文化

2026.04.30

韓国文学翻訳院・翻訳大学院大学の設立推進委員会の発足式に伴い、ソウル・中区のフレイザープレイス南大門で、記者懇談会が行われた=28日、ソウル、韓国文学翻訳院

韓国文学翻訳院・翻訳大学院大学の設立推進委員会の発足式に伴い、ソウル・中区のフレイザープレイス南大門で、記者懇談会が行われた=28日、ソウル、韓国文学翻訳院


[ソウル=キム・ソナ]
[写真=韓国文学翻訳院]

韓国文学と文化コンテンツの翻訳に特化した専門家を育成する「翻訳大学院大学」が設立される。

文化体育観光部傘下の韓国文学翻訳院は28日、ソウル・中(チュン)区のフレイザープレイス南大門(ナムデムン)で設立推進委員会の発足式を開催し、「来年9月の開設に向け、準備を加速化させる」と明らかにした。

同大学院は、英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・中国語・日本語・ロシア語の7つの言語で構成構成される。定員は韓国人30人、外国人30人の計60人で運営される予定だ。

設立推進委員会には、文化体育観光部の元長官で詩人のト・ジョンファン氏をはじめ、詩人のムン・ジョンヒ、ナ・テジュ、小説家のファン・ソギョン、ウン・ヒギョン、文学評論家のクォン・ヨンミン、ユ・ソンホ、映画『パラサイト 半地下の家族』の翻訳者として有名なダルシー・パケット、シモンヌのパク・ウングァン会長が名を連ねた。

大学院設立の趣旨は、2008年から運営されている国内唯一の韓国文学・文化コンテンツ専門の教育機関「翻訳アカデミー」を、正式な修士課程に移行させることにある。

翻訳院は、これまでに1600人以上の修了生を輩出してきた。しかし、正式な学位が授与されないため、専門的な人材の育成には限界があるとの指摘を受けてきた。

参加者らは、この日の発足式でも「翻訳大学院大学」の必要性を一斉に強調した。

ト・ジョンファン委員は、「韓国文学は、既に高いレベルにあるが、韓国語の使用人口が少ないため、作品の奥深さが十分に伝わりきっていない」とし、「文学を通じてより深く浸透する『韓流』を目指すためには、専門的な翻訳人材の育成が不可欠だ」と強調した。

ムン・ジョンヒ委員は、翻訳が持つ経験的意義を強調。「作品が様々な言語に翻訳されていなければ、韓国文学の世界的な広がりは望めなかった」とし、「翻訳こそが、韓国文学が世界の読者と出会う最も重要な窓口」と述べた。

また、ナ・テジュ委員は、現場の課題を指摘した。「韓国の小説が海外で広く知られている一方で、詩はほとんど紹介されていない」とし、「特定のジャンルに偏ることのない、バランスの取れた支援が求められる」と訴えた。

ユ・ソンホ委員は、翻訳の概念をさらに広義に定義した。「翻訳とはテキストを選定し、解釈する批評行為であり、作品を世界文学の一部へと組み込むプロセスである」と述べ、「翻訳家は、単なる『伝達者』ではなく、文化と記憶をつなぐ『創造的な存在』だ」と説明。「その役割を果たすためには、短期間の教育にとどまらず、大学院レベルの体系的な教育が何よりも重要だ」と力説した。

一方、パク・ウングァン委員は、翻訳を取り巻く産業構造に問題があると指摘。彼は、「韓国文学が国際的に十分な評価を受けていない理由は、文学の水準に問題があるわけではなく、翻訳とその後の『流通・マーケティングの仕組み』が不十分であるため」と話した。その上で、「翻訳大学院大学には単なる教育機関を超え、こうした構造的な課題を補完する役割が求められる」との考えを示した。

委員らの発言は、「韓国文学のグローバル化において、翻訳が最も重要な要素になる」という点に集約される。翻訳院が単なる教育機関の枠を超え、韓国文学と世界をつなぐ「戦略的な拠点」として定着することが期待されている。

チョン・スヨン翻訳院長は、「より専門的かつ未来志向的な翻訳教育の体系を構築する」とし、「デジタル・トランスフォーメーション(DX)時代にふさわしい高度な翻訳人材を育成し、世界の文化芸術交流をリードしていきたい」と抱負を語った。

(左上から時計回りで)韓国文学翻訳院のクァク・ヒョンジュ翻訳教育本部長、ユ・ソンホ文学評論家、シモンヌのパク・ウングァン会長、ユン・ソンミ翻訳家、ナ・テジュ詩人、文化体育観光部のチョン・ヒャンミ文化芸術政策室長、チョン・スヨン翻訳院長、ムン・ジョンヒ詩人、ト・ジョンファン詩人=韓国文学翻訳院

(左上から時計回りで)韓国文学翻訳院のクァク・ヒョンジュ翻訳教育本部長、ユ・ソンホ文学評論家、シモンヌのパク・ウングァン会長、ユン・ソンミ翻訳家、ナ・テジュ詩人、文化体育観光部のチョン・ヒャンミ文化芸術政策室長、チョン・スヨン翻訳院長、ムン・ジョンヒ詩人、ト・ジョンファン詩人=韓国文学翻訳院


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