Netflixシリーズ『なりすましの鼠』 の制作発表会。(左から)俳優のソル・ギョング、リュ・ジュンヨル、キム・ホンソン監督、イ・ギュヒョン=20日、ソウル、パク・デジン
[テレシア・マーガレット]
[動画=Netflix Kコンテンツ公式YouTubeチャンネル]
「自分が本物だと証明できなければ、偽物になってしまう」
『なりすましの鼠』は、韓国に伝わる昔話「爪を食べた野ネズミ」をモチーフにした作品だ。人間の爪を食べたネズミが、その人に化けて、本人になり代わる。村人だけでなく、家族までもが偽物を本物だと信じ、本物は家から追い出されてしまう。
Netflixが28日から世界に配信する全10話のミステリー追跡スリラーである『なりすましの鼠』は、その昔話を現代的にアレンジした同名のカカオウェブトゥーンを原作としている。
キム・ホンソン監督は20日、ソウル・麻浦(マポ)区のホテル「ナム・ソウル・Mギャラリー」で開かれた制作発表会で、「一瞬にして人生のすべてを奪われた一人の人間が、自分自身を取り戻すために真相を追うスリラー」と作品を紹介した。
Netflixシリーズ『なりすましの鼠』のワンシーン=Netflix
3年間、世間との接触を完全に断ち、ひっそりと身を隠して暮らしていた小説家のムンジェは、ある日、正体不明の「野ネズミ」に名前や身分、財産などあらゆるものを奪われる。自身の人生を取り戻すため、ムンジェは自分を追い詰めてきた高利貸しのノジャと手を組み、野ネズミの正体を突き止めるべく追跡を開始する。
自分が本物であることを証明しなければならないムンジェを演じるリュ・ジュンヨルは、デビュー後初めて1人2役に挑戦した。「性格や目つきなど、人物の繊細な部分を意識して演じた」と話し、「最も違いが表れるのは声」と明かした。2つのキャラクターが会話を交わす場面でも、視聴者が容易に区別できるよう演じ分けたという。
失った金を取り戻そうとする高利貸しのノジャを演じるソル・ギョングは、「ノジャは組織暴力団の最後の世代で、トップではなく中間ボス級の人物」とキャラクターを紹介した。さらに、「ムンジェを殺したいほど憎んでいるのに、そのムンジェがノジャにとって希望になるという皮肉な展開が見どころ」と語った。
謎の投書を受け、事件の真相を探刑事スンヨンを、イ・ギュヒョンが演じる。「個人情報があふれる現代社会において、誰かに自分の人生を奪われるかもしれないという現実味のある恐ろしさに惹かれて出演を決めた」と明かした。
顔や名前、社会的な人間関係まですべて奪われたとき、 人は何をもって自分が自分であることを証明できるのか。作品が投げかける重い問いは、個人情報が日常的に露出する現代社会の不安と重なり、リアルな恐怖と強烈な緊張感を生み出す。
キム監督は「似たような出来事が実際に起きており、単身世帯も増えている現代社会では、よりリアリティのある話かもしれない」と語った。
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