オピニオン

2025.12.22


Hosaka Yuji(世宗大学待遇教授、政治学専攻)

最近になって、日中関係と日韓関係が尋常でない。日中関係悪化の直接的な要因は、11月7日、日本国会で高市日本首相が「台湾有事の際には日本の国家存立危機事態となる」と発言したためである。

中国側はこの発言を、台湾有事の際に日本が自衛隊を出動させて中国と戦うという意味だと解釈したのだった。高市首相は12月9日にも国会で「竹島は歴史的にも国際法上も日本の固有の領土」と主張したのだが、これに対して韓国大統領室が強く抗議した。本稿では、最近の日韓中の葛藤問題の歴史的・国際法的な側面を確認し、日韓中3国が平和の道へと進まねばならない必要性を論じようと思う。

高市首相は自らの台湾関連発言の波紋が大きくなると、12月3日の参議院本会議で台湾問題について「日本政府の基本的立場は1972年の日中共同声明そのままであり、この立場に一切の変更はない」と述べた。1972年の両国国交樹立当時に採択された日中共同声明には、「中国は台湾が中国領土の一部であることを強調する」と明記されており、日本政府は「この立場を完全に理解し尊重する」と表記した。したがって、高市首相のこの日の発言は、11月7日の自らの発言の余波を沈静化させる目的の下で行われたものとみられる。

しかし、リンジェン中国外交部報道官は12月4日の定例ブリーフィングで「中国の態度は明確」だとしつつ、「日本がしっかりと反省し誤りを正して、高市首相の誤った発言を撤回するよう求める」と強調した。さらに同報道官は、「高市首相は依然として『立場の変化はない』という言葉でごまかそうとしているが、中国はこれを絶対に受け入れない」と述べ、「高市首相は中日共同声明に記された内容を正確かつ完全に再確認できるのか」と反問した。

中国はこの立場で口論にとどまらず様々な報復措置を動員しており、すでに剣を抜いた以上、高市首相の発言撤回やそれに準ずる措置が出てこない限り、日中間の対立収拾に乗り出すのは難しい状況である。

次に、日韓間の独島・竹島問題を歴史的に振り返ってみよう。

日朝間の鬱陵島紛争が収拾された17世紀末以降、日本は鬱陵島と独島・竹島に対する日本人の渡航を禁止した。このような事実は、1838年の日本の裁判記録に含まれた公式地図『竹島方角図』や、1877年の明治政府の公式文書『太政官指令文』で確認される。ところが日本政府は、このような古地図や公式文書を現在、秘密資料に指定して一般人が閲覧できないようにした。

1905年2月、日本は秘密裏に独島を島根県隠岐島に編入した後、1906年3月、鬱陵島に来た島根県の官吏たちが独島・竹島の日本編入を鬱陵島郡守に口頭で知らせたが、これに対し大韓帝国参政大臣(国務総理)は「独島が日本領土になったという説は全くの事実無根である」として、独島・竹島は韓国領土であることを宣明した。

1945年、韓国が解放を迎え、敗戦した日本は連合国によって占領された。その後、連合国最高司令部は指令部指令SCAPIN677号によって独島・竹島を韓国領土と規定した。

1951年4月、SCAPIN文書を基に作成されたサンフランシスコ平和条約のイギリス草案では、独島・竹島は日本領土から分離されたが、日本政府はこれに抗議しなかった。1951年9月、サンフランシスコ平和条約が調印されたとき、韓国領土条項に独島・竹島に関する具体的な言及はなかった。

しかし、1951年12月、サンフランシスコ平和条約を説明するSPAPIN677/1号がSCAPIN677号を『参考にせよ』と記載し、結局、独島・竹島が韓国領土であることを確認した。

サンフランシスコ平和条約発効後、日本は独島・竹島を法的に日本領土にするための作業を開始し、1953年に独島・竹島を意図的に在日米軍の爆撃演習区域に含めた。これに対して韓国側が抗議すると、米国は日本が指定した爆撃演習区域から独島・竹島を除外した。1954年、米国務省はこの事実に言及しながら、「米国は韓国側の抗議を受け入れて日本が指定した爆撃演習区域から独島を除外したため、独島が日本領土だという話は今や成立しない」という文書を作成した。その後現在に至るまで、米国地名委員会は独島・竹島を韓国領土として記載している。このような歴史的・国際法的な流れを見ると、日本の首相が独島・竹島を日本の固有の領土だと主張することは適切だとは言い難い。

独島・竹島が日本領土だという日本首相の発言に対し、韓国側は直ちに『独島は韓国の固有領土』という断固たる立場を発表した。日韓首脳会談は来年1月13日~14日、高市首相の出身地である奈良県で予定されている。その直前に予想できなかった突発変数が生じたわけだが、日韓両首脳はこれまで両国間の友好協力を明言してきたため、悪材料を賢明に克服し、東北アジアの繁栄のための姿勢を示さなければならないだろう。韓国と日本が平和をつくってこそ、北朝鮮を含む東北アジア6者が友好協力を増進させることができるという信念を、日韓両首脳が共有してくれることを望む。

世界は、理念や地政学的な利害関係から来る対立を克服して行かなければならない。韓国と日本もその例外ではない。


Hosaka Yuji 教授は日系韓国人の政治学者で、1998年から世宗大学で政治外交学を教えてきた。独島領有権に関する長年の研究と活動が認められ、2013年に大韓民国政府から、紅條勤政勳章を授与された。現在, 世宗大学の待遇教授であり、独島総合研究所の所長を務めている。