韓国文化院


 
 
 
ダンスアーカイヴプロジェクト2017 (DAP2017)
プロジェクト大山 アンビギュアス・ダンスカンパニー 日韓共同制作
戦場のモダンダンス 「麦と兵隊」より
 
日本モダンダンスのパイオニア、江口隆哉と宮操子は1938年10月、帝国劇場で「麦と兵隊」を発表します。時は日中戦争の只中。翌年、舞踊団は従軍慰問の旅に出ます。「麦と兵隊」も一部が上演されました。慰問団は男性3人に女性7人。兵隊達は食い入るように舞台を見たに違いありません。戦地の観衆の姿は、数少ない写真資料から伺うことが出来ます。1942年まで4回に及ぶ慰問の旅。日本モダンダンス史上、おそらく最大数の観客を獲得した作品は、戦後再演されることはありませんでした。それはどのように作られ、見られた作品だったのか。「麦と兵隊」は謎に包まれたまま、前線の兵士達の巨大な影の中に消えていこうとしています。すでに再現不可能であることは自明。しかし歴史の沈黙であってはならないこのダンス作品の、微かな声に耳を傾けてみましょう。
 
日時 2017年2月17日(金)~19日(日)
会場 横浜赤レンガ倉庫1号館2Fスペース 
料金 一般 3,000円/学生 2,500円/TPAM参加特典 2,500円 
主催 大野一雄舞踏研究所 
共催 NPO法人ダンスアーカイヴ構想
 
 
プログラム詳細
 
「麦と兵隊」について
火野葦平が日中戦争における自らの従軍記録に基づき、1938年8月雑誌「改造」に発表した小説。翌9月に出版され、大ベストセラーになった。同名の歌謡曲「麦と兵隊」も大ヒットした。ダンス作品「麦と兵隊」は同年10月に帝国劇場で初演。江口隆哉構成演出。ドイツ表現主義映画の傑作フリッツ・ラング監督「M」と松竹映画「第一線の人々」上映のアトラクションだったとされる。当時帝劇は松竹経営の洋画封切館だった。戦地慰問では、作品の一部が上演されたと思われる。
 
<上演作品>
プロジェクト大山 アンビギュアス・ダンスカンパニー 日韓共同制作
 戦場のモダンダンス 「麦と兵隊」より
2月17日(金) 18:00
2月18日(土) 14:30 20:00
2月19日(日) 14:30
 
振付 古家優里 キム・ボラム
出演 プロジェクト大山 古家優里 松岡綾葉 長谷川風立子
         アンビギュアス・ダンスカンパニー: キム・ボラム チャン・クンミン ナム・ヒュンウ
※上演時間約60分
 
プロジェクト大山
2006年古家優里を中心にお茶の水女子大学舞踊教育学コースを卒業したメンバーにより結成。2009年横浜ダンスコレクションR にて「審査員賞」受賞。2010年トヨタコレオグラフィアワードにて「次代を担う振付家賞」を受賞。近作に「それでもおどって」(2016)、「ファンタジー」(2013) 等。
 
アンビギュアス・ダンスカンパニー
既成の舞踊概念を音楽と動きで解体し、逸脱することを試みるカンパニー。自然の大切さについての物語を語り、言語ではなく、身体で音楽と動きそのものを表現することを信念としている。キム・ボラムは横浜ダンスコレクションEX2014「Touch Point Art Foundation賞」・「奨励賞」を受賞。
 
<関連プログラム>
■レクチャー
坂口勝彦 「江口・宮前線舞踊慰問の軌跡」
2月18日 (土) 19:00〜19:45
入場無料
 
■展示
江口・宮従軍慰問団の記録写真約40点を展示
協力:堀切敍子と舞木の会
2月17日(金) 17:00〜21:00
2月18日(土) 13:00〜21:00
2月19日(日) 13:00〜18:00
入場無料
※公演会場内での展示のため、公演中の観覧はできません。