青瓦台サランチェで展示されている牡丹のメディアアート=ソウル
[ソウル=イ・ジヘ]
[写真=パク・デジン]
伝統文化と地域の魅力をデジタルコンテンツで表現した展示が、観覧客に新たな体験を提供している。
文化体育観光部がソウル・鍾路(チョンノ)区の青瓦台(チョンワデ)サランチェで開催している「八色燦爛-Kが息づく地域」は、グラフィックやメディアアート、体験型コンテンツを通じて韓国の伝統文化を新たな視点から紹介している。
「丹青(タンチョン)」を現代的に再解釈したク・ボンチャン作家による「コリア・ファンタジー」=ソウル
展示室に足を踏み入れると、ク・ボンチャン作家による「コリア・ファンタジー」が目を引く。韓国の伝統建築の要素である「丹青」を現代的に再解釈した作品だ。丹青とは、木造建築に様々な色で文様や絵を施す韓国の伝統的な彩色技法である。宮殿や寺院、官衙(役所)など、国家や宗教に関わる重要な建築物に用いられてきた。
色とりどりのガラス片が対称的に広がる万華鏡のような幾何学模様は、丹青特有の華やかな色彩と調和の美を映し出している。拡張と反復を繰り返すイメージは、伝統文様がまるで動き出すかのような躍動感を生み出している。
来場者が「カッ」をかぶって写真撮影を楽しめるフォトスポット=ソウル
会場の一角には、朝鮮時代の支配層である両班(ヤンバン)の品格を象徴する「カッ」をかぶって記念撮影ができるフォトスポットも用意されている。カッは、朝鮮時代に男性がかぶっていた伝統的な帽子で、社会的な身分を表す。
女性や子ども、奴婢は、この帽子をかぶることを禁じられていた。カッは、竹を用いてテウ(頭頂部を覆う円筒形の部分)とヤンテ(丸いツバの部分)を別々に作り、組み合わせて仕上げた。当初は、両方とも竹で作られていたが、後には馬尾毛が使われるようになった。朝鮮時代には門の高さが低く、出入りの際に竹製のテウが接触して破損しやすかったためである。馬尾毛は竹に比べて軽く、弾力性にも優れていたため、耐久性を高める素材として適していた。1895年に断髪令が施行され、サントゥ(結い上げた髷)の文化が廃止されると、カッは次第に姿を消していった。
Netflixのアニメーション映画『K-POPガールズ!デーモン・ハンターズ』やドラマ『キングダム』などの韓国のコンテンツに登場したことで、海外でも大きな注目を集めた。
伝統的な螺鈿(らでん)漆器をモチーフにしたメディアアート=ソウル
メディアアート室では、伝統文化をテーマにした5本の映像作品が上映されている。その中でもひときわ目を引くのが、「螺鈿(らでん)漆器」をモチーフにした作品だ。螺鈿漆器とは、アワビや真珠貝といった貝殻を漆塗りの表面に貼りつけて装飾する韓国の伝統工芸技法である。
まず、木製の箱や家具などの表面に、漆の樹液から作られた天然塗料を幾重にも塗り、黒く光沢のある下地を作る。その上に、貝殻を花や鶴、竜といった文様に細かく切り抜いて貼り付け、さらに漆を重ね塗りして仕上げる。
深みのある漆黒の地に、螺鈿の優美な輝きが、メディアアートとして再現されている。光の角度によって多彩な色彩を放つ螺鈿文様の間を虎や鹿、鶴などが動き回り、作品に躍動感をもたらしている。
このほかにも、全国各地の無形遺産や名所を収めた映像が次々と映し出され、来場者に韓半島各地の魅力を臨場感豊かに伝えている。
同展示は12月31日まで開催される。火曜日を除く毎日午前9時から午後6時まで開館しており、事前の予約なしで誰でも無料で観覧できる。
jihlee08@korea.kr