「数学の五輪」と呼ばれる「2014国際数学者会議」が13日にソウルで幕を開け、8人の受賞者が決定した。フランス国立科学研究センター研究員のアルトゥール・アヴィラ氏、米プリンストン大学碩座教授のマンジュル・バルガヴァ氏、ウォーリック大学のマーティン・ヘアラー教授、スタンフォード大学のマリアム・ミルザハニ教授の4人が数学分野の最高賞「フィールズ賞」を受賞した。また、ニューヨーク大学クーラン数学研究所のスブハシ・コート教授が数学における情報科学分野の業績が認められネヴァンリンナ賞を、カルフォルニア大学ロサンゼルス校のステンリー・オーサー教授が工学及び実生活に数学を取り入れた功労としてガウス賞を、プリンストン高等研究所のフィリップ・グリフィス名誉教授が数学発展の業績が認められ陳賞を受賞した。
表彰式の後、受賞者らは記者会見で取材陣の質問に答えた。受賞者らが投げかけたメッセージを簡略に紹介しよう。
2014国際数学者会議の記者会見で、受賞者らが韓国内外のメディアの質問に答えている(写真:ウィ・テックァン記者)
フランス国立科学研究センター研究員、アルトゥール・アヴィラ氏アヴィラ(Avila):ブラジルで博士号を取得した。ブラジルにはすでに約20年前から素晴らしい数学者らが存在していた。今回のフィールズ賞の受賞は、数学が生きた学問であることを多くの人に悟らせるだろう。また、ブラジルの数学のレベルが国際的に認められたことにも大きな意味がある。ブラジルの数学をサッカーと比較した質問があったが、それには答えない。サッカー選手に匹敵するほど数学者も良い職業だと思う。4年後にブラジルで開催される国際数学者会議でしっかり役目を果たしたい。
プリンストン大学教授、マンジュル・バルガヴァ氏
「好奇心と疑問こそ数学発展の力」
バルガヴァ(Bhargava):数学者である母の影響を受け、幼少の頃からあらゆることに疑問を持ち、好奇心旺盛だった。母はいつも親切に問題を解いてくれ、数学的探求につながるヒントを与えてくれた。
例えば、スーパーの果物コーナーにオレンジがピラミッドの形に積まれているのを見て、「なぜピラミッドの形に積む必要があるのか」という疑問が湧いた。買ってきたオレンジを家で違う形に積んでみた記憶がある。このように、日常の些細なことに関心を持つことが数学に興味を持つ秘訣だ。はっきりとした公式のないものから推論を引き出す過程が重要なのだ。
スタンフォード大学教授、マリアム・ミルザハニ氏
ミルザハニ(Mirzakhani):数学オリンピアードに出場したことをきっかけに数学探求に関心を持つようになった。興味深い問題にチャレンジし、答えを見つけ出すことが楽しかった。「数学」に親しみを感じるのは、とにかく興味を感じ、関心を持てる分野に集中力を傾けることが唯一の方法だ。子どものように、常に「なぜ」という疑問と好奇心を投げかけるなら、容易に数学にアプローチできるはずだ。
世界初の女性フィールズ賞受賞者が誕生
ミルザカニ: 初の女性受賞者になったことは、とても嬉しいことであり、光栄なことだ。数学は科学と技術の発展に欠かせない学問だと思う。今は多くの女子学生が数学を学んでいるが、数年前までは女性が数学を学ぶことなど考えられなかった。この時代になってやっと女性がフィールズ賞を受賞することができた。今後もっと多くの女性がこの分野に進出することを期待する。
数学の教育において最も重要なのは自信だ。ほとんどの人はクリエイティブな思考を発揮する才能を持っている。それを発揮できるだけの自信を養うことが重要だ。やればできるという確固たる確信が必要だ。
ニューヨーク大学クーラン数学研究所教授、スブハシ・コート氏コート(Khot):幼少の頃から「科学」に接する機会が多かった。私の家系には医師が多く、家には物理学や化学など難解な書籍が積まれていた。そんななか、1995年に参加したトロント・オリンピアードが私の人生に決定的な影響を与えた。そのときも私の隣にはミルザハニさんが座っていたことを覚えている。ちょうど今のように。
「数学の秀才から見た数学の魅力」
ウォーリック大学教授、マーティン・ヘアラー氏
へアラー(Hairer):数学の妙味は、全ての人が疑問に思う事実を「立証」することだと思う。立証された証拠や理論、命題などが永遠に存在することが、地球科学、物理学、生物学とは違う数学の差別性だ。2000年前の数学理論が現在も存在するように、一度成立した理論は絶対に崩れたり消滅したりはしない。そんな魅力を理解できれば、熱心に学ぶはずだ。
プリンストン高等研究院名誉教授、フィリップ・グリフィス氏
グリフィス(Griffiths):数学に魅力を感じる2つの方法を強調したい。一つは、数学にも存在する「美しさ」を知ることだ。数学を一つの「芸術」として捉えることである。もう一つは、数学が日常生活にいかに「活用される」かを認識することだ。数学は、目には見えないが、とても身近な存在だ。日常生活の範疇はもとより、経済や技術、医学など幅広い分野、そしてそれらを超越し、商品のデザインやモデリングにも数学が活用される。これさえ認識すれば、数学にも親しみが感じられるはずだ。
へアラー:まず数学は難しいという偏見をなくすことが大事だ。数学とは、いつどこでもアイデアを得ることのできる学問であり、様々な方法で解答を求めることができる。例えば、音楽を聴いているときや料理をしているときに疑問が湧くこともあるし、日常生活の中の行動を通じて解答が思い浮かぶこともある。
私の主要な関心は、常に「表面」にあった。空間に対する関心でもあった。例えば、ボールを蹴ったらボールがどこへ飛んでいくか知りたくなった。それで、ビリヤードの表面の地点をすべて打つことができるかについて自然に関心を持つようになり、打つ角度によってビリヤードのボールの方向が変わるのが新しい発見だった。
国際数学連合会長、イングリッド・ドーブッシュ(Ingrid Daubechies)氏
ドーブッシュ:五輪に出場する選手たちの努力は私たちの想像をはるかに超えるものだが、全ての人が五輪に出場しなくてもスポーツを楽しむことはできる。数学も同様に、天才でなくても、専門的研究をしなくても楽しむことができる。
「ソウル開催、チャレンジのきっかけに」
パク・ヒョンジュ組織委員長:何よりも劣悪な状況で、「やればできる」というメッセージを示したことに大きな意味がある。韓国が国際数学連合に加盟した1981年には、1年間に発表された論文の数がわずか3編に過ぎなかった。しかし、今では1千編以上と、世界11位だ。しかし、質的にそれだけの成功を収めたかというとまだ疑問が残る。短期間で目に見える成果よりも、時間がかかってもチャレンジする勇気が必要であり、たとえ失敗したとしても理解してあげることが必要だ。今回の国際数学者会議の開催を機にレベルの高い研究に果敢にチャレンジする勇気を持った人材が出てくることを期待したい。
数学者の興味深い話に耳を傾ける人々(写真:ウィ・テックァン記者)
コリアネット ウィ・テックァン記者、イ・スンア記者
whan23@korea.kr