文化

2021.04.15



[慶州=ユン・ヒヨン、チョン・ハスン、イ・ギョンミ]
[映像=慶州文化財団 公式ユーチューブチャンネル]]

下衣とチョゴリ(上衣)の上に着る長い服。チョゴリの上、胸元まで来るチマ(スカート)と、その上に巻いて結ぶ帯。よく知られている韓服とは少し違うこの服は、新羅時代の衣装である。馴染みの薄い服であるが、とても魅力的な新羅時代の衣装を体験できる機会がある。

18日まで慶尚北道の慶州市で開かれている「2021春 韓服文化週間 in 慶州」イベント。文化体育観光部が主催するこのイベントは、慶州以外にも、慶尚南道晋州市、慶尚北道の尚州市、ソウル市鍾路区、全羅南道谷城郡、全羅北道の南原市と全州市で開かれている。その中で、特に慶州市では一般の韓服とは違う、新羅時代の伝統衣装を中心にイベントが行われている。

韓服でよく見られる短いチョゴリと長い結び紐は、朝鮮時代に定着した。新羅時代の衣装は、チョゴリとチマ、その上に着る上着からなっている。膝の下まで来る長い上衣に、結び紐の代わりに帯で服全体を締める。

慶州文化財団の関係者は、「一般の韓服とは違う、新羅時代の服装の魅力を発信したい」とし、「昔の新羅の衣装を現代的にアレンジしたものも披露するので、ぜひ楽しんでもらいたい」と説明した。

慶州は、新羅の都「徐羅伐(ソラボル)」だった場所。そのため、慶州でのイベントのテーマは「徐羅伐」にした。新羅時代の衣装を披露する展示会「徐羅伐、見る」、新羅時代の服を着用することができる「徐羅伐、着る」、オンラインで行われるファッションショー「徐羅伐、歩く」、写真や子供たちが描いた絵の公募展「徐羅伐、収める」が行われている。

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現代的にアレンジした新羅時代の衣装=チョン・ハスン撮影


慶州市にある慶州芸術の殿堂で開かれている「徐羅伐、見る」。会場に入ると、三国時代の壁画から考証を経て制作した服飾が見える。身分制度が確立していた新羅は、服飾にも身分の違いがよく表れている。王と王妃、王族、貴族、庶民、僧侶、軍人など、身分や職業による服の違いが一目で分かる。

会場の奥には、若手デザイナーが製作した作品が目を引く。色やパターンが華やかで、レースなどを使ったデザインもあり、現代的な感覚が目立つ。

新羅時代の衣装を着て散策ができる「徐羅伐、着る」で使われる衣装は、慶州の伝統市場で30年以上、韓服を作ってきた10カ所の店が製作した。

衣装製作に参加した店「金林」の姜敉子(カン・ミジャ)代表は、「法興王(新羅の第23第の王)時代に制定された公式の服装の色などを参考にして作った」とし、「天馬塚(新羅時代の古墳)などから見つかった新羅独特の模様を服に取り入れることで、新羅衣装の魅力を生かそうとした」と説明した。

韓服レンタル店「チェビダム」の崔聖惠(チェ・ソンヘ)代表は、「新羅時代の服飾は、華やかなアクセサリー、服地をたくさん使うのが特徴」とし、「衣装を着て、韓国の時代劇に出てくる人物をマネする外国人が多い」と語った。

体験会場の近くで会った市民の孫振河(ソン・ジンハ)さんは、「上衣が長いのが独特で、古風な衣装だと思う」話した。日本から来た金城永遠さんは、「韓国で着用体験できる他の韓服は、とても華やかな感じだが、新羅時代の衣装はもっと歴史的な感覚がする」と話した。

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新羅時代の王と王妃が着る服飾を着ているモデルたち=慶州文化財団


「徐羅伐、歩く」は、大陵苑や月精橋、東宮と月池など、慶州を代表する観光スポットを背景に、新羅時代の衣装を披露するファッションショー。慶州文化財団の公式ユーチューブチャンネル( https://www.youtube.com/watch?v=__PMncZUkZQ)で見ることができる。

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新羅時代の伝統衣装を着ている子供たち=慶州文化財団


hyyoon@korea.kr