韓国を訪れる外国人は韓国の隅々まで行ってみたいと思う。にも関わらずソウル、釜山、済州島などの大都市や有名な場所以外は、行きたくてもなかなか行けないのが事実。旅行地に対する知識不足、言語と食べ物に対する不安、公共交通機関のアクセス性の乏しさなど、色々な困難のため韓国の多様な姿を楽しむことができなかった。

25日、韓国訪問委員会は外国人専用のバス自由旅行商品「K-トラベルバス」を販売を開始した。トラベルバスは週1回、全国6カ所の地方へ出発、交通・宿泊・観光ガイドが含まれた1泊2日間の外国人向け旅行プランだ。旅行地は大邱(テグ)、江原(カンウォン)、慶尚北道(キョンサンブクト)、全羅南道(チョンラナムド)、東南圏(釜山・蔚山・慶尚南道)、統営(トンヨン)の6カ所。とくに「今年の観光都市2016」の統営と堤川(チェチョン)・茂朱(ムジュ)の連合コースは外国人観光客向けに初めてとなる。

この日、ソウルの光化門を出発したバスはブラジル・トルコ・ラオス・フィリピン・日本など様々な国から来た観光客を乗せて高速道路を走り、5時間をかけて慶尚南道(キョンサンナムド)の統営に到着した。ここは朝鮮時代最大の海軍基地だった。1604年に三道水軍統制営をここに設置したのがその理由。三道とは慶尚・全羅・忠清道(チュンチョンド)を意味し、韓半島の3分の1にあたる中南部地域が三道水軍統制営の管轄だったのだ。統営という地名もまた、統制営を略したものだった。

統営は韓半島の西南、固城半島(コソンバンド)の先端にある。三面が海に面しており、海岸線の屈曲が激しい。海には520余りの島々が散在しており、美しい景観を誇る。閑山島(ハンサンド)から全羅南道(チョンラナムド)麗水(ヨス)にいたる船路はとくに美しく、閑麗水道(ハンリョスド)と呼ばれる。

観光客らは統営で初めての昼食を食べながら異口同音で「韓国にもこんなところが！」と嘆声を漏らした。海産物、ポムナムル(春に出る山菜)、石釜ご飯は空腹を満たすのにこの上なかった。小さな島々が見下ろせるレストランからの景色も絶景だった。観光客一行は統営ほど見て、食べて、リフレッシュできる場所はそうないと口を揃えた。梨花女子大学に交換留学に来ている桝家美波さんは「ソウルではなかなか食べられないクロダイやクロソイの焼き魚は新鮮でとてもおいしかった」と語った。


K-トラベルバスは観光客たちを統営全体を見渡せる彌勒山(ミルクサン)の展望台へと案内した。次に、道水軍統制営、庶民住宅が集まる東陂浪(トンピラン)村へと移動した。午後いっぱいに南部地方の海の風景、数百年前の朝鮮時代、そして一般庶民の生活感溢れる日常を見ることができた。

次の日の26日、観光客らは統営旅客ターミナルから遊覧船に乗り込んだ。40分コースの船路は巨済島(コジェド)、閑山島など大小の島々が散在する閑麗水道。穏やかな海を渡って着いたのは小さな島、長蛇島(チャンサド)。2014年に爆発的な人気を博したドラマ『星から来たあなた』の舞台となった島だ。

ブラジルからソウル大学校工科大学に留学に来たレオナルド・サチュルニーノ・フェレイラ(Leonardo Saturnino Ferreira)さんは長蛇島に来て、頭の中で描いていたことが現実になったと大満足だった。

「大小の島々が散在する穏やかな海。複雑な都会の生活、競争、就活、未来に対する不安はしばし忘れてリフレッシュする時間を送ることができました。たまには自然と会話する時間も必要です」





韓国訪問委員会の李慶姫(イ・ギョンヒ)広報チーム長は「これまで韓国観光はソウルや済州島など大都市や有名な場所を団体で観光するのがメインだったとすれば、これからは1人で些細な日常や各地域を隅々まで見歩く探求学習型にシフトしつつある。K-トラベルバスを利用すれば、より多様な韓国を気軽に楽しめるようになるはず」と話した。

K-トラベルバスは旅行に行きたい地域を選んで予約すれば、1泊2日の間その地域の観光案内を受けることができる。価格は1人150~170ドルで、交通・宿泊費、観光案内サービス、観光地の入場料などが含まれた値段。ホテルは4つ星級のビジネスホテル(2人1室)で、バスは40人乗りの大型観光バスや25人乗りの中型バスで運行される。ただし、ホテルの宿泊代に含まれた朝食以外の昼食や夕食、旅行者保険は個人負担となる。


コリアネット　ウィ・テックァン記者
翻訳：イ・ジンヒョン

K-トラベルバスや統営観光に関する詳しい情報は、下記のサイトからご確認いただけます。
o 韓国訪問委員会 : www.vkc.or.kr
o K-トラベルバス : www.k-travelbus.com
o 統営市 : www.tongyeong.go.kr