文化

2023.09.07

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文化財庁が6日に公開した高麗時代の螺鈿漆器「螺鈿菊の蔓模様の箱」


[コ・ヒョンチョン]
[写真=国外所在文化財財団]

800年前、高麗時代に作られた螺鈿漆器が韓国に戻ってきた。

文化財庁は6日、国立古宮博物館で国外所在文化財財団を通じて日本から回収した高麗螺鈿漆器「螺鈿菊の蔓模様箱」をメディアに初公開した。

文化財庁は「今回、回収された『螺鈿菊の蔓模様の箱』は、日本で個人が所蔵する家の倉庫で100年以上保管されていたもの」とし「昨年7月、財団の日本現地ネットワークを通じて初めて確認された後、1年間にわたる調査と交渉を経て、今年7月に返還された」と明かした。

螺鈿漆器は、漆塗りした家具の表面にアワビや貝・サザエなど貝類の殻を整えて装飾した工芸品をいう。13世紀の作品と推定される「螺鈿菊蔓文箱」には、約4万5000個もの螺鈿が使われた。菊唐草文、牡丹唐草文などがぎっしりと規則的に刻まれた点, C字型の金属線で蔓の茎を表現した点、非常に小さく切り取った螺鈿に陰刻の線を引いて細部表現をした点などから優れた作品性がうかがえると文化財庁は説明している。

高度な精巧さが必要であり、複雑な過程を経て完成する螺鈿漆器は工芸技術の集約体と評価される。高麗の文物や風俗などを記録した資料である「高麗図経」には、「螺鈿の技術が細かく、非常に貴重だ」と記されており、高麗の歴史書である「高麗史」にも外国への贈り物品目に螺鈿漆器があったことから、当時周辺国で非常に人気が高かったことがうかがえる。

文化財庁は「文様が非常に優れており、螺鈿本来の色と光沢が生きていて、保存状態が非常に素晴らしい」とし「これまで全く知られていなかった遺物であるため、還収の意味が特に大きい」と評価した。

「螺鈿菊の蔓人参箱」の模様を拡大した様子

「螺鈿菊の蔓人参箱」の模様を拡大した様子


hjkoh@korea.kr