文化

2014.07.29

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勇壮な奇岩怪石と鬱蒼に茂った大木の横を船頭がゆうゆうと舟を漕いでいく。山水画に描かれた限りなくひっそりとして静かな風景は、夏の暑さを忘れさせてくれる。こうした山水画に表現された理想郷は、古今東西を問わず、長きにわたって愛されてきたテーマだった。「山水」は、東アジアで理想の高い精神世界を象徴し、徳を積み、平和と豊かさを享受する場所とされてきた。

韓中日の山水画の中に理想郷を見出す特別展が、29日にソウルの国立中央博物館で幕を開けた。この展示「山水画 理想郷を目指して」では、韓国の国立中央博物館や米国のメトロポリタン博物館、中国の上海博物館、日本の京都国立博物館などの主要作品109点が展示される、特に、8.5メートルに及ぶイ・インムン(李寅文、1745~1821)の「江山無尽図」とキム・ホンド(金弘道、1745~?)の「三公不換図」では、朝鮮(1392~1910)の文人らが目指した理想郷が美しい山水で表現されているのを見ることができる。

비단에 엷은 색을 입힌 김홍도의 '삼공불환도'(1801) (사진: 국립중앙박물관)

絹に淡い色を着せた金弘道の「三公不換図」(1801)(写真提供:国立中央博物館)



이인문의 '강산무진도'를 지켜보는 관객들. (사진: 전한)

李寅文の「江山無尽図」を鑑賞する観覧客たち(写真:チョン・ハン記者)



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이인문의 '강산무진도'(18세기). 8.5m 전체를 다 보기엔 너무 길어서 편의상 4등분 함. (사진: 국립중앙박물관)

李寅文の「江山無尽図」(18世紀)。8.5メートル全体を展示するには長すぎるため、4つに分けられている(写真提供:国立中央博物館)



作品全体のうち42点は中国と日本の山水画だ。上海博物館が所蔵する文徴明(1470~1559)や董其昌(1555~1636)ら中国を代表する山水画家の作品が含まれており、特に詩人の陶淵明(365~427)が帰去来辞を描いた「帰去来図」は、メトロポリタン博物館の中国絵画の中で最も目を引く作品だ。「蓬莱仙境図」と「武陵桃源図」は、富岡鉄斎(1836~1924)の大作だ。

今回の展示は、画家らが多く描いていた「瀟湘八景」や「武夷九曲」「桃源」などのテーマごとに区分されている。1部は、中国で理想とされた代表的な絶景「瀟湘八景」がテーマだ。「瀟湘八景」とは、中国湖南省の洞庭湖一帯の8つの景観のことで、ここから派生した「八景」は後にいくつかの名勝地を合わせて描く文化へと発展した。

조선시대 화가 강세황(1713~1791)의 '무이구곡도'(1753) (사진: 전한)

朝鮮時代の画家、姜世晃(1713~1791)の「武夷九曲図」(1753)(写真:チョン・ハン記者)



2部では「賢者が戯れた9つの渓谷、武夷九曲」をテーマにした絵画が展示される。「武夷九曲図」は、性理学を集大成した朱子が過ごした中国の武夷山の九曲溪の自然景観を描いた山水画で、このテーマは性理学が伝えられた朝鮮で流行した。3部「太平の御代を抱く山水」では、18世紀の朝鮮の有識者らが目指した社会像を描いた山水画に出会える。李寅文の「江山無尽図」は、民は任されたことを誠実に全うし、君主は民に恩恵を与えて国を治める理想的な世界を描いている。儒教が説いた国の姿だ。

원~명대 14~15세기에 그려진 '귀거래도', 작자미상, 메트로폴리탄 박물관 소장 (사진: 국립중앙박물관)

元~明の時代である14~15世紀に描かれた「帰去来図」。作者未詳、メトロポリタン博物館所蔵(写真提供:国立中央博物館)


문징명의 '소상팔경도'의 일부, 중국 명 16세기, 상해박물관 소장 (사진: 국립중앙박물관)

文徴明の「瀟湘八景図」の一部。16世紀の明、上海博物館所蔵(写真提供:国立中央博物館)


도미오카 뎃사이의 '무릉도원도'(1904), 일본 교토국립박물관 (사진: 국립중앙박물관)

富岡鉄斎の「武陵桃源図」(1904)。京都国立博物館(写真提供:国立中央博物館)


4部のテーマは「自然の中の心のオアシス」で、世俗を離れて自然に帰ろうとしたソンビ(学者)らの暮らしを描いた作品で構成されている。その暮らしを実践した代表的な人物が、帰郷と田園生活の喜びを歌った陶淵明だ。陶淵明をテーマとした「帰去来図」は馴染みの深い作品だ。金弘道は「三公不換図」で、自然とともなる暮らしは丞相の地位にも代えがたいというタイトルの通り、美しい風景を8幅の屏風に描いた。5部の「夢に見た楽園」は、道家が追い求めた楽園がテーマだ。陶淵明の「桃花源記」に登場する武陵桃源は、彼らが追い求めた素朴な暮らしが表現されている。

'소상팔경도,' 작가미상, 16세기 (사진: 전한)

「瀟湘八景図」。作者未詳、16世紀(写真:チョン・ハン記者)



国立中央博物館のキム・ヨンナ館長は、「今回展示されるのは、韓国内外の博物館が所蔵する代表的な作品の中から厳選した山水画だ。東アジアの絵画の大きな流れの中で形成された理想的な暮らしと社会の姿を通して、現代の理想郷について考えてほしい」と話している。

展示「山水画 理想郷を目指して」は9月28日まで行われる。入場は無料。8月20日と9月3日の午後2時には展示に関する講演が予定されている。詳細は、(02) 2077-9000またはホームページ(http://www.museum.go.kr/site/main/index002)までお問い合わせください。

백남순(1904~1994)의 '낙원'(1937) (사진: 전한)

ペク・ナムジュン(白南準、1904~1994)の「楽園」(1937)(写真:チョン・ハン記者)


コリアネット イム・ジェオン記者
jun2@korea.kr