経済

2025.12.05

写真は、ハンファ・オーシャンの次世代砕氷研究船の鳥瞰図=ハンファオーシャン

写真は、ハンファ・オーシャンの次世代砕氷研究船の鳥瞰図=ハンファ・オーシャン


[ソウル= シャルル・オデゥアン]

地球温暖化の影響で海氷が減少し、北極航路の利用が可能になりつつある。北東アジアから北欧へ向かう貨物船は、スエズ運河経由の航路と比べ、航行距離が約32%短縮され、所要時間も40%以上短くなる見通しだ。これにより、物流コストの削減や輸送効率の向上、さらには国際海運市場の再編といった新たな可能性が広がる。

韓国政府は、北極航路の開拓を主要な国政課題に位置付け、経済の新たな成長動力として活用する方針を示した。

北極航路は、北極海を横断してアジア・ヨーロッパ・北米を結ぶ最短の海上ルートだ。この地域で運航可能な日数が増え、実際に2010年以降、大型商業貨物船による北極航路の航行事例も着実に増加している。

韓国は北極航路を活用することで、欧州や極東、東南アジアを結ぶ物流ハブとしての大きな潜在力を有している。世界で4位の規模を誇り、280の港と結ばれている釜山港が中間寄港地として機能できるためだ。これは、シンガポールがマラッカ海峡を活用し、世界物流の中心地としての役割を果たしてきた状況に似ている。

韓国政府はこの構想を実現するため、砕氷船の建造支援や極地航海士の養成、港湾インフラの整備など、多方面からの支援策を用意した。今年末までに海洋水産部を釜山に移転し、釜山・麗水(ヨス)・光陽(クァンヤン)・蔚山(ウルサン)を一体化した「海洋首都圏」として人材育成を進める戦略を進行中だ。さらに、東南圏投資公社の設立や海事裁判所の新設も構想に盛り込まれている。

海洋水産部のチョン・ジェス長官は先月21日、ソウルで開かれた外信記者懇談会で、「北極航路時代に備え、民間と政府が予算や政策を体系的に整備している」と述べ、「釜山など東南圏の地政学的優位性や港湾、造船、産業インフラを活用し、多角的な支援策に取り組む」と明らかにした。

北極航路の現況を示す地図。釜山からロッテルダムまでの航海距離は、スエズ運河経由で約2万km、所要期間は約40日かかる。北極航路を利用すると、距離は約1万3000kmに、所要期間は30日にそれぞれ短縮される=Arctic Portal

北極航路の現況を示す地図。釜山からロッテルダムまでの航海距離は、スエズ運河経由で約2万km、所要期間は約40日かかる。北極航路を利用すると、距離は約1万3000kmに、所要期間は30日にそれぞれ短縮される=Arctic Portal  


造船業と海運業で高い競争力を持つ韓国は、北極航路の開拓で大きな恩恵を受ける可能性があると見られている。

サムジョンKPMG経済研究院は最近の報告書で、「韓国は北極航路競争において強力な優位性を持つ」と指摘した。報告書はさらに、「砕氷船の建造能力や維持・整備・保守(MRO)体制の近接性を考えると、北極航路を運航する国にとって最適なパートナーになり得る」と分析している。

北極経済理事会(AEC)のマーク・クビスト・フレデリクセン事務局長は、「北極航路が活性化すれば、LNG砕氷船の需要が急増し、環境に配慮した船舶の建造注文も増える。その分野で最も優れた対応ができる国は韓国だ」と指摘した。

北極航路を巡る競争はすでに激化している。米国は砕氷船15隻の購入計画を発表し、中国は昨年、第35回航路の運航記録を打ち立てた。ロシアも関連産業に39兆ウォンを投じる方針だ。

チョン・ジェス長官は、「来年下半期に予定されている試験運航に向け、北極沿岸国やロシア、米国、日本、中国などと積極的に協力していく」と述べた。

海洋水産部は先月26日、デンマークと北極航路の運営に関する協力や海運・物流の供給網安定化、グリーン・デジタル海運協力に関する覚書(MOU)を締結した。両国は北極航路の商業的活用の可能性と課題を議論し、外交・安全保障・環境・商業面における先決課題を共同で解決していく方針だ。

caudouin@korea.kr