[文・写真=田尾秀子]
私は大邱には三度訪れたことがありますが、つい都会的な風景やグルメ、韓方医療に目が行きがちでした。しかし、市内から少し足を延ばすだけで、まるで時間の流れが変わったかのような場所に出会うことができました。
慶尚北道・大邱にある「オッコル村」は、そんな “ 大邱のもう一つの顔 ” を感じられる伝統村です。以前読んだ書籍で紹介されているのを見て、「ここはいつか訪れたい」と思っていた場所でもあります。
この村は慶州崔氏の子孫たちの集姓村で、約400年の歴史があるそうです。ちなみに「オッコル(옻골)村」という名前を直訳すると、「漆(うるし)の谷」を意味します。この地域には漆の木が多く自生していたことに由来するという説があります。
訪れた日はあいにくの曇り空でしたが、トキワサンザシやカリン、柿の実が鮮やかに色づき、静かな村に彩りを添えていました。
歴史を感じさせる石塀の道が続きます
村の中は歴史を感じさせる韓屋が建ち並び、石塀の道があちらこちらへと続いています。時折、鳥の鳴き声が聞こえてきて、私はまるで時間を遡ったかのような気分になりました。
そんな中、秋夕の連休明けの頃だったからなのか先生に引率され、韓服を身にまとった幼稚園児たちに出会いました。歴史ある風景の中に溶け込むその姿が、とても印象的でした。
また、その周辺では韓屋の補修作業が進められており、過去の姿をただ残すのではなく、これからも人の手で守り続けていく営みが感じられました。その様子から、この村が「今」へ、そして「未来」へとつながっていることを実感しました。
帰りのバスを待つ間に、カフェでひと休み
村の中にはカフェや、韓服、茶道など様々な体験ができる場所もあります。私は帰りのバスの時間まで、カフェでひと休みしました。オッコル村は、街から遠く離れた山の中にあるように思いがちですが、街から地下鉄とバスを乗り継いでも、何時間もかかる場所ではありません。街のすぐ近くで、朝鮮王朝時代の雰囲気を感じることが出来る点も、この村の大きな魅力です。
オッコル村への行き方はいくつかありますが、私は地下鉄1号線「芳村(방촌)」駅から東区3番バス(동구3)で向かいました。バスを待っている間、大邱には米軍基地があるためか、軍用機が爆音を響かせながら何度も上空を通過していきました。まるで航空ショーを見に来たかのようで、飛行機好きの私は思わず見入ってしまいました。
静かな伝統村と、頭上を行き交う軍用機。大邱という場所で、私は過去と現在、そして未来を一度に見たような気持ちになりました。
*この記事は、日本のKOREA.net名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。
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