しこしこした食感が特徴的なインジョルミは、もち米粉の生地にきな粉をまぶして作る餅のこと。
インジョルミは伝統結婚式の儀式用お膳にも上がり、挙式後に新郎の実家にも送る。これにはインジョルミの粘りのように新郎新婦が仲良く暮らしてほしいという意味が込められている。
インジョルミは国王の口を魅了した餅でもある。朝鮮の第16代王の仁祖(インジョ)時代、「李适(イ・グァル)の乱」により漢陽(ハニャン、今のソウル)が反乱軍に占領されたため、国王は公州(コンジュ)に非難した。そこでお腹を減らした国王に、ある臣下が民家から献上されたきな粉をまぶした餅を出した。それを口にした仁祖は、しこしこして柔らかい餅をほとんど平らげた。国王が餅の名前を聞くと臣下は「名前はわからないが、『任(イム)』の苗字を持つ者が作った」と答えた。そこで仁祖は「任氏が切って作った餅だから任絶味(イムジョルミ)と呼べ」と指示した。この名前が徐々に変化し、今日の「インジョルミ」となった。

もち米粉の生地にきな粉をまぶして作るインジョルミは、しこしこした食感が特徴的だ
最近は伝統的祝日に行われるイベントや歳時風俗(季節の風習)のイベントで、屋外でもち米の白い生地で餅つきをする風景が見られる。インジョルミは臼についたものより広い板に乗せて杵で打った方がしこしこして味が良い。

南山コル韓屋村で餅つき体験をする観光客
** 材料と分量
もち米粉 300g(3カップ)、
塩 3g(小さじ¾)、
水 30~45g(大さじ2~3)
黄色のきな粉 20g
緑のきな粉 20g
蒸し水 2kg(10カップ)
** 材料の下準備
1. もち米粉に塩を入れ、ふるいにかけてから水を入れてよく混ぜる。
** 作り方
1. 蒸し器に水を入れて強火に9分ほどかける。沸騰したら蒸し器に塗れた綿布を敷いて、もち米粉をよく伸ばしてから15分ほど蒸す。
2. 蒸した餅を杵で3分ほど打つ。
3. 打った餅を分けて半分は黄色のきな粉をつけて、残りの半分は緑のきな粉をつけ厚さ2㎝程度の平らで長い四角い形に整える。その後横3㎝・縦4㎝程度の大きさで切って、もう一度それぞれのきな粉をむらなくつける。
コリアネット ユン・ソジョン記者
資料:美しい韓国料理100選
写真: 南山コル韓屋村、韓国伝統飲食研究所
翻訳:イム・ユジン
arete@korea.kr

練りこんだ餅を杵で3分ほど打つ。ふやかしたもち米を蒸しあげてから打つこともある

生地を半分ずつ分けてそれぞれ違う色のきな粉をまぶす。黄色いきな粉の代わりに黒胡麻の粉、赤い小豆の粉を使っても良い

生地にきな粉をつけて横3㎝・縦4㎝程度の大きさで切って、もう一度それぞれのきな粉をむらなくまぶす