トリックアイ美術館を訪れた観覧客たちが写真を撮って楽しんでいる(写真:チョン・ハン記者)
友人と一緒に同美術館を訪れた香港人観光客のレインボーさん(右)が、魚の怪物の絵の前でユニークなポーズをとっている(写真:チョン・ハン記者)
ソウルのホンデ(弘駅大学)通りに立地するトリックアイ美術館(Trickeye Museum)のすべての絵画は、その中に人が入って初めて作品として完成する。「トリックアイ」とは、錯視現象を利用して平面のものを3次元の立体に見せる美術技法「トロンプ・ルイユ(trompe-l’œil)」の英語「Trick of the eye」の略語だ。同美術館には、従来の博物館や美術館とは違い、「写真撮影禁止」や「作品に手を触れないでください」といった案内文句がない。観覧客は見て、感じて、作品の一部になることができる。壁や床に展示された絵画は、観覧客と一体となることで、3D効果が最大限に発揮された立体美術作品となる。
トリックアイ美術館には、韓国人の観覧客もたくさん訪れる。友人と一緒に同美術館を訪れた高校生のイ・ヨンジュさん(右)が、展示品の鑑賞を楽しんでいる(写真:チョン・ハン記者)
デートコースに同美術館を選んだチョン・チャンミンさんが、宙に浮く絵を背景にポーズをとっている(写真:チョン・ハン記者)
トリックアイ美術館の展示物を鑑賞する観覧客たち(写真:チョン・ハン記者)
同美術館には常設館やテーマ館など7つの展示館がある。世界的によく知られる名画の他にも、同美術館が独自に企画・制作した作品も展示されている。3カ月周期で新しい作品を紹介するテーマ館では現在、中国とゴッホをテーマにした作品が展示されている。竹の上で遊ぶパンダの絵や中国人俳優のジェット・リーの武術映画のワンシーンを髣髴させるような絵、ゴッホの「星降る夜」「夜のカフェテラス」などが主な作品だ。常設館は、名画やファンタジー、アドベンチャー、トラベル、サファリ、ロマンチックといったテーマで見どころ満載の美しい作品が展示されている。ここでは、今にも飛び出してきそうな魚の怪物の絵の前でポーズをとりながら写真を撮る観覧客が目につく。また、天使の羽の絵は、青い空を背景に天使の羽が生えたような写真を撮ることができ、写真を撮ろうという人で長蛇の列ができることもある。
同美術館のもう一つの見どころは、アイス・ミュージアムだ。マイナス4度の温度が維持された室内は、テレビや馬車、冷蔵庫、滑り台、イグルーなどすべてが氷でつくられている。観覧客はこれらの施設を通じて氷体験を堪能することができる。
3日に同美術館を訪れた中国人観光客のセシリア・リャン(Cecilia Liang)さんは、中国のネットユーザーを対象に韓国を紹介する「“韓流網”を通じてこの美術館を知った」という。「思い描いていた通りの新鮮で異色の体験ができてとても楽しい」。友人と一緒に同美術館を訪れた米国人観光客のサム(Sam)さんも、「インターネットを通じてここを知った。新鮮で楽しい体験ができた」と感想を話した。
トリックアイ美術館は昨年7月にアイス・ミュージアムをオープンさせ、観覧客から好評を得ている(写真:チョン・ハン記者)
友人と一緒に同美術館を訪れた中国人観光客のリャンさん(左)が、イグルー体験をしている(写真:チョン・ハン記者)
トリックアイ美術館は、2010年のオープン以来、韓国を訪れた外国人観光客の口コミやSNSチャンネルなどを通じて知られるようになった。この3カ月間で12万3千人の外国人観光客が同美術館を訪れている。タイ人が3万5千人と最も多く、香港や中国、台湾といった中華圏の訪問客の割合も高かった。また、インドネシアなど東南アジア諸国からの観光客も多い。
トリックアイ美術館は、世界最大の旅行専門コミュニティ「トリップ・アドバイザー」がソウルの180の博物館・美術館を対象に選定した最も人気のある韓国の美術館で第1位に選ばれた。第2位は国立中央博物館、第3位はサムスンリウム美術館だった。入場料は大人1万5千ウォン、18歳以下の児童・生徒は1万2千ウォン。会場時間は午前9時~午後9時で、年中無休だ。同美術館は、ソウルの他に釜山市と済州島にもある。詳細は同美術館のホームページをご覧ください。(http://trickeye.co.kr)
コリアネット ユン・ソジョン記者
arete@korea.kr
友人と一緒に同美術館を訪れたサムさん(前)が、アイス・ミュージアムで氷の滑り台を楽しんでいる(写真:チョン・ハン記者)
**クイズ:
ソウル麻浦区にあり、従来の博物館や美術館とは違い、展示作品に触れて感じて体験できる美術館の名前は何でしょう。答を電子メールarete@korea.krでお送りください。正解者の中から先着4名の方に同美術館の入場券を2枚差し上げます。