南北離散家族再会行事が終わり、韓国に戻るバスに乗って、北朝鮮の娘と別れの挨拶をしながら涙を流す韓国のハン・シンジャ氏(左)=22日、北朝鮮・金剛山
[イ・ギョンミ]
[写真=聨合ニュース]
韓国戦争で生き別れになった息子に会ったら「あなたも酒が好きか」と聞きたかったという91歳のイ・ギスン氏。彼は韓国から持っていった焼酎を手にして最後の面会が行われる会場に入場した。北朝鮮に住む息子リ・ガンソン氏と飲む最初で最後のお酒だった。75歳の老人になった息子を見つめ、目頭が熱くなってきたイ・ギスン氏は「(この子が)2歳の時に別れたんだ、2歳の時に…」と咽びながら言葉を失った。
南北離散家族再会行事に参加した韓国側の離散家族89人とその家族ら計197人は、22日午前10時から金剛山(クムガンサン)ホテルで行われた最後の行事で涙を流した。高齢者の離散家族らは、今回の再会が最後かもしれないとのことに胸を痛めた。
南北離散家族再会行事の最後の日、北朝鮮の妹と一緒に涙を流すキム・ビョンオ(韓国)氏(左)=22日、北朝鮮・金剛山
北朝鮮の妹に再会した88歳のキム・ビョンオ氏は、ずっと暗い表情で何も言わなかった。息子のキム・ジョンソク氏は「一生で最後の機会だから、どうやら複雑な気持ちのようだ」と言った。涙が止まらないお兄さんを見て、落ち着こうとしていた妹も唇が震え、兄妹はお互いを見つめながらずっと泣いていた。
北朝鮮の姉と妹の手をつかんで子どもの頃の思い出を話し合った87歳のペ・スニ氏は、「3日との時間がとても早く過ぎてしまった」とさびしい思いを伝えた。また、「100歳まで生きる時代だから長生きしよう」とし、「また会おう」と話した。
93歳のハム・ソンチャン氏は、北朝鮮の弟のコップにビールを注ぎ、一緒に乾杯した。ハム氏の娘がこの様子をデジタルカメラで撮影すると、兄弟はまたポーズをとった。
いつまた会えるか約束できないため、写真撮影をする家族が多かった。92歳のキム・ダルイン氏は北朝鮮の妹と家族写真を取った。68年ぶりに再会した兄妹は、しわが深く刻まれた両手を合わせてカメラを見つめた。
75歳のキム・ヘジャ氏は、北朝鮮の弟が写っているポラロイド写真を見て、ずっと口付けをした。また、住所と連絡先の書かれたメモも渡した。
20日午後3時の団体面会を皮切りに、22日の最後の面会まで6回の面会・計12時間。韓国の離散家族らがバスで帰途に就き、夢のような3日間の再会が終わった。21日にはホテルの客室で家族のみで昼食を取った。家族だけの食事の時間が設けられたのは初めてだった。また、最後の面会もそもそも2時間と予定されていたが、韓国の提案を北朝鮮が受け入れ、3時間に増えた。
24日から26日までは、2泊3日の日程で北朝鮮側の離散家族らが金剛山で韓国の家族と再会する
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