、以前にも増して高度化し、難しくなりました。段階的かつ包括的なアプローチが必要です。
    韓国政府は、国際社会と共に北朝鮮の核の完全な廃棄と平和体制の構築、北朝鮮の安全保障 · 経済的懸念の解消、米朝関係および日朝関係の 改善など、韓半島と北東アジアの懸案の包括的な解決を図って いきます。

    2017年7月6日 ドイツ・ケルバー財団招請演説
  • 2) 南北関係改善と北朝鮮の核問題解決の並行推進

    北朝鮮の核問題の解決と南北関係の改善は、優先順位や二者択一の問題ではなく、相互補完による好循環の中で推進しなければなりません。
    南北間で対話と交流を積み重ね、基本的な信頼関係を構築してこそ、北朝鮮の核問題の解決に向けた多国間対話でも、韓国の主導で米国や中国などの周辺国の協力を引き出すことができます。

    北朝鮮がミサイル発射実験の凍結や核実験の中止を掲げていた時期は、例外なく、南北関係が良好だったことを忘れてはなりません。そうした時期に、米朝、日朝間の対話も進展を見せ、北東アジアの多国間外交も活発に展開されていました。私がことあるごとに、韓半島問題の当事者は韓国であると強調している理由も、 まさにここにあります。

    2017年8月15日 第72周年光復節祝辞
  • 3) 制度化による持続可能性の確保

    国民的合意に基づく「統一国民協約」を推進し、持続可能で一貫性のある対北朝鮮政策の推進に向けた環境を整えていきます。
    南北間の合意を法制化し、「南北基本協定」 を締結することで、政権が変わっても約束が守られる南北関係を確立します。
    当事国が参加する「韓半島平和協定」を締結し、南北間の敵対関係を平和と協力の関係に転換し、恒久的かつ持続可能な平和を実現してまいります。

    国内では南北合意の法制化を推進します。すべての南北合意は、政権が変わっても継承されるべき韓半島の基本資産であることを明確にします。韓半島に恒久的な平和構造を定着させるためには、終戦と同時に関係国が参加する韓半島平和協定を締結する必要があります。

    2017年7月6日 ドイツ・ケルバー財団招請演説
  • 4) 互恵的協力による平和的統一基盤の構築

    経済分野をはじめ、南北住民の利益となる多様な交流 · 協力を拡大することで、南北共同体を築き上げます。
    分断で苦しんでいる離散家族の問題は、いかなる政治的考慮よりも優先し、解決を図ってまいります。
    また、民間 · 地方自治体の交流など、多方面での交流·協力を拡大·加速することで、南北関係を修復し、民族の同質性を回復してまいります。
    南北のすべての構成員が合意する平和的 · 民主的方式の統一を目指します。

    政治以外の分野における交流 · 協力事業は、政治 · 軍事的状況と切り離し、一貫して進めていきます。南北の交流 · 協力事業は、韓半島のすべての構成員の痛みを癒し、和解を成し遂げる過程であり、内部から平和を築き上げていくプロセスです。

    2017年7月6日 ドイツ・ケルバー財団招請演説

5大原則

  • 1) 韓国主導

    韓半島問題の当事者として、南北の和解協力と韓半島での平和 · 繁栄に向けた取り組みを主導します。
    開放と協力に基づく「開かれた姿勢」で、国際社会と共に平和と繁栄の新しい秩序をつくります。

    分断は、冷戦の中で私たちの力で、私たちの運命を決めることができなかった植民地時代が残した負の遺産です。しかし、今や私たちは、自力で私たちの運命を決めることができるほど、国力が強化しました。韓半島の平和も、分断の克服も、私たちの力で実現しなければなりません。

    2017年8月15日 第72周年光復節祝辞
  • 2) 強固な安全保障

    揺るぎない米韓同盟と防衛力をもとに、強固な安全保障体制を維持していくことで、北朝鮮の挑発を抑止し、韓半島に平和を定着させます。

    「平和の維持」 を超え、北朝鮮の核問題の平和的解決と恒久的な平和定着など「平和の構築」に取り組んでいきます。

  • 3) 相互尊重

    相互尊重の精神に基づき、南北間におけるこれまでの合意を継承 · 発展させ、互恵的な交流 · 協力を拡大することで、共に繁栄する南北共同体を実現していきます。

  • 4) 国民との意思疎通

    政府が一方的に政策を推進するのではなく、国民の参加を促し、双方向の意思疎通を図りながら、共に政策を練り、完成していきます。

    国会、自治体、市民団体、専門家など多様な主体の参加を促し、意思疎通の制度化を通じて、統一に関する国民のコンセンサスと社会的合意を形成していきます。

  • 5) 国際協力

    北朝鮮の核問題の解決と韓半島の平和定着に取り組むなかで、国際社会と緊密に協力していきます。

    「韓半島新経済地図」 により、周辺国との繁栄を目指し、韓半島平和統一に対する国際社会からの支持を得られるよう、取り組んでまいります。