龍山アイパークモールで開催されたポップアップストア「民音社×今日のかわいさ:文章の向こう側の世界」で体験コーナーを見て回る観覧客の様子=8月23日、ソウル、イ・ジイェ
[ソウル=イ・ジイェ]
先月11日から26日まで、ソウル・龍山(ヨンサン)区のアイパークモール3階で、様々なキャラクターブランドとコラボしたポップアップストアが開かれた。その中央に位置する出版社「民音社(ミヌムサ)」と「今日のかわいさ」のコラボによるポップアップストア「文章の向こう側の世界」は、多くの来場者でにぎわいを見せた。
同ストアは、6月にソウル・江南(カンナム)区のコエックスで開催された「ソウル国際ブックフェア」でコラボ商品を購入できなかった来場者のために企画された。「カムジャ」、「オドゥンイ」、「チーズダック」など、韓国のキャラクター作家による作品を民音社の書籍カバーと組み合わせ、無地ノートやキーキャップ、キーホルダー、マグカップなど、多彩なコラボ商品を展開した。
会場を訪れたキム・ミンジェさんは、「外国人の友人に贈るプレゼントを買いに来た」と話し、「伝統工芸品のような贈り物も良いが、最近では韓国でしか買えない限定商品を欲しがる友人が多い」と語った。
「民音社×今日のかわいさ:文章の向こう側の世界」で国内のキャラクターとコラボした「民音社」の詩集を手に取る来場者の様子=8月23日、ソウル、イ・ジイェ
キャラクターの知的財産(IP)を活用した商品開発やコラボが活発になる中、韓国のキャラクター産業の規模も急速に拡大している。
韓国コンテンツ振興院が発行した「2025年キャラクター産業白書」は、2024年の動向として、「キダルト(子どもの頃に遊んでいた玩具に再び興味を持つ大人)消費層の拡大」「ホテル・飲食(F&B)など異業種コラボの増大」「Kキャラクターの海外進出拡大」などを挙げた。
文化体育観光部が主催した「キャラクター・ライセンシング・フェア2026」には、7月16日から19日までの4日間で計4万900人が来場した。初日だけで1万人が会場を訪れ、前年の初日と比べて約30%増加した。
韓国のキャラクター産業における最大の変化は、キャラクター産業に参入するクリエイターや企業の顔ぶれだ。
韓国コンテンツ振興院のコンテンツIP戦略チームのソン・テヨンチーム長は、「以前はアニメーション制作会社や玩具・文具メーカーがキャラクター産業の主役だったが、最近ではSNSでファンダムを築いた個人クリエイターや小規模スタジオの参入が増えている」と説明した。
その代表例が、2020年にSNSでの連載を開始した「ティンティンティンクル」である。2000年代を舞台に小学生キャラクターたちの友情を描くSNS漫画としてスタートし、グッズ事業へ拡大。最近では、韓国プロ野球チームのKIAタイガースとコラボし、ユニフォームやぬいぐるみなど16種の商品を展開した。
「ガナディ」もSNSで知名度を高めた後、様々な商品が発売され、オフラインのポップアップストアへと活動の場を広げた。「ザ・現代(ヒョンデ)ソウル」や「アイパークモール」で開かれたポップアップストアでは、事前予約分が完売したほか、会場販売の商品も売り切れとなった。
「キャラクター・ライセンシング・フェア2026」で「ガナディ」のコラボ商品を見て回る来場者の様子=7月16日、ソウル、パク・デジン
ソンチーム長は、キャラクターIPが成長する「順序」が変化したと分析する。「以前はアニメーションを制作し、テレビ放映で認知度を高めた後に商品化やライセンスへと移行する段階的なモデルが一般的だった」とし、「そのため、巨額の初期投資と時間がかかっていた」と語った。
続けて、「しかし現在は、インスタグラムやTikTok、スタンプなどで先にファンダムが形成され、そこからポップアップストアやコラボ、ライセンスへつながる『逆方向構造』が定着した」と説明。「これにより、キャラクタービジネスへの参入障壁や初期投資の負担が下がり、海外展開のスピードも速まった」と述べた。
SNSでファンダムを形成したキャラクターIPは、国内市場にとどまらず、海外へと活動の場を広げている。
韓国コンテンツ振興院の「2025年第4四半期および年間コンテンツ産業動向分析報告書」によると、2025年の韓国コンテンツ産業の輸出額は前年比5.9%増の149億582万ドルとなった。このうち、キャラクター産業の輸出額は前年比12.8%増加し、全体の輸出増加をけん引した。
「モルチーズ&レトリバー」は2023年、中国のチャットアプリ「WeChat」でスタンプを発売して以来、中国の若い世代から高い人気を集めている。「エスターバニー」は、日本だけでぬいぐるみキーホルダーを約100万個以上販売した。日本での成功を足がかりに、現在は15カ国、約400社と提携し、約5000品目の商品を展開している。全体の売上高の70%以上を海外市場が占める。
「チャイナ・ライセンシング・エキスポ」の韓国共同館で、「Kビジョン」と中国企業「GENIO ART」がMOUを締結した様子=2025年10月、上海、韓国コンテンツ振興院
ソンチーム長は、SNS発のキャラクターが海外市場で競争力を持つ要因として、「感情の伝達力」を挙げる。
「新しいキャラクターは、複雑な世界観を持たせる代わりに、無気力感や癒し、そして自嘲(じちょう)といった普遍的な感情をシンプルな形で表現する。そのため、説明がなくても意味が伝わりやすく、言語や文化の壁が低い。現地向けのローカライズを行わなくても、自然と共感が生まれる」と話した。
また、SNSを活用することで、海外の消費者にコンテンツを直接届けられるだけでなく、ファンダムの規模や反応をリアルタイムで把握できるところも、海外事業者にとって大きな利点になると説明した。
文化体育観光部と韓国コンテンツ振興院は、キャラクターIPの事業化に向け、ライセンスビジネスに関する教育やコンサルティング、コンテンツ・商品開発および事業化への支援、海外の主要ライセンス市場への出展支援を強化する方針だ。
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