海底に沈んていた14世紀の東アジアの遺物を鑑賞できる特別展が開幕した。
国立中央博物館で26日から9月4日まで開催される特別展『新安沖海底沈没船から発見された遺物』では、全羅南道(チョンラナムド)新安郡(シナンぐん)の沖合で650年前に沈没した船から発掘された2万2百点余りに上るすべての遺物に出会える。
国立中央博物館で開催されている特別展『新安沖海底沈没船から発見された遺物』では、新安郡の沖合で沈没した14世紀の貿易船から発掘された2万2百点余りの遺物を鑑賞できる
この船は本来、1323年に莫大な量の貿易品を積んで中国・元(1271~1368)の慶元(現在の浙江省寧波)港を出発し博多へ向かっていた貿易船だった。全長34m・幅11m・高さ3.7m、重量およそ200t級の帆船と推定されている。この貿易船が世間の注目を集めたきっかけは、1975年8月にある漁師が網に引っ掛かった青磁花瓶をはじめ、陶磁器6点を小学校の教師だった弟を通して新安郡庁に知らせたことだった。この陶磁器が元の頃に使われた「龍泉窯」という窯で焼かれたものと確認されると、翌年の1976年から1984年まで9年間にわたり発掘作業が行われた。この作業により計2万4千点余りの陶磁器や硬貨28tが世に公開された。新安海底の沈没船の発掘は韓国の水中考古学の嚆矢となった。
同展示は全3部で構成されている。第1部「新安海底船の文化記号」では、中国・北宋時代の古代青銅器文化を好んだ文化が反映された遺物が展示されている。青銅器の食器や祭器をモチーフにした花瓶や茶飲み茶碗などからは、茶を飲み、香をたき、花を生けていた当時の中国と日本の貴族文化を垣間見ることができる。
元の時代に製作された青磁魚龍飾花甁と香道具の黒釉碗。中国と日本の貴族らは茶を飲み、香をたき、生け花を楽しんだ。このような上流階級の好みが反映された関連物品は14世紀東アジアの主な貿易品だった
第2部「14世紀最大の貿易船」と第3部「宝物の倉庫が開かれる」では、当時、船に乗っていた人々の生活を覗き見ることができる生活用品や陶磁器、シタン(紫檀、仏像や家具の製作に使われた木材)、硬貨、漆器、ガラス製品など、船に積まれていた様々な貨物を見ることができる。とくに注目に値するのは、船が出港した年度、貨物主、貿易物資の種類や数量などを記録し、ラベル代わりに使われた木簡。木簡を見ると、この船は1323年に40日程かけて荷を積み、旧暦の6月初めの中国の寧波から博多を目指して出航した貿易船だったことがわかる。
船に積まれていた貨物に付けられていた木簡。荷積みにかかった日付や出航日、目的地などが詳しく書かれている
陶磁器はこの船の主な貿易品だった。船には中国の江苏省、広東省、河北省などで生産された陶磁器だけでなく、高麗青磁7点も積まれていた
船に積まれていた発掘品には、鶴の文様の枕や獅子形の硯滴など高麗青磁7点も含まれていた。その他にも、アラビア数字が書かれたシタン、ガラスで作られたかんざしと玉をはじめ、当時、船に日本や中国など異なる国籍の人々が乗っていたことを物語る将棋盤、日本式の下駄、筆、宗教用品、香辛料なども数多く発見された。これらから当時の東アジアの貿易範囲を計り知ることができる。
観覧客が発掘品を観覧している
国立中央博物館のイ・ヨンフン館長は25日の開幕式で「今回の展示は新安海底船発掘40周年を記念し、新安海底船の規模を実感できるよう展示可能な2万2百点余りをすべて披露するという、これまでの特別展のなかでも史上最大規模を誇る。同展示が東アジアの文化と経済の交流史における研究に貢献することを期待している」と語った。
コリアネット ユン・ソジョン記者
写真:コリアネット チョン・ハン記者、国立中央博物館
翻訳:イ・ジンヒョン
arete@korea.kr
顔と手に釉薬を塗らないことで肌の色を表現したのが特徴とされる青磁。同展示の遺物にのみ見られる珍しい発掘品(元、13世紀後半~14世紀前半)
ピンク色の木の葉模様の上に詩が書かれた皿。唐の頃に女官が作った詩の一部が書かれている
新安海底船から発見された高麗青磁の1つ、鶴文様の枕
特別展『新安沖海底沈没船から発見された遺物』は新安海底船の発掘40周年を記念し、現時点で展示が可能な遺物2万2百点余りを展示。国立中央博物館の特別展史上、最大の規模を誇る
イ・ヨンフン国立中央博物館長が特別展『新安沖海底沈没船から発見された遺物』の開幕式で展示の規模と意義を強調している
特別展 『新安沖海底沈没船から発見された遺物』のポスター