27日にネットフリックスで公開されるドキュメンタリー「BTS:ザ・リターン」。BTS(防弾少年団)の5枚目アルバム『ARIRANG』の制作過程に迫った=ネットフリックス
[ソウル=ソ・エヨン]
[写真・映像=ネットフリックス]
「BTS(防弾少年団)として12年間活動してこられたことは、この上ない幸せです。しかし、『BTS』という名の王冠は、耐えがたいほどに重く、時に怖さも感じます」。
27日、ネットフリックス(Netflix)でBTSの5枚目アルバム『ARIRANG』の制作過程に迫ったドキュメンタリー『BTS:ザ・リターン』が公開される。作中で、グループのリーダーであるRMは、このように胸の内を明かしている。
ドキュメンタリーは、昨年、メンバー全員がが兵役を終え、米ロサンゼルスで行われた「ソングライティング・キャンプ」から始まる。長い空白期間を経て、再び、全員がそろったものの、アルバム制作は思うように進まない。新たな章の幕開けには、常に「期待に応えなければならない」という凄絶なプレッシャーが付きまとうものだ。
本作では、『ARIRANG』の制作秘話も明かされる。モチーフとなったのは、1896年に米ワシントンで朝鮮人留学生7人が録音したという「アリラン」の貴重な音源だ。アルバムの冒頭を飾る「Body to Body」にこの伝統民謡をいかに組み込むか。韓国語と英語の歌詞の比率をどう調整すべきか。彼らの葛藤や苦悩が克明に映し出されている。
タイトル曲の「SWIM」は、メンバーの間でも薄味が特徴の「平壌(ピョンヤン)冷麺」に例えられるほど、その淡白な仕上がりに賛否が分かれた。レコーディング後の試聴会でも、意見は対立。世間の期待を裏切るのではないか、という懸念と、新たな試みに挑もうとするメンバーの意思が真っ向からぶつかり合った。しかし、最後には「変革の時は今しかない」という強い思いが、彼らの背中を突き動かした。
レコーディングと制作に追われる目まぐるしい日々。夜更けの宿舎で、共に酌み交わす一杯。結果として、彼らが「王冠の重み」に耐え抜くことができたのは、隣に並ぶ互いの存在があったからに他ならない。
ベトナム系アメリカ人のバオ・グエン監督は、ドキュメンタリーの中で、彼らの歩みを温かい眼差しで描いている。過剰な演出を排し、カメラを三脚を据えて、ありのままの日常を見守る手法を採用。また、メンバー自らが年季の入ったビデオカメラで撮影したホームビデオも織り交ぜることで、より親しみやすい印象を与えている。
20日、グエン監督は、ソウル・鍾路(チョンノ)区にあるシネキューブ光化門(クァンファムン)で記者会見を開いた。監督は、「私たちは、BTSという存在が持つ意味や、韓国人として、そしてグローバルアーティストとして彼らが背負う責任の大きさを時に見失っているのではないか」と語りかけた。「ドキュメンタリーの制作を通じ、彼らがその重圧を背負いながら、いかにして美しい作品を紡ぎ出していくのかを目の当たりにした。その過程は、まさに尊敬と感嘆の連続だった」と振り返る。
また、「この作品は、単なる創作の記録にとどまらない」と強調。「『BTS』として生きること自体が過酷な宿命だが、7人が一緒だからこそ、その重圧を共に乗り越えていけるということを描きたかった」と付け加えた。
一方、ビックヒットミュージックのキム・ヒョンジョン副社長(VP)は、アルバム制作の舞台裏をドキュメンタリーとして公開する意義について、「1時間にも満たない1枚のアルバムを完成させるために、その裏側では膨大なプロセスが積み重ねられ、チーム一丸となった努力があった」と強調した。さらに、「彼らが歩んできたこれまでの軌跡を、最新アルバムと共に世に送り出せることは、非常に意義深い」と話した。
『BTS:ザ・リターン』のスチルカット=ネットフリックス
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