［茨城＝登久美子（日本）］

大事な我が子にありったけの願いや思い、そして愛情を込めた贈り物、名前。

ベネッセコーポレーションの情報誌たまひよによると、日本では2021年に生まれた赤ちゃんの名前で最も人気があるのは男の子が「蓮（れん）」、女の子が「陽葵（ひまり）」と「紬（つむぎ）」だった。さて韓国ではどうだろうと電子家族関係登録システム統計サービスを調べてみると、とても興味深いことがわかってきた。

今回は2022年1月から10月までに韓国で生まれた赤ちゃんの人気の名前と人気の傾向などをご紹介したい。名前の後ろに書いてある数字は出生届の登録数、数の後ろの矢印は昨年2021年と比べてランキングが上がったか下がったかを表している。

名前と順位を見てみると、男の子は後ろに「ジュン（준）」のつく名前がトップ3を占め、「ウ（우）」で終わる名前も5位、6位、8位とランクインしている。

2位のソジュンは人気俳優パク・ソジュンの長身で爽やかなかっこよさの影響がありそうだ（なおパク・ソジュンは芸名で本名はパク・ヨンギュである）。ソジュンの名前が最も多かったのは2014年、4,218名の赤ちゃんがソジュンと命名された。この2014年、実はパク・ソジュンが出演したドラマ『魔女の恋愛』で彼が年上女性を一途に思い続ける役で大ブレイクしている。

また、ウヌは言わずと知れた人気ボーイズグループASTROのメンバーだ（ウヌも芸名で本名はイ・ドンミンである）。ウヌは本当にASTROの影響なのか調べてみると、ASTROのデビューは2016年なのでそこからウヌの名前をたどっていくと、2016年26位、2017年13位、2018年9位、2019年5位とデビュー翌年から急上昇しているのがわかる。これはチャ・ウヌの影響と見て良いだろう。

女の子は前にも後ろにも「ア（아）」がつく名前が人気で、1位、3位、6位、7位、8位とランクインしている。「ア」がつくと可愛らしい女の子のイメージになるということだが、確かに日本語の語感からしても可愛らしく思える。中でも特に注目したいのは、2位にランクインしているイソだ。

イソの名前をたどっていくと、2019年圏外（その前年までもずっと圏外）、2020年24位、2021年3位と、急上昇という言葉では足りないくらいの急上昇ぶりを見せている。ではその19年から20年にかけて何があったのか。それは皆さんの予想通り、ドラマ『梨泰院クラス（2020年1月より放送）』の影響と言い切って良いだろう。

『梨泰院クラス』のチョ・イソ（キム・ダミ演）はヒロイン、SNSのインフルエンサーでIQ163と天才でありながら運動神経も抜群、というキャラクターだ（梨泰院クラスの詳細については筆者が以前書いた記事をご参照いただきたい）。

なお、もう一人のヒロイン、スアはどうかと見てみると、2019年8位、2020年10位、2021年14位、2022年16位と徐々に下がってきている。これはスアが商売敵の役どころであったことが影響したのだろうか。

また、梨泰院クラスと同時期に放送されていたもう一つのメガヒットドラマ『愛の不時着（2019年12月より放送）』も気になったので調べてみた。愛の不時着の主要な登場人物、セリ、ジョンヒョク、ダン、スンジュンも調べてみると、こちらも興味深かった。

これは偶然なのかわからないが、どの名前も2019年と2020年を境に2021年からは0名となっている（2022年11月現在）。ただセリとダンは2020年にやや増えているので、ドラマの影響があったのかもしれない。そして特徴的だったのは、セリは女の子、ジョンヒョクとスンジュンは男の子、と登場人物と同じ性別だったのに対し、ダンは男の子と女の子が両方いる。ドラマの中ではダンは女性だが、2020年に生まれたダンを見てみると男の子が80名、女の子が44名と男の子の方が多かった。

来月12月にその愛の不時着で共演したヒョンビンとソン・イェジン夫妻の第一子である男の子が生まれる予定だ。早くもヒョンビン似のイケメンになるのではと騒がれているが、次にブレイクする名前は、その男の子の名前になると筆者は密かに考えている。

*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。

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