名誉記者団

2026.07.14

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[文・写真=駒瀬元暉]

こんにちは。ソウル在住で観光好きの駒瀬元暉です。

ソウルから離れて韓国の地方都市を日帰り旅行するのが大好きなんですが、今回は韓国中部の忠清南道地方にある扶余(プヨ)を訪れました。

最初この街を知ったとき、なんだか響きが可愛い名前だな、くらいしか思わなかったのですが、調べてみると韓国の古代王国の一つ百済の最後の王都が置かれた場所で、街全体が世界遺産にも登録されているとか…。歴史好きの私にピッタリの街かもとワクワクしてきました。

実際訪れてみて、地方都市らしいゆったりとした時の流れを感じられるのはもちろん、街を歩くとすぐに遺跡が出てくるほど、歴史ファンにはたまらない街でした。そんな扶余の見どころを今回撮影した写真を交えて紹介していきます!

扶余を流れる白馬河。まるで映画のワンシーンのように幻想的でした。

扶余を流れる白馬河。まるで映画のワンシーンのように幻想的でした。


白馬河の遊覧船で爽やかな扶余の風景を満喫

扶余で必ず体験してもらいたいのが、白馬河(ペンマガン)遊覧船ツアーです。クドゥレ船着場から遊覧船が出ており、扶蘇山(プソ山)という山の麓まで行くことができます。

まず見てほしいのがこの船の形。百済時代の当時の船を再現したといい、大きな帆が付けられているのが特徴です。百済時代の船に乗って白馬河を優雅にクルーズする、まさに歴史の街扶余ならではの特別な旅行体験です。

白馬河越しに扶余の街や川岸の山、草原を眺めていると、綺麗な自然に本当に癒されました。いつもソウルで高層ビルに囲まれているからか、地方都市でゆったりとした風景や雰囲気に浸るたびに、いつの間にか日ごろの疲れが吹き飛ぶような気がするんですよね。

扶余は空気が澄んでいて、山々の風景も爽やか。

扶余は空気が澄んでいて、山々の風景も爽やか。


ところで、白馬河の遊覧船ツアーが特別なのは、百済の激動の歴史に直接触れることができるから。それもそのはず、川岸にそびえる扶蘇山には百済の王朝を守った扶蘇山城(プソサンソン)が築かれ、当時は城の一周が2.5キロに及ぶほどだったそうです。現在もハイキングを楽しめる遊歩道が設けられており、スニーカーでも十分な緩やかな道なので、こちらも訪問必須です!

遊覧船ツアーで最も印象的だったのが落花岩(ナッカアム)という、扶蘇山城にある断崖絶壁の岩。遊覧船からも見上げることができるのですが、ここを通るとき、周りの乗客が興味深そうに眺めていました。その理由は、この落花岩に伝わる悲しい伝説がとても有名だからです。

百済が660年、新羅と唐の連合軍によって攻め滅ぼされる最後の時まで、この扶蘇山城は百済を守り続けたのですが、ここ落花岩の上から王朝に仕えた女性たちが自ら身を投げたというのです。敵に殺されるくらいならと自ら命を絶った彼女たちの姿を、後世の人が花に例え、”花が落ちた岩”と呼ぶようになったということなんです。

落花岩は今でも鋭い断崖絶壁で迫力満点です。

落花岩は今でも鋭い断崖絶壁で迫力満点です。


宮殿内の美しき蓮の庭園、宮南池

次にご紹介するのは宮南池(クンナムジ)という王朝の中に作られた人工庭園。扶余の歴史遺跡の中でも、特に四季折々の絶景が有名なスポットで、扶余の観光スポット案内でもよく一番上に写真が載せられています。

さて皆さん、一体宮南池がどれほど綺麗なのかと気になられたんではないでしょうか?なので、今回私が撮影したベストショットをぜひ見てみてください!

柳の木越しに眺める東屋の風景は、まさに”優雅”の一言。

柳の木越しに眺める東屋の風景は、まさに”優雅”の一言。


上の写真見てください!我ながら自信のある一枚なのですが、写真の通り宮南池は大きな池に浮かぶ庭園で、韓国で最も古い人工池と言われているんです。

蓮や柳の景色がなんとも優雅な庭園で、夏に蓮の花が咲くと多くの写真家が訪れるそうです。現在の庭園は復元されたものなんですが、その姿は実際の歴史書「三国史記」の記述に基づいたもの。

また、三国史記には「約20里外から水を引き込み」という記述もあるのですが、20里ですから約80キロ先から水路を引いて池を作ったというんです!さすがにこれは誇張している部分もあると思うのですが、当時の百済王国の繁栄ぶりがどれほどだったか伝わりますよね…。

今でも宮南池は本当に広大で、住民の憩いの場になっているようでした。宮南池、扶余旅行で必ず訪れてほしい絶景スポットです!

蓮がたくさん生えている宮南池。次回は花が咲いている時期に再チャレンジしたいです!

蓮がたくさん生えている宮南池。次回は花が咲いている時期に再チャレンジしたいです!


韓国教科書にも載っている最高級のお宝

では続いての扶余の見どころは、場所ではなくある遺物です。

私が向かったのは国立扶余博物館。百済に関する様々な展示がされている博物館ですが、その中で訪問客の注目を一身に集めるお宝がこちら…

”百済金銅大香炉”。1000年以上前とは思えないほど精巧で驚きました。

”百済金銅大香炉”。1000年以上前とは思えないほど精巧で驚きました。


黄金に光り輝くこちらは”百済金銅大香炉”と呼ばれる国宝です。韓国人なら必ず知っているこの国宝は、百済の遺物の中で一番と言っていいほどの完成度と保存状態の高さを誇ります。

考えてみてください。百済が滅んだのが660年なので、少なくとも1300年以上前に作られたということになるのですが、実際に見てみるとその精巧さに驚くはずです。香炉の一番上に載せられた鳳凰を始め、真ん中の部分の様々な動物の彫刻まで、百済の職人の超人的な技術が伝わってきます。そして何より1000年以上も前の物なのに、ほとんど損傷がなく保存されているのも奇跡的に感じました。

百済金銅大香炉は以前から博物館で展示されていますが、2025年12月からは現在のように、この大香炉たった一つを特別館で展示しています。大きな部屋の真ん中で黄金に輝く展示形式でより神秘的な雰囲気を感じました。12月のオープン後、100日間で26万人も来場したそうで、韓国内でどれだけ愛されているのか想像ができますよね!

特別展示室の真ん中にたった一つ置かれた姿は、神々しさを更に演出していました。

特別展示室の真ん中にたった一つ置かれた姿は、神々しさを更に演出していました。


こちらも世界遺産の定林寺址と五層石塔。このように街中に遺跡があふれ、散歩も楽しい扶余の街でした。

こちらも世界遺産の定林寺址と五層石塔。このように街中に遺跡があふれ、散歩も楽しい扶余の街でした。


車なしでも満喫できるのが扶余!

今回は扶余の見どころを写真と一緒に紹介させていただきました。さて、今回紹介した場所はなんと全て徒歩圏内です!

ソウルの南部バスターミナルから扶余市外バスターミナルまで約2時間で着くのですが、主要な観光スポットがバスターミナルから周辺に密集しているんです。日本からの旅行で車が無くても十分に楽しめる、それも扶余観光の大きな魅力だといえると思います。

百済の悠久の歴史ロマン、そして韓国地方都市の穏やかな空気、その両方を満喫できる扶余、ぜひ訪れてみてください!

訪問した6月はちょうど菊の見ごろ。白馬河の川岸一帯が鮮やかな黄色に染まっていました。

訪問した6月はちょうど菊の見ごろ。白馬河の川岸一帯が鮮やかな黄色に染まっていました。


*この記事は、日本のKOREA.net名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。

innocence@korea.kr