2026年7月、第48回世界遺産委員会総会が韓国の釜山(プサン)で開かれる。コリアネットは、今回の総会の意義を改めて見つめ直すとともに、韓国が世界遺産暫定リストに登録している12カ所の中から、注目の6カ所を厳選して紹介する。
[ファスン=テレシア・マーガレット]
[写真=イ・ジョンウ]
[映像=パク・デジン]
韓国の仏教遺産は、石窟庵(ソックラム)や仏国寺(プルグクサ)、海印寺(ヘインサ)の蔵経板殿に象徴されるように、 その精巧かつ荘厳な佇まいで世界を魅了してきた。一方で、韓半島の南端に位置する全羅南道(チョルラナムド)・和順(ファスン)群には、既成観念にとらわれない、型破りの仏教遺産が。2017年に世界遺産暫定リストに登録された「和順 雲住寺(ウンジュサ) 石仏・石塔群」である。
雲住寺は、伝統的な寺院の様式にとらわれない、単純かつどこか滑稽味の漂う佇まいを見せる。この親しみやすさこそが、他の寺院とは一線を画す最大の特徴といえる。境内には、仏像や石塔の建立に使われた石材の採石場や運搬の痕跡が、比較的良好な状態で保存されている。千年前の仏像製作における全工程をたどることができる点は、学術的にも非常に価値が高い。特に、一つの空間に多種多様な形態の塔が集まっている光景は、世界的にも類を見ない。
雲住寺の真の魅力は、多様な信仰を包み込む「包摂性」にある。10世紀から16世紀末にかけて造成された数々の石仏や石塔、そして「七星(チルソン)信仰」に関連する「七星石」には、道教や天体崇拝、民間信仰が仏教と融合した独特な世界観が息づいている。このように、多様な信仰の形が単一の寺院に集約されている事例は東アジアでも非常に珍しいといえる。これこそが、雲住寺が人類の遺産として高く評価される理由である。
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雲住寺の巨大な臥仏(がぶつ)=イ・ジョンウ
地形の活用も極めて独創的だ。雲住寺は、榮山江(ヨンサンガン)の支流である大草川(テチョチョン)上流に位置し、標高100メートル前後の緩やかな山あいに位置している。南北に細長く伸びる渓谷と、その両側の尾根に配置された石塔や石仏には、地形を最大限に引き出す独自の工夫が凝らされている。
雲住寺の創建年代は明らかになっておらず、高麗(コリョ)中期から末期にかけて大きく栄えた寺と推定されているだけだ。15世紀後半の再建後、丁酉再乱の戦火により一時廃寺となったが、19世紀半ばの小規模な再建を機に、20世紀以降の数回にわたる整備・復元を経て現在の姿を取り戻した。
現在、この場所には、完全な状態の石塔や石仏・石像だけでなく、未完成や破損したものまで含め、石塔約141基、石仏・石像約115体が残されている。
山野に点在する約70基の石仏は、数十センチの小仏から10メートルを超す大賀方のものまで多岐にわたる。平面的で素朴な造形や、どこか不自然さを残す佇まいは、高麗時代における地方の仏教彫刻が持つ特徴を映し出している。
石塔もまた、その形状や文様は千差万別だ。層数も3層・5層・7層と幅広く、円形の基壇の上に建てられた塔や円盤を幾重にも重ねたような独特な塔など、一般的な仏教の石塔とは異なる独創的な美しさが際立つ。
谷の西側の丘にある巨大な「臥仏(がぶつ)」は、まさに雲住寺を象徴する遺産といえる。全長約12メートル、幅約10メートルに及ぶこの巨像は、完全に横たわった姿で造られており、韓国の仏像としては極めて珍しい。「この仏が起き上がる日、新たな世界が開かれる」という伝説は、千年前、この地を切り拓き、理想郷を夢見た民衆の切実な願いを、今に伝えている。
臥仏の近くにある七星岩。道教に由来した七星信仰が仏教と融合し、寺の敷地内に位置している=イ・ジョンウ
margareth@korea.kr