名誉記者団

2026.07.21

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[文=いとう めぐみ]

2023年7月、大ヒット韓国ドラマの絵コンテ作家・カンスク作家さん (以下、「カンスク作家」と書きます)の初海外個展となる展示会の様子とインタピューをお届けしました。

2023年10月13日記事 “「絵コンテ作家カンスクが「京都に不時着」?!” https://japanese.korea.net/NewsFocus/HonoraryReporters/view?articleId=240181&pageIndex=13

あれから3年。早稲田大学演劇博物館にて8月2日まで行われている企画展「千変万化する恋 日本のロマンチック・コメディ映画の輝き」の展示にご参加のため、「カンスク作家、カムバック」とのお知らせを耳にし、再びカンスク作家にお会いしてきました。

今回は開催中の早稲田大学演劇博物館の展示への参加で来日されたカンスク作家のインタピュー前編をお届けします。

企画展タイトルパネルの前でポーズをされるカンスク作家 写真=いとう めぐみ

企画展タイトルパネルの前でポーズをされるカンスク作家 写真=いとう めぐみ


-カンスク作家、お久しぶりです! 本日は再びインタビューのお時間をいただき、本当にありがとうございます。2023年7月に京都で開催されたカンスクの初の海外個展を取材させていただいて以来、カンスク作家のご活躍が日本でもさらに広がっていることを 大変、嬉しく拝見しておりました。本日もよろしくお願い致します。

(カンスク作家、優しく微笑みながら)

はい、よろしくお願いします^^

早稲田大学演劇博物館での展示と、2023年以降の日本との縁

- 2023年7月、京都での初海外個展の取材で、カンスク作家は 「絵コンテを少しでも多くの日本の皆さまに見ていただけたら」とお話しされていました。その後、韓国ドラマに関する日本の番組とタイアップでの展示会や、韓国発フォトサービスでのイラストフレームコラボレーションなどで、カンスク作家の絵コンテに触れる機会が少しずつ広がっているように感じます。

そこで今回の早稲田大学劇博物館での展示に参加されるにあたって、カンスク作家の想いや、 日本の韓国ドラマファンの皆様にご覧いただきたい展示のポイントがありましたらお聞かせ頂けたらと思います。


(カンスク作家、少し宙に視線を置いて考えてからニコッされて)

今回、早稲田大学演劇博物館での展示は日本の戦前から現在に至るまでの「愛の不時着」のようなロマンティック・コメディ映画について研究した成果をお伝えする内容になっています。

その展示の中で、東アジアのロマンティック・コメディ映画にも触れており、 早稲田大学演劇博物館の方が私のことを知り、関心を寄せてくださって 2023年に個展を開催したギャラリーへ連絡してくださいました。

とても素晴らしいご縁・機会だと感じて今回、参加させていただく事にしました。京都の個展で展示したものを(会場の関係で一部ですが)今回も展示しています。

また今回は突然のオファーではありましたが、 準備期間自体は数ヶ月ありましたので、メールで資料のやり取りや協議も充分に行い開催に漕ぎ着けたので、準備期間が短いと感じることも ありませんでした。

優しい眼差しとともにお話されるカンスク作家 写真=カンスク作家提供

優しい眼差しとともにお話されるカンスク作家 写真=カンスク作家提供


-今回の開催は京都での展示会から繋がられて実現されたのですね! その京都での展示から現在までを振り返って、日本の観客や韓国ドラマファンとの出会いや出逢った方々の反応などで特に印象に残っていることはありますか?

京都の個展以来、日本のファンの方々と会う機会がよくあります。その度に私はとても感謝の気持ちでいっぱいになります。

なぜなら、同じ国の人々に愛されることも難しいのに、他の国にいる方々が韓国のコンテンツやエンターテイナーだけではなく私のようなスタッフ、さらにストーリーボード(絵コンテ)にまで関心を寄せてくださることが、私にとってはとても神秘的にも感じ、そして心から感謝しています。

-前回(京都)の取材では、絵コンテは脚本を映像にするための「シーンの設計図」であり、俳優の方々が重要なシーンを忠実に再現するためのものだと読者の皆様にお伝えさせていただきました。 一方で、近年は展示を通して、制作現場の中にあった絵コンテそのものを一般の方が作品として 鑑賞する機会も増えていると思います。

本来は撮影現場のために描かれる絵コンテが、展示空間で一つの作品として見られるようになったことについて、カンスク作家ご自身の中で意識的な変化はありましたか。


そうですね。私自身、今も絵コンテ自体は作品だという感覚はないのですが、釜山国際映画祭で通訳をされていた在日三世の方から 「(大ヒット韓国ドラマの絵コンテに)日本の方々も関心があると思いますので、展示会を開いてみませんか」というようなお話を頂いてから私の意識も変わっていきました。そのお話をしてくださった方には、今もとても感謝しています。

近年のドラマ制作現場の変化

-カンスク作家はこれまで数多くのドラマや映画に携わってこられましたが、近年はOTT作品(従来のテレビ放送やCATVなどのインフラを通さないネット配信)や グローバル配信などの広がりによって、韓国ドラマが韓国国内だけでなく世界中の視聴者に届く時代になりました。

こうした制作環境の変化の中で、絵コンテ作家に求められる役割や、監督・撮影チームとのやりとり、現場でのスピード感に変化を感じることはありますか。


はい、もちろんあります。全ての物事の速度が非常に速くなり、最近では制作現場もAIを利用して、(AIによる)さまざまな恩恵を受けています。

その一方で少し皮肉な感じの話にもなってしまうのですが、最近では私のような絵コンテ作家の手を借りずにAIで絵コンテ制作をしている 監督さんもいらっしゃいます。

でも、AIは(細かな部分までの対応までは出来ないために)思ったような 制作ができない部分にもどかしさや問題を抱えて、それを解決できずに 私に連絡してくる監督さんも多いです。

これからの時代がどのように変わるのかは正確に予測することはできませんが、 時代の変化に合わせて私(の働き方)も変わっていると感じています。

想いを熱く伝えてくださるカンスク作家 写真=カンスク作家提供

想いを熱く伝えてくださるカンスク作家 写真=カンスク作家提供


作品を見た方の記憶に残したいこと

-ところでカンスク作家の絵コンテを拝見していると、ただ動きや構図を描いているだけではなく、登場人物の感情や、その場面の温度までが残されているように感じます。

2023年の京都での個展以降も、さまざまな作品や展示を通して多くの人に 絵コンテを届けてこられましたが、これからカンスク作家がご自身の絵コンテや 展示をご覧になられた方の記憶に残していきたいことは、どのようなものですか。


(カンスク作家、真剣な眼差しで宙を見つめてから)

そうですねぇ。 私は監督の頭の中にあるイメージを現実化して共有するという役割があり、それを最も重要だと感じています。

そのため、自分がどのようなシーンを残していきたいのか 撮りたいのかを考えるよりも、監督の意図をしっかり理解したいと思っています。

その練習と言いましょうか、それを今まで約25年以上に渡り続けているのですが、 ようやく今が一番良い状態になってきたなと感じています。

今後も(監督の頭の中にイメージを現実化できるよう) より良く対応できるように切磋琢磨していけたらと思います。

時代とともに柔軟に

2023年の京都での初の海外個展から約3年。 カンスク作家は時代の変化に合わせて表現・ご対応の幅を広げながら、現在も韓国ドラマ制作の第一線で活躍を続けられていました。

その歩みを改めて伺い、クリエイティブへの変わらぬ情熱と、 新たな挑戦を続ける素敵なお姿が印象に残りました。

次回の【後編】では、日本の韓国ドラマファンの方々から お寄せいただいた質問にカンスク作家が答える特別コーナーと、 カンスク作家が参加されている早稲田大学演劇博物館で開催中の企画展の様子をご紹介します。

カンスク作家が参加されている企画展案内ポスター 写真=早稲田大学演劇博物館提供

カンスク作家が参加されている企画展案内ポスター 写真=早稲田大学演劇博物館提供


カンスク作家が参加されている企画展 「千変万化する恋 日本のロマンチック・コメディ映画の輝き」は、2026年8月2日(日)まで早稲田大学演劇博物館で開催されています。

※詳しい開館日時・詳細については下記、公式サイトも併せてご覧ください。

企画展公式サイト https://enpaku.w.waseda.jp/ex/21407/

カンスク作家の貴重な絵コンテや関連展示、日本映画界の貴重な資料を実際にご覧いただける貴重な機会ですので、ご興味のある方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

*この記事は、日本のKOREA.net名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。

innocence@korea.kr